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VALORANT Champions 2022 決勝 LOUD vs. OpTic Gaming 分析 by @nolozy


LOUD 3 - 1 OPTC


LOUDが2つのMAPをBAN、試合が始まる前から有利だった。


スタッツ

Rating 1.27のSacyがMVP


データ


選手別: 全MAPにおけるFK/FD、LOUDはaspasに最初の撃ち合いをさせることを徹底している


選手別: 全MAPにおける1vsXの勝利数/回数


チーム別: 全MAPにおけるXvsXの勝利数/回数


【MAP1 - Ascent】 LOUD 15 - 13 OPTC


Upper Finalと同じ守備スタートになったOPTCは3ラウンド目から6本連取した


Upper Finalの再戦となったAscent、OPTCは前回3ラウンドしか取れなかったこともあり、構成を変えた。(Upper Finalの試合も踏まえて分析をするべきだと思うが、それは13-3で終わった試合で、さらに最新ではないためあまり参考にはせず進めていく。)


エージェント構成・スタッツ


LOUDはUpper Finalと同じ構成で挑んだ。これは2022/3/13のTeam Vikings戦から固定の構成であり、勝率は93%(14勝1敗)であった。負けたのはMasters Reykjavíkの決勝、OPTC戦(Patch 4.04)だけである。

LOUD: Ascentのエージェント構成


それに対するOPTCの構成。これはただのミラーにしたのではなく、そのMasters Reykjavíkの決勝のときの構成である。

OPTC: Ascentのエージェント構成


OPTC: 前回の敗北した構成、これにしてからLOUDには勝てていない


データ


選手別: AscentにおけるFK/FD


選手別: Ascentにおける1vsXの勝利数/回数


チーム別: AscentにおけるXvsXの勝利数/回数、LOUDの2vs2が目立つ


前半: LOUDのアタック


LOUDはアタッカーサイドで5ラウンドを獲得した。基本的にラッシュ以外は本陣にキルジョイ以外の4人を配置する陣形をとり、そのキルジョイはBメインのコントロール&ケアを任せられていた。主にJettとKAY/Oはペアでミッドやショートの進行を行っていた。オペレーターは拾った後のラウンド以外は使わずにライフル5人で攻めていた。FKを取ったラウンドの勝率は75%であった。

1stのピストルラウンドは5人でBラッシュ。開幕時にスキルをふんだんに使用し勝利した。パラノイア、リーコンを麒麟に、ナイフをボートハウス上の壊されにくい場所に使用し即座に1killしメインを確保、そのままJettのブリンクインでサイトに入り込んだ。最終ラウンドにも開幕ドローンを使用したBラッシュを行いサイト内でキルを獲得し勝利した。Bラッシュの勝率は100%(2勝0敗、先の2ラウンド)だった。

LOUD: 1stのBラッシュ、Killjoyはタレットを置いた後、ミッドを回って相手のKAY/Oを裏から倒した - 1ラウンド目


Aメインコントロール時には主にJett, Sova, KAY/Oが向かい、ラウンド開始時にイニシエーターの2人が時間で回復する索敵スキルをディフェンダー1人では壊せない位置に使っていた。リーコンはサイト内が見える場所に撃っていた。KAY/Oのナイフだけでクリアできそうと判断した場合はSovaはリーコンのチャージを離し温存していた。素早いラッシュに備えるためである。Aメインを確保したあとはオーブをSovaかKAY/Oが拾った。この配置からスタートしたラウンドの勝率は33%(2勝4敗)であった。半分のラウンドでこの攻めを行ったがOPTCのOmenとSovaの守りに苦労し、Bロテートも失敗した。

LOUD: Aメインコントロール時の配置、オーメンはミッド中央にスモーク。詰めを監視


ミッドを使用した攻めを行う時は、JettとKAY/Oがショートやアーチを攻め、本陣はメインから進行した。ミッド進行の2人の結果によってサイトを攻めるか判断していた。このスピーディーなミッド攻めを使ったラウンドの勝率は25%(1勝3敗)であった。11ラウンド目ではB挟みを試みたがKAY/Oのナイフが来てJettがオペレーターに殺されたのでキャンセル、その後Bに4人で入ったが、敗北した。

