Re: 上場企業の社長に散々バカにされて得した

ボクのオンラインサロンでの出来事。決して人ごとではない。というか当事者です、すみません。中原、すまん。

この「上場会社の代表」とは最近話すようになった間柄で、自分とは違う世界に生きている同い年を知ってみたいとセッティングした会食でした。結果は彼が書いている通りがっかりする内容だった。

実際ボクも、彼との会話中にムカついて帰ろうかと思ったくらいなので、中原にはホントに悪いことしたなと思う。

結果、途中で帰らなかった理由はメシがうまかったから。ではなく「この人はこの人で努力はしてきたんだよなあ」と思って悲しくなったからだ。

マザーズに上場したこと、会社の売上がナンボであることは会食の中でも彼が幾度も話していたので口癖なのだろう。それ自体は何も悪いとは思わない。それを誇りに思っていること自体は少なくともポジティブ。ボクだって自分の作品の自慢はしたい。

ボクとは価値観が違っても「まずは夢がなかって良かったね。で、いまは何が楽しいの?」という会話が、感覚的なもの含めて成立すれば友達になったんだと思う。その為にわざわざ一緒にメシを食っているのだから。

でもそうならなかった。その時の彼に対するボクの印象はこういうものだ。

誰かの質問には「そんなの分からない」と言う。彼から質問をして人が答えると「意味わかんねー」と笑う。中原に対してだけでなくボク対してもそうだった。高圧的かどうかの違いはあれど。

ボクは、夢を叶える行為は、目的達成の過程で自分が成長することに価値があると思っている。例えば、ある仕事を成功させることは当然達成しなければならない目的だけれど、その過程がなぜ自分に課せられているかを考えて働くようにしている。おかげで20代の自分に比べれば、ずいぶんマシな人間になったと思う。20代の時に付き合った女の子たちホントごめん。

今は確信してるけど、上場だの、企業価値だの、ナンボの売上だのと言うのは結局ゲームでしかない。しかも一部の人がチートで回して、コミュニティ形成している末期のゲームにも見える。その人たちが真剣にやってるのは知ってる。別に馬鹿にはしてないつもりだ。ゲームと表現するのはある種のリスペクトも含めてだから。

本来ゲームというのはルールの中で競う遊び。だからゲームでも人は成長する。考えるし、読み合うし、実行精度向上の為の反復練習すらする。ただチートや攻略法が蔓延したゲームでは誰も成長はしない。ゲームの中の得点が積み上がっていくだけ。それでも悦に入る人は入る。それも知ってる。

だからこそ、今回の「上場会社の代表」は「上場した」「売上がナンボ」の他にもう一つ口癖を持っていたのかもしれない