ヴィクトリアマイル回顧
◎ソングライン
○ナミュール
▲ソダシ
△スターズオンアース
ここまで打ててなんで外すかなあ。。。
ただ今回は過去一で良い予想ができたかと思います。
確かに結果的を見れば人気決着ですが、かなり近い盤面を描けていた上でこの結果なのでそこは納得しています。
ここで振り返らずに今の感覚を忘れてしまうと、次に繋げられないので筆を取った次第です。。。。
「俺はこうして負けから学ぶ」
今回のレースのポイント
今回のレースのポイントは「直線で抜け出すソダシと併せ馬して勝てるかどうか」でした。これに尽きます。
まずはソダシのことを考えます。
こちらソダシの近5走の戦績です(左からレース名, コース, 馬場, 着順, 位置取, テン1Fタイム, テン3F持ちタイム, 上がり3F持ちタイム, 1000m通過タイム-走破時計)
特徴的なのは上がりタイムです!
マイルという距離においてダートでも34.9, 芝なら33.4~33.8と先行力もありながら早い上がりも使える。加えてテンは128~130と早く1000m58秒に満たないペースに追走していても33秒台の上がりを使えるところが何よりの魅力です。
ということで、
ソダシよりも前に行くなら33秒台の上がりを使われても届かないリードを取ってラスト3F, 後ろから行く馬はソダシより早い脚を使って差し切れる位置からラスト3Fを迎えなければなりません。
今回の場合、大逃げを打つような先行馬がいない。
ソダシの前にいそうな馬が
ロータス(上がり32.8~35.8)
サウンドビバーチェ(上がり34.1~35.1)
スタニングローズ(上がり34.3~38.1)
だったことから、直線でソダシが一回先頭に出るのは明確でした。
(※ロータスは早い上がりを使ったのは先行した時ではないながらもその経験ありということで、差されない可能性があり、単穴で狙いました)
よって、この抜け出たソダシをさせるかそうでないか、これを考えるレースということになります。
直線の位置関係
直線の位置を予想するにあたって、道中の展開読みは避けては通れません。
ここが僕の予想において肝になります。
いつもは基本的にテン1Fの持ちタイムと馬の特徴を踏まえて先団を形成していき、あとは直線で欲しい位置から逆算して思惑通りの位置に行くための騎手の思惑を読んで馬群を作ります。
今回はこんな感じ。
そこそこ内に早い馬が揃ったのでソダシ以外は割と出たなりで馬群を作り、外からソダシが被さってという感じで一旦ざっくり決めました。
ポイントとなるのは、
昨年先行しかけたのにかかりそうになり後ろからの競馬を余儀なくされたソングライン、スタートさえ決めれば外から好位が取れそうなナミュールの位置取り。
結果的に協議の末、2頭とも調教面から気性的な部分、体つきの部分に改善が見られたので共にクリアして強気に位置を取ってくるだろうと考え、↑の隊列で予想してます。
ここもっと話したいこと山ほどありますが、めちゃ長くなるので割愛します。
東京では大体4コーナーを回った③が通過しているあたりが上がり3Fの始まりです。ここに0.7と不可解な数値が書いてあると思いますが、これが最重要ファクター、説明していきましょう。
昨年のヴィクトリアマイルを振り返ります。
直線での1着ソダシと3着レシステンシアの位置関係はこちら。大体2馬身くらい。
ゴール前の位置関係がこちら。(ちと過ぎてるけど)約2馬身。
ここでソダシの上がりが3F33.4に対して、レシステンシアの上がりが3F34.1なので、先にいる馬が3F通った時点でよーいどん、そこから0.7秒早い上がりを使うと4馬身の差がつくということになります。
「0.7秒4馬身」という物差しを使って直線の攻防を予想していきます。
直線の攻防
先ほどの隊列をもとに直線の位置関係を予想したものがこちらです。
大体コーナーで4馬身だった馬たちがバラけて赤矢印0.7の区間に入るだろうというメモです。赤矢印0.9も同様加速度的なものも考慮して位置的に先頭に対して0.9秒早い上がりがないと差せないということを意味します。
おそらく直線に入って先頭にいるのは3.サウンドビバーチェ, 5.スタニングローズなのでこの子達がベストを出したことを考えて、それでも持ちタイム的に差せるのが黄色で蛍光ペンついてる馬たち。これだけ差される馬がいる時点で先行逃げ切りは厳しいだろうと考えることができます。