LOUD: B挟みの場合はスモークはショートとBのCTに
LOUD: ショート挟みはKAY/Oが開幕にナイフを投げ、ショートにダッシュしてJettと合流


前半: OPTCのディフェンス


OPTCは3ラウンドから6ラウンド連取することになる。これはLOUDのAメインコントロールを防ぎ、サイトに入れないというミッションを成功させたことが大きい。FBを取ったラウンドでは6勝2敗だった。

ピストルはKilljoyをAに配置。相手のBラッシュを止めれなかった。スモークをすぐに返したがその前にSovaが倒され。パラノイアもキルと時間稼ぎに繋がらなかった。

OPTC: ピストルラウンドの配置 - 1ラウンド目


KilljoyをKAY/OとOmenの反対側に配置することをOPTCは選択した。Killjoyは開幕3連続でAを守り、そのあとは主にBを守った。Bを守る際はBメインを奥まで見るタレットを使用した(最終ラウンド以外)。タレットをショート、ボットをミッドに置く配置も1度行った。

OPTC: KilljoyのBセット、ナノスワームを開幕投げていた


Aは主にOmenとKAY/Oの2人で同じところを守る形を取っていた。この配置で序盤の6ラウンド連取をすることになる。

OPTC: Aメイン守り、1wayスモークとナイフでワイン側を確保しパラノイアを返した
OPTC: ショート守り、Omenがミッドの足音を聴きKAY/Oがカバーに走りフラッシュを返した


SovaとJettは共に行動することが多く、Sovaのリーコンやショックダーツで敵を牽制しつつメインやミッドでの1pickを狙っていた。ドローンは相手が設置をする前に味方の見ていないミッドやメインに流し、敵の進行を確認していた。この2人がAに行く場合はKAY/OがBを守っていた。

OPTC: JettのオペレーターをリーコンでカバーするSova


後半: OPTCのアタック


ピストルラウンドのOPTCはショート3人でA挟みを行った。まずミッドをイニシエーターのスキルで広く取り、自分たちが焚いたショートのスモークが晴れるのを待つ。そしてJett, KAY/O, Sovaの3人でエントリーを開始した。メインの2人はガーデンにスモークを焚いてから素早く進行し、LOUDがサイトを開けていると判断したOmenがヘブンから裏を取りラウンドを獲得した。

OPTC: ピストルラウンドの開幕時 - 13ラウンド目
OPTC: ピストルラウンドのサイト進行時
ショートのJettがやられた時にミッドにスモークを焚いてミッドロテートの警戒をさせている  - 13ラウンド目



OPTCもKiljoy以外をAメイン側に置いた配置を使用したが頻度はLOUDほどでは無かった。LOUDよりもミッドにアプローチし、特にKAY/Oのスキルを使用したスピーディーなマーケット確保を行った。Jettが相手の見てない空いた場所を攻めるやり方が刺さりつつあったが、最後の4ラウンドで全てFBを取られ、4 vs 5になることでサイト進行時の必要なスキルが欠けて12-8からOTを迎えてしまう。

OPTC: Bのミッド挟み、Killjoyがミッドの3人目となりナノスワームでピザをクリアする - 17ラウンド目


後半: LOUDのディフェンス


LOUDは守りのピストルを落とし、3rdを獲得したものの8-12になる。しかしそこからOPTCの攻め方の特徴をつかんだのか、全てがうまく行くようにラウンドを連取しOTに繋げた。基本配置はSova,KilljoyがB、Jettがミッド、KAY/O,OmenがAである。

まず、8-12のラウンドでOPTCは先のBのミッド挟みを行ったが、aspasがピザでナノスワームを踏みながらJettとKAY/Oをキル。ピザをナノスワームを信頼して完全にクリアしない隙を狙った。FNSがカバーをしたがLOUD視点で4vs3でほとんどの敵の位置が分かった。Aショートに流れてくると読んでKilljoyとOmenの2人で待ちラウンドを取る。

LOUD: ミッド進行を1人で止めるaspas(Jett) - 21ラウンド目


apsasの個人技による連続キルが光り、オーバータイムを迎える。基本的な配置からほとんど変えることなかったが、KilljoyがAメインにナノスワームを置くセットアップに変更した。OT前最終ラウンドは相手のKilljoyのウルトがあるためB読みで使用しなかったが、これは参考にするべきセットアップではないだろうか。

