心臓手術患者におけるビタミンK、腸内細菌叢、ワルファリンの変動との複雑な関係を探る


心臓手術患者におけるビタミンK、腸内細菌叢、ワルファリンの変動との複雑な関係を探る

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37598356/

Ling Xueほか、Int J Surg、2023年。
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引用

要旨
背景と目的 抗凝固薬ワルファリンの個人差が大きいことから、本研究では心臓手術患者246例を対象に、ビタミンK濃度と腸内細菌叢がワルファリンの個人差に及ぼす影響を検討することを目的とした。

方法 薬物動態・薬力学(PKPD)モデルによりINRとワルファリン濃度を予測した。ワルファリンおよびビタミンK(VK1およびメナキノン-4(MK4))濃度と腸内細菌叢の多様性を検出するために、それぞれ血清および糞便サンプルを採取した。さらに、患者の医療記録をレビューし、人口統計学的特徴、薬歴、CYP2C9、VKORC1、CYP4F2の遺伝子型を調べた。

結果 PKPDモデルによる理想予測値は、S-ワルファリンで62.7%、R-ワルファリンで70.4%、INRで76.4%であった。VK1の正常値は1.34±1.12nmol/mL(95%CI:0.33-4.08nmol/mL)、MK4の正常値は0.22±0.18nmol/mL(95%CI:0.07-0.63nmol/mL)であった。総ビタミンKに対するMK4の比率は16.5±9.8%(95%CI:4.3-41.5%)であった。また、最大抗凝固能の50%を産生するS-ワルファリン濃度およびプロトロンビン複合体活性の半減期は、ビタミンKの増加とともに増加する傾向にあった。さらに、ワルファリンの個人差に関連する主な細菌として、腸内細菌叢のPrevotellaおよびEubacteriumが同定された。この結果から、ビタミンK濃度の上昇は抗凝固作用を低下させ、腸内細菌叢はビタミンK2合成を介してワルファリンの抗凝固作用に影響を及ぼす可能性が示唆された。

結論 本研究は、ワルファリンを処方する際にビタミンK濃度と腸内細菌叢を考慮することの重要性を浮き彫りにした。この知見は、ワルファリンの個別化使用にとって重要な意味を持つかもしれない。ワルファリン抗凝固療法におけるビタミンKと腸内細菌叢の役割をよりよく理解するためには、さらなる研究が必要である。

著作権 © 2023 The Author(s). ウォルターズ・クルワー・ヘルス社発行

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