では当初の予定通り、ソダシとの追い比べ比較で考えていきます。
ソダシの昨年の上がりが33.4, に対して今年は外から先行して外外を回しての追走になるということでそれも加味して33.8~34.0くらいと見積もって組み立てます。
まず本命になったソングラインからいきましょう。
ソングラインは仮に位置が取れなかったとしても枠もあってソダシから4馬身以内でコーナーを回れそうだと考えていたので、ソダシより0.7秒早い33.1~33.7を出せれば差せる。そして、かかって下げた昨年の上がりが33.2, 勝ち切った安田記念の上がりが32.8。調教から昨年以上の仕上がりであることは間違いないのでこれが可能だろうと考えました。
ソングライン>ソダシ
次にスターズオンアース。
位置的にそのまま前に行って馬群を割って出てくるか、一度外に出さなければならない。さらにいつもに加えて厳しい追走。前走ハイペースの上がりが34.0なので脚色は鈍る。一方で距離は短い。この辺踏まえて33.5~33.8くらいと見積もる。
内にはスターよりも前に2頭は確実にいるのでソダシとの距離は2,3馬身程度。最速出せたとしてソダシに追いつくか追いつかないかそれくらい。
ソングライン>ソダシ=スターズオンアース
最後ナミュール。
最近スタートを決められるようになってきて最初のポジションはある程度選べる。それならソダシが見える4馬身以内で追走し、直線外から襲いかかる。となると必要なのは33.1~33.7となります。近走ナミュールは本質であるマイル戦ではなくクラシック参戦→エリ女と長い距離を使っており、前走は内有利の中外から差して33.7。
さらにかつて東京マイルの赤松賞では33.0も計測しており、これが可能。
ナミュールとソングラインですが、
位置としてはソングラインの方が前、または一馬身程度後ろとなるので決め手があるのはソングライン。ナミュールはそこがわからない中で33.0~33.7、ソングラインが32.8~33.2くらいは使えるのでやはりソングラインに分がある。
ソングライン>ナミュール>ソダシ=スターズオンアース
と、この通り能力の優劣がついてその通り印を打ったという感じでした。
想定としては、ソングラインとナミュールがソダシを喰って2頭の叩き合いとなるかなーくらい考えていました。。
反省会
ここまで来て敗因は明確です。
「ナミュールの評価」これに尽きます。。。
実際と想定との違いを擦り合わせていきたいと思います。
まずスタート。
ほぼ横一線。
アオリぐせのあるナミュールも、前走もうまく出ていたソングラインも上手く出てくれました。テンが良いスタニングローズが出遅れて挟まれてしまったのが想定外でした。
確かに紫苑S→秋華賞の時はテンが共に12.4というスピード乗りでしたが、近2走は13.0→12.9と一時期と比べるとだいぶ遅く出ていました。前走中山で上り坂スタートだったのでこの影響もあったかと思いましたが、今後はケアする必要がありそうです。
これのおかげでスターズオンアースが一段前に出られましたが、同時にソダシも前に出られたので全体的な位置関係は変わりませんでした。
わかっていたことですが、9.クリノプレミアムから15.ルージュスティリアまで近5走テン1Fの最速タイムが同じ(12.7~12.7)。スタート決めてある程度前に行く馬が固まっていました。この子達が内から外まで重なったことで中段の最前列の取り合いが発生しました。
テンの早い馬が固まっていることは確認していて、だからこそ、内枠から後方にかけて三角形を描くような隊列になるかと思っていました。
しかし、確かにワンターンの東京。出てからコーナーまで距離があり、すぐにポケットに入れる必要がないところで主張する馬はある程度勝負をかけてくる。ここに気づいて注意すべきでした。
そして不運にもこの展開のはずれくじを引いたのがナミュールでした。
進路が狭くなって、前の進路が塞がれ、ブレーキをかける形で後ろへ下げられることになりました。
ここまで厳しい展開になることは読み切れませんでしたが、ナミュールよりもナムラクレアの方がテンが早く外枠。ということはナムラクレアを突破口にして外の馬がナミュールの前に殺到してくることは想定できました。
(ナムラクレアがここまでちゃんとマイラーの乗り方をしてくるとは思ってませんでしたが、確かにここから内に切れ込むのは難しく、腹括って外でポジションを取るしかありませんね)
