学生から見たTTT1003


TTT1003「問診回」と題されたオンラインセミナーに参加させていただきました。

今回TTTに参加できたことで、僕はそもそも「患者さんに目を向けていなかった」という非常に初歩的な点に気が付くことができました。



学校で習う問診といえば、


・主訴を聞く
・5W1Hで足りない点を質問
・家族歴・既往歴の確認
・見た目の損傷度合い、血管・神経損傷確認
・疑われるテスト法実施

そうして骨折や脱臼の固有症状から症例を当てられたらテストに合格。といった流れで習います。

そうやって問診の練習を行いますが、内容よりも身なりの清潔さなどがまずは重要視されているので、結構中身は雑に扱われている印象です。

そして現場と大きく異なること。

それは、学校の問診は当然ながら答え合わせができるという点。
しかし、実際の患者さんを診るときには答え合わせなどできません。

これほど難しいことなのに、問診って本当にこんな簡単でいいんだっけ?と疑問が浮かびます。
・動きの確認とか綿密にしなくて大丈夫?
・既往歴、家族歴はさらっと流してるけどいいのだろうか?
・みんなこの練習に満足しているの?社会に出てからこれで通用するんだろうか…
など、疑問だらけの問診練習に危機感を持っていました。

実際施術の真似事をするときも、こんな問診ではもちろん原因なんてわからない。
問診ごっこをしてもいまいち原因が掴めないので、とりあえず身体を触ってみる。
それだけじゃどこが原因かなんてわからず、わからないことは知識が足りないだけ(それは大前提)。知識をつければ問診って自然と身につくのでは、などと勝手な勘違いまでしていました。


しかし、今回TTTに参加できたことで、そもそも絶対的に足りていない部分がわかりました。

それは、「患者さんに目を向けていない」という初歩的なこと。

それにようやく気付くことができました。早く患者さんを治したい一身が上回り、自己中心的な考えを持って患者さんと対話をしているようで、できていなかった。

そんなことで原因が見つかるはずがない。


問診が治療とは?


問診とは、患者さんの未来のために過去と現状を知ること。

ヒポクラテスは「医師が病気を治すではなく、身体が人を治す」と言っていたそうです。
自分が治すと思い込んでいた僕は、全くの検討違いです。


セミナーの中では、「ナビゲーター」という言葉が印象的でした。
過去から現状、そして未来へ患者さんを案内する。そのために点を集める不可欠な行為が問診。だから正しい方向性を提示できれば、そこでほとんど治療は完了したも当然だと。

鎌形先生はこの一連の作業を「点と点を結び、線にする」と表していました。

線が繋がらなければ、それが間違いであるということ。


セミナーではそのために必要なことを、法律的な見解、見た目や座る位置から始まり、基礎から丁寧に教えていただけました。

そして、実際にあった2例を文字起こししてくださり、
そこでは患者さんと一緒に未来を考える鎌形先生の姿勢が見受けられました。

患者さんの必要としていない未来に向かうのではなく、施術者の考える未来を「患者さん自身に必要」だと感じてもらうことが重要だと。

そのためには
・傾聴力
・誘導力
・要約力

の3点が大切で、点をなるべく多く引き出すための様々なテクニックも今回学ぶことができました。

そうしたテクニックが問診術だというのです。


セミナーでは他にも、
・話が長い患者さんや横暴な態度の患者さんへの対応
・信頼関係を築くための会話術
・誘導術(営業マンのクロージングとは全く別物)
・いわゆる「もらっちゃう」ことへの対応
・優柔不断な人となにを食べるか決めるやすくするテクニック(問診と関係ないですが普段から使えそう)
・解剖、生理、病理など基礎分野の大切さ

そしてなにより、一番学んだことは患者さんファーストの姿勢です。
「常に患者さんに敬意を持つ」
これが簡単なようで難しく、そして忘れやすいことだと思いました。

そのために必要なテクニックをたくさん練習し、問診術について今後も考えていきたいと思います。





そしてもう一つ触れておきたいこと、


それは由井先生についてです。

今回、由井先生のTwitter企画で当選し、このTTTに参加することができました。


このような機会を与えてくださり、本当にありがとうございます!

企画だからって、顔も知らない見ず知らずの学生のために、身銭を切って勉強会に参加させてくれる。

普通こんなことできません。
後輩に飲み会でおごる。とかならまだわかります。

しかし、僕は由井先生のことを知りません。
由井先生はもっと僕のことを知りません。

なのに、それだけTTTという企画が素晴らしく、少しでも早いうちから学生にプロの考えに触れてほしい。と考えてくださったのだと思います。


今回のTTTでは、由井先生のような「人間力」についても考えるきっかけをいただきました。

今回の貴重な経験を無駄にしないよう、誠心誠意、患者さんと向き合っていきます。

本当にありがとうございました!

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