LOUD: MAP全体に広がるKilljoyのセットアップ - 22ラウンド目から使用


オーバータイム


15-13で終わったOTは、全ラウンドLOUDが勝利したといっても過言では無い。12-12のラウンドは人数不利が何度も生まれながらも、キルを一つずつ重ねていき相手の焦りを誘った素晴らしいラウンドだったので細かく分析したい。まず、Killjoyがミッドのドローンに映ってしまったため壁抜きをもらってFDをするがミッドケアのOmenがすぐさまトレード。4vs4からのAセットとなった。この時、KilljoyとOmenがミッドに敵が集中していることを確認したため、すぐにサイトに進行。プラントをせずにヘブンに撃ち合いに行く判断をしてaspasが死なずにキルを取り、少人数戦になったところでヘブン下に籠城。OPTCはパラノイアを信頼してリテイクを試みるがヘブン下では近距離戦闘になり無意味に、選手全員のマクロとミクロが光ったシーンだった。流れは試合動画で見てほしい。


【MAP2 - Bind】 OPTC 13 - 6 LOUD


アタッカーで10本獲得したOPTC


エージェント構成・スタッツ


勝利したOPTCの構成はChamberを入れた2コントローラー構成。

OPTC: Bindのエージェント構成


LOUDはFadeとSkyeを入れ2イニシエーター2コントローラー構成。センチネルがいないためイニシエーターのスキルを上手く使いエリアの進行をチェックしたいがうまく行かなかった。

LOUD: Bindのエージェント構成


データ


選手別: BindにおけるFK/FD


選手別: Bindにおける1vsXの勝利数/回数


チーム別: BindにおけるXvsXの勝利数/回数


前半: OPTCのアタック


1stラウンドは、まずViperのスキルでAショートのコントロールをした。それに対応したLOUDはAに4人が集合したがOPTCはその後にBに集合しエルボーにSkyeの犬を流しプラント、そのままエルボーからCTを確保した。

そのまま5,6ラウンド目以外を取ったOPTCは、アタック時にMAP全体を満遍なくケアするかたちを取り、その後取れたエリアを状況を考えて進行するサイトを決めていた。主にSkyeのサポートを得たエージェントが、あるエリアをサイト前近くまで"覗いて"広げ、Razeはフッカー前を受け身の姿勢でコントロール、Viperはスキルを上げ下げしてAショートの詰めを確認するかたちを取った。奥まで行く時は味方のカバーがある時かChamberでドライで行く時だけだった。


特に4,5ラウンド目はその傾向が見られ、ラウンド開幕からすぐにロングとシャワーを少ないスキル数で覗き、チェンバーはシャワーをドライで執拗に覗きコントロールを得ていた。ほぼ常にシャワーの支配権を得ていたOPTCはMAPコントロールでLOUDより上に立ち、人数不利になったとしてもラウンドを連取していった。


ラウンド12でも同じような形をとったがLOUDもロングにスモークを使い対応してきた。そのためフッカーを確保しChamberを置いてからAフェイク、Aに流れる相手をChamberがウルトでキルを狙った。外してはしまったが、SkyeのウルトでBにエントリーしViperがウルトをサイトに展開。CTからのリテイクを塞ぐことができラウンドを獲得した。


前半: LOUDのディフェンス


LOUDはディフェンスで2ラウンドしか取れなかった(しかもそのうちの1ラウンドもOPTCが致命的なミスをした)のであまり言及しない。今回のLOUDは、OPTCのViperのスキルによるAショートコントロールに付き合いすぎてしまった。しかもネガティブに。シャワーよりランプのコントロールを重視したがOPTCがうまくそれをいなし、シャワーをChamberが簡単に取ってしまったのである。12ラウンド目のようにスモークを前目に使うのは良かったが、アクティブにクロスを組むなどはせず、とにかく受け身でOPTCにやりたい放題にされてしまったのである。


後半: LOUDのアタック


LOUDはピストルラウンドにViperカーテンを利用したシンプルなAショート攻めを実行した。サイトを確保した後、CTとシャワーで二手に分かれ、うまくカバーしながらキルを重ねラウンドを取る。アセントでも見せたプラント後のエリアコントロールの連携と判断の速さが光った。

LOUD: 1stの設置後 - 13ラウンド目


そのまま4ラウンド連取したLOUD、フッカーとショートのコントロールに人数を割き、OPTCよりはカバーの意識が高い初期位置だった。特にBロングを空けてでもフッカーの人数を増やし、あとからロングは確認しよう、とおいう意思を感じることができた。先に取る場所と後から取り返す場所と分けて考えていたのだろう。センチネルがいないため、BrimstoneとViperがアンカーの役割をこなしていた。