この影響を受けて、15の位置にいて欲しいナミュールが4馬身ほど後ろに下げられた状態で4コーナーを迎えます。
ここで寄り道しますが、今回のホットスポットは確実にソダシの後ろ。そこに川田騎手がいるあたりが流石の騎乗だと思いました。先ほどグシャとなったのはこのポジションを取るためだったと考えられます。ポジションの重要性を理解して騎手心理を考えなければ川田騎手が強引にここを取りに来るところは予想できません。認識が甘かったポイントです。
さて、ここから0.7秒差4馬身の物差しの答え合わせ。
ソダシを基準にギリギリ4馬身、0.7秒ソダシよりも早い上がりを使えば差せるラインが13ディヴィーナのポジション。これを踏まえて各馬の上がりタイムを見ていきます。
16.ソダシ(33.6)
2.スターズオンアース(33.6) 半馬身
15.ルージュスティリア(34.2)1馬身
3.サウンドビバーチェ(33.8)1.5馬身
6.ソングライン(33.2)2馬身
12.ナムラクレア(33.9)2馬身
8.ララクリスティーヌ(33.9)2.5馬身
9.クリノプレミアム(34.2)3馬身
11.ナミュール(33.5)3.5馬身
13.ディヴィーナ(33.1)4馬身
ソダシが上がり早すぎんのよなあ。
外回されて、直前あんなに雨降って、それで昨年と比べて0.2しか遅くならない。
これも一つ想定外だったポイント。。
今回の上がり最速がディヴィーナで33.1、これがソダシと比べ4馬身差離れて上がり0.5差。これでは足りませんね。
上がり2位がソングラインで2馬身0.4差。理論上これなら差せる
ナミュールはソダシに対して3.5馬身0.1差。差せない。。。
そしてゴール前。
ソングラインが鼻差でソダシを差し切り。
ソダシとスターズオンアースは半馬身差のまま。
ディヴィーナは1馬身届かない。
という物差し通りの結果になりました。
これは使える✨
アバウトでもある程度の位置関係と上がりを把握すればある程度は見える。
でもそれじゃ足りない!!!完全なフィールドの未来に行きたい!!!
そのために必要なピースを拾っていきたいと思います。
私の目論見通り行かなかったのは、やはりナミュールの評価のみ。
ナミュールの正確な評価を邪魔したのは、
・川田将雅のソダシの裏を絶対に取るという意思
・外外だろうがお構いなしのソダシの底力
・成長分を振りかざしたナミュールへの過大評価
ここです。
まず一つ目。スイートポケットの位置の把握。
これを圧倒的に怠っていました。そして、勝ち切るビジョンが見えないからこその最低限の仕事をこなす川田将雅の仕事様には完敗しました。これがリバティアイランドならこうはしない。ルージュだからこその位置取り。この心理を先読みできていれば、ナミュールとソダシを1馬身差以外の開きからも考察していたと思います。
今すぐに取り組めるのはここです。インプットしました!!!!
ソダシの能力にも完敗でした。身体的にも精神的にも成長していました。
確かに馬体写真を見たとき、前走マイルCS時よりも明らかによく見えていた、廐舎コメントからも大人びたという表現を幾度となく耳にしました。ただやはりメディアを通して入る情報は疑ってしまう。となればパドックや調教から読み取るほかありません。調教は昨年力を入れて伸びてきた部分なので、課題はパドックか。。。
他のファクターを精査する能力をつける時なのかもしれません。
最後にナミュールへの過大な期待。
ナミュールは確かに強い馬です。これは間違いないし、これまでの坂路映像に比べて右に右に流れる癖が前走から改善されていて、これによりゲート時のアオリが解消しているところなど色々と気づく部分はありました。
ただ、成長している馬を見るとこいつが勝つ!と妄信的になってしまうのも事実です。成長分の正確な把握。今回で言うと、ある程度前につけて逃げ馬を捉えに行った東京新聞杯。このときの上がりが33.7。これに対して、今回仮にソダシ裏のポジションが取れていたとして33.7より早い上がりが使えるのか?これを疑問視することはできたと思います。また、ソングラインとの力関係も指標的には迷うところではなかった。ここら辺、自分の甘さかと思っています。
確かに好きな馬が勝てばいい、という楽しみ方もあるしそれが大半なのはわかります。でも私の理想は完璧に流れを読み切ること。成長します。
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