エピローグをつまみ食い。

自分の好きなアイドルが解散する。寂しい。
「好きなアイドル」とは言っているけれど、心が揺らされたのは、寂しくなったのは本当ここ一か月くらいなもんだ。それで何が好きだ!と言われてしまえばぐうの音も出ない。おっしゃる通りです。

こういう経験は何度かしてきた。数年前のWUGの解散然り、虹コンさんの推し・的場さんの卒業然り。
自分はいつでも後追いで物語を無視して「寂しいね」「悲しいね」と言うばかりだ。
もちろん寂しいし悲しい。いつまでもその姿を見ていたいし、そんなことは無理だともわかっているしでぐちゃぐちゃだ。

でも、それって結局物語のエピローグ、最終回を読んで「いい最終回でしたね!」と物知り顔で言ってるのと一緒じゃんと思う。
物語の積み重ねがあるから、最終回が素晴らしく見えるのに、それを何だお前は。最終回の最後の最後、一番いいところでBGMが流れるところだけを見て「泣いた~」とは。

これが常々自分に思っていることだ。終わりだけをつまみ食いして何が「おいしかったですね」だ。お前に物語を語る資格も涙する権利もないのだと思う。半分後悔で半分言い訳だって分かってるんですけど。
ラストシーンだけ見たってしょうがないから、って逃げるための口実作ってるだけなんですよ。

だって絶対後悔するもん。素晴らしい物語を見た後に「なんで自分はもっと早くこの物語を知らなかったんだ!」って。悔しい気持ちになるくらいなら触れずに幻みたいにしてしまった方がいいじゃん!と逃げ続けている。

けれど、今、ちゃんと終わりと向き合ってみると絶対ちゃんと終わらせた方がいいなと思っている。
あと、最終回だけ見て感動できるストーリーはそれだけで素晴らしいのだから、ちゃんと見届けるべきだ。
新しいものは生まれないけれど、同じようにはできないけれど、一から振り返ってその歩みを知ることはできる。いい時代になった。

漫画の最終回も、アニメの最終回も、できるだけ逃げ続けてきた20年だけれども、もしかしたらこれからはちゃんと向き合えるかもしれない。
あと10日という短い時間だけど、まだまだちゃんと愛せるなと感じたそんな深夜2時前。


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