17ラウンド目、LOUDはシャワーを取ってからAショートに5人で攻める。この時にOPTCのSkyeが鳥をシャワーに展開。誰もいないことをチームに伝え、LOUDがショートとランプしか取れていないことが確定してしまった。シャワーを見なくても良くなったOPTCは簡単な撃ち合いが増え、LOUDは設置後にサイトにエリアを広げようとするが、時すでに遅く、OPTCのカバーが間に合っていた。センチネルもいないため裏も怖い。ラウンドを落として当然のラウンドだった。守りのSkyeがどれだけ強いか分かるラウンドであった


この後、すべてのラウンドを落とすのだが、シャワーを2人でドライでピークされてエリアコントロールにおいて需要なSkyeがFDするなど、ミスが目立った。最終ラウンドも17ラウンド目と同じようにシャワーを取らずにAに入ったLOUDがFKを獲得するも、OPTCに囲まれる形になり敗北。練度の低さが見て取れるMAPだった。


後半: OPTCのディフェンス


LOUDの攻めがお粗末であったのもあるが、OPTCはSkyeとBrimstoneがシャワーとロングをコントロールできたことで相手の場所がある程度特定でき、裏取りによってMAP全体を支配、詰め将棋のように試合を進めて行った。


【MAP3 - Breeze】 LOUD 16 - 14 OPTC


3度のOTを制したのはLOUD


エージェント構成・スタッツ


LOUDは2イニシエーターにCypherを採用した。攻めのBメインとエルボーの保持をカメラで行った。

LOUD: Breezeのエージェント構成


OPTCはChamberを選択した構成。オペレーターはJettではなくChamberが持った。

OPTC: Breezeのエージェント構成


データ


選手別: breezeにおけるFK/FD


選手別: Breezeにおける1vsXの勝利数/回数


チーム別: BreezeにおけるXvsXの勝利数/回数


前半: LOUDのアタック


最初の5本を失ったLOUDはラウンド6で構成を活かした攻めを見せた。アセントのKilljoyのようにエルボーをCypherがカメラを駆使して引き目に監視、Jettがゆっくりメタルを進行するがFNSのモクでストップ、この配置で待機していると、Bを詰めてきたyayに落とされてしまう。そこでViperはミッドを奥までラークすることに、それが成功しラウンドを獲得する。やはり人数不利になったらどこか詰めるのがLOUDのアタックスタイル。

LOUD(赤色): CypherがBを監視する配置を多用した - 6ラウンド目
LOUD(赤色): ミッドラークが刺さる - 6ラウンド目
LOUD(赤色): ラークを倒しにきた相手KAY/OをSovaがカバー - 6ラウンド目
LOUD(赤色): 完全にAサイトを囲み込んだ - 6ラウンド目


次のラウンドを落としたものの、8ラウンド目からLOUDはAサイト設置を4回連続で成功させ、ラウンドを前半最後まで連取することになる。LOUDはどのようにOPTCのAを攻略したのか。まずその8ラウンド目、先ほどと同じようなセットアップからJettがメタルを一人で進行し落とされ4vs5。そこからAに集まってくるLOUD。Aメインには相手のViperのウルトがある。そこをSovaのドローンと完璧にタイミングを合わせたKAY/Oがスネークバイトが飛んできた方向と逆に流れ、ナイフを投げた後ポジショニングを失った相手のKAY/Oをキル。ドローンに刺された相手のViperもミッドから来たCypherが壁抜きで仕留める。設置後も積極的にピークしたCypherが2キルしラウンドを獲得した。LOUDは4人になってから2:2の陣形をしっかり作り、スキルと持ち前のカバーでエリアを広げていくのが非常にうまい。

LOUD(赤色): Jettがキルされる4vs5になるLOUD - 8ラウンド目
LOUD: Sovaのドローンと完璧にタイミングを合わせるKAY/O、"俺的このMAPの分かれ目となったプレイ" - 8ラウンド目
LOUD(赤色): Aサイトを制圧。OPTCはミッドの情報が全く無いため、このような配置 - 8ラウンド目


相手のエコラウンドもあり前半最終ラウンドを5-6で迎えたLOUD、ここでは開幕2人落ちてしまい3vs5に。しかしウルト状況はLOUDが上手。ここで持ち前の不利状況打開能力が発動する。CypherがB、Viperがミッドに進行、浮いた相手のJettをCypherがキルしウルト発動。相手の位置が分かりBのSovaに1vs1を仕掛けて勝利し3vs3に。その間にViperは相手の足音を聴きながら最高の位置で待機。OPTCのケアミスもあるが、3vs5の状況ですぐにミッド進行を選択したpANcada(Viper)のポジショニングの勝利だった。

LOUD(赤色): Jett, KAY/Oが落とされ3vs5に、ここでスパイクもドロップした - 12ラウンド目
LOUD(赤色): Bとミッドに進行を開始、浮いたJettをキル - 12ラウンド目
LOUD(赤色): Sovaとの1vs1に勝利、既にViperはこの位置に - 12ラウンド目
LOUD(赤色): 決め手となる2キルをするViper - 12ラウンド目


前半: OPTCのディフェンス


OPTCはディフェンス時、Bメインを強気に取ることが後半になって増えて行った。LOUDがBをCypherで引き目に守ってる多いことに気づいたからだろう。そのせいで最後に連敗したとも言える。OPTCはピストルでメタル進行をケアしクリア。そのまま相手のA進行を集団JettとSovaが抑え、ミッドが怖いためメインを3人で取りにいきキルを重ねラウンドを獲得。LOUDはBINDで見せたように1つのエリアで設置まで行こうとする。Ascentの1stもBラッシュだった。そこが今回はうまく行かなかった。


そしてOPTCは守備時、ミッドをほぼ常に空けていた。余ってるカーテンをミッドに使うくらいで、ほとんどの人員を両サイドのメインやメタル抜け警戒に割いていた。数ラウンドは上手くいったが、LOUDにそれがバレてしまったのだ。もしLOUDが最初からミッドを使っていたら、オーバータイムは見れなかったかもしれない。

OPTC(緑): FBのシーン、ミッドは見ない - 3ラウンド目
OPTC(緑): ミッドを見ていないため、このあとAを挟まれる - 8ラウンド目


後半: OPTCのアタック


OPTCはピストルを落とすが、3rdで武器差を活かした速いミッド確保からB4A1の配置をし、AのChamberが敵のメタル詰めに負けたため、Viperのカーテンを待たずにBに進行。前線3人の活躍でラウンドを取る。

OPTC(赤): 敵のメタル詰めに倒されるChamber、そのあとすぐにBサイトにエントリーしていく - 15ラウンド目


先のラウンドのように、OPTCはChamberを攻めたいサイトのメイン監視をさせることが多かった。これはBindのシャワーコントロールと同じように、Chamberのスキルを上手く利用した抑え方だった。

OPTC(赤): 先のラウンドのFB、おそらく布石といてこのラウンドにドライでピークしたのだろう- 15ラウンド目


OPTC(赤): Sovaのドローンを待ってからピークするChamber - 16ラウンド目


Chamberは本陣と共に攻める時もあったが、ラークして裏をとる時もあった。22ラウンド目ではJettがメタルを詰めてキルし引いたため、ChamberがさらにミッドからCTを回ってくるとはLOUDは思わなかった。

OPTC(赤): Jettがメタルを確保、ドアを開け敵のViperをキル - 22ラウンド目
OPTC(赤): 設置時の位置、Jettは合流しChamberがラークしている - 22ラウンド目
OPTC(赤): ラークが刺さる - 22ラウンド目


後半: LOUDのディフェンス


LOUDは後半のピストルラウンドにて面白いBuyを見せた。ViperとJettがシェリフを購入、無料スキルだけで良いと判断したのだ。イニシエーターはメインから来る敵を止めることもサイトの敵にダメージを与えることもできるスキルとゴーストを購入した。実際にKAY/Oのグレが機能し、Sovaが合流。ショックダーツもサイトに撃つことができ、4人で武器有利を活かした撃ち合いを繰り返した。OPTCがもしBに行っていたとしても最低でもシェリフ2本の4vs5で撃ち合うことができる。

LOUD: ピストルラウンドのBuy、シェリフ2本にゴースト3本 - 13ラウンド目


LOUDは、Jettとサポートキャラのツーマンセルでミッドやメタルを詰めることが多かった。これはOPTCには無かった点である。15ラウンド目はメタルから、17ラウンド目はJettがガーディアンを購入しミッドを深くまで覗いた。24ラウンド目においてはJettが一人でミッドをオペレーターで進行した。

LOUD(緑): 武器が不利なのでメタルから接近していくJettとSova  - 15ラウンド目


LOUD(緑): ガーディアンで詰めるJettが引いたタイミングでカバーするCypher- 17ラウンド目


オーバータイム


オーバータイムはOPTCが勝つべきだったのかもしれない。最初のラウンドを取り、13-12にたOPTCは、2人のイニシエーターとCypherの待つBにラッシュをしてしまった。おそらく、少し待ってからBに行く予定だったが、相手のKAY/Oのナイフを上手くかわせてしまった。Chamber以外がスキルが使用できるのでイケると判断してしまったのである。Sovaのドローンの矢が刺さった瞬間に倒されたJett、リーコンを壊せずにケージ越しに抜かれるSova、グレでサイトに入れないChamber。敗北は明らかだった。なぜNAチームは大事なラウンドでBラッシュをしてしまうのだろうか。CS:GO時代からまったく変わっていない。


【MAP4 - Haven】 LOUD 13 - 5 OPTC


LOUDの攻めが光った最終MAP


エージェント構成・スタッツ


デュエリストにRazeを採用した構成。Breach、Fadeとのシナジーを感じる味わい。FK/FDでは負けている。

LOUD: Havenのエージェント構成


対するOPTCは2センチネル。Phoenixのウルト回転率でどれだけエリアを取れるか。PhoenixとKilljoyのFK/FDが4/0なのが気になるところ、なぜ大差で負けた?

OPTC: Havenのエージェント構成


データ


選手別: HavenにおけるFK/FD - 


選手別: Havenにおける1vsXの勝利数/回数


チーム別: BreezeにおけるXvsXの勝利数/回数


前半: OPTCのアタック


綺麗なAセットから始まったOPTCのピストルラウンドは、4vs5からリテイクされることになる。Chamber以外の4人でまとまってロングからプラウラーでエントリー、サイト入ったあとCTにモロトフを使いピーク、FKを獲得する。しかしKilljoyのFNSがスーパービッグミスをする。スパイクを持ったまま裏を見ようとショートに戻ったのである。遅れた設置のタイミングを狙われた。Killjoyは撃ち合えない、ブリーチの完璧なスタン、ショートにはスモークが、前に出てカバーするしかないChamberが落とされてそのまま敗北してしまう。LOUDのリテイク時のスキルが完璧だった。

OPTC: ピストルラウンドのセットアップ - 1ラウンド目
OPTC: 完璧なリテイクをもらう、OPTCの視点(パラノイア以外は敵のスキル) - 1ラウンド目


ラウンド8、OPTCはPhoenixとFadeのスキルでガレージを確保した。Killjoyのウルトを発動するためである。ウルトが壊されてしまってもいいように、ウルト持ちのOmenがAメインをホールドしていた。Phoenixが落とされるが仕事はした、KilljoyとOmenのウルトをほぼ同時に発動、ピンを刺してアフターショックをするのをやりにくくする意図があったのなら、高度なセットアップである。Cロングを取っていなかったので、モク中で隠れていた敵のOmenに2キルされるが無事勝利した。

OPTC: ガレージはプラウラーとカーテンで確保 - 8ラウンド目
OPTC: yayが合流しCにエントリー、プラウラーとシーズを使用 - 8ラウンド目


そして次の9ラウンド目、OPTCはLOUDの完璧なAリテイクに対する"解答"を示す。Bの手前までスパイクを持って行ったがキャンセル、Aに全員集まった時、FNSがマップにピンを刺し指示をする。「ここに設置してここに引くから」とでも言ったのだろう。LOUDはBreachとRazeウルトがあるためAリテイク上等の構えをしていた。そこをFNSは狙ったのだ。スピーディーに設置をし、相手がリテイクの準備をしている間にロングとショートに引いた。Breachのウルトを完全に避けることに成功し、スキルを返しまくる。Phoenixのモロトフで遅延し、Omenは自分たちの前にスモークを展開した。敵に抜かれないように、さらに味方のアングルを増やした。FNSのコールが素晴らしいことが証明されたラウンドだった。アーカイブで確認して欲しいラウンドの1つだった。全体的に、OPTCはこの構成で行える最大限の攻撃は出来たと思う。2センチネルで5本も取れたのだから。

OPTC(赤): ピンを刺したのはFNS - 9ラウンド目


前半: LOUDのディフェンス


LOUDも美しいリテイクとツーマンセルの動きを魅せた。特にラウンド6では武器が不利であるものの、持ち前の爆発力と瞬時の連携で危なげなくラウンドを獲得したのである。RazeとFade、BreachとOmenはお互いが近い距離でカバーをする配置、Cロングはチェンバーのウルト、Bサイトはトラップを置いた。まずAロングでRazeがヴァンダルでFK、武器が弱いのはバレているためOPTCはAに行きたくないだろうと判断。RazeとFadeはAを完全に空けてAリンクに移動した。敵がスキルを入れてエントリーしてくるところに勝機を感じたSacyがシーズを投擲、相手全員が引っかかる。何もできないOPTCを完全に囲み取り、スリフティー完成。aspasの個人技とSacyの勝機を読み取る力が光ったラウンドだった。

LOUD(緑): FKのシーン - ラウンド6
LOUD(緑): シーズが相手全員に当たってしまう- ラウンド6


5-5で迎えたラウンド11、4vs5になってもなおツーマンセルの動きで勝利する。Razeと一緒にミッドを覗きに行ったブリーチがキルされるが、それで敵のB攻めが濃厚だという情報を得る。すぐさまOmenとRazeはBにスキルを返す準備をする。pANcadaがパラノイアを完璧に返し、aspasがプレイする空間と少しの時間を与えた。OPTCはまたもaspasの領域に弾き返されることになった


後半: LOUDのアタック


この試合はお互いのピストルラウンドでAサイトの激しい撃ち合いが発生することになった。LOUDはスキルをふんだんに使いAサイトを確実に確保する。待ってましたと設置前リテイクを行うOPTCの前に待っていたのはフレンジー集団だった。パラノイアのラインを避けヘブン下に集中、ショートからシーズをCTから飛び出してくる敵に投げフレンジーの餌食に。リテイクが落ち着くまで設置を焦らず全員で撃ち合った。賢すぎるアンチリテイクの方法を提示した。 

LOUD:  - 13ラウンド目


2ndは3vs5から勝ち切ったが持ち帰ったのはヴァンダル1本だけ、3rdの敗北は濃厚だった。しかしそのヴァンダルを持ったLessのACEでこのMAPの勝利をほぼ確定させることになる。このACEは、LOUDが全員で上手く作ったスペースを利用したものだった。まずプラウラーでRazeをガレージに置くことに成功、そのあと、FadeとBreach(ツーマンセル)がAにスキルを使い、サイトにBreachを入れる。それを見たOPTCは全員でAに寄せてしまう。そこで空いたCに残りの3人でエントリー、OPTCはAに2人いたのは分かっていたため、すぐにスキルを返しリテイクをする。落ちた1wayスモークの中に隠れているのはLess。ガレージからリテイクした2人は、CTのスモークの中に味方が入っていることが分かっているので、まさかその目の前にいるとは思わなかった。Lessが不意を付き、ACEを獲得したラウンドだった。

LOUD: ガレージにRaze、他はツーマンセル - 15ラウンド目
LOUD(赤): 予想していない位置にChamberのLessがいた - 15ラウンド目


後半: OPTCのディフェンス


OPTCは最初のAリテイクは出来なかったが、さすがに3rdは勝てると思われていた。LessがACEを取った先のラウンドで、KilljoyとChamberをCに置き、スティンガー対策の体制を整えていた。しかし、Cはガレージを取ってからアクションが無い。さらにAにBreach本体とFadeのリーコンが見えた。タレットとナノスワームが無いのでCを空けてしまう。パラノイアとモロトフでCTから抜けようとするが、そこにペイント弾を当てられて分断されてしまった。その空いた時間でLessに完璧なポジショニングをされて敗北してしまったのである。センチネルのトラップとPhoenixのフラッシュのコンボの配置もしたが、そこにLOUDの選手が来てくれるはずが無かった。少人数戦で負け続け、クラッチをくらいマップ合計1-3で敗北した。


さいごに


最後まで見てくれてありがとうございました。LOUDが全MAPにおいて自分たちのスタイルを崩さなかったこと、そしてそれにOPTCが苦労したということ、この2つが伝わってくれれば嬉しいです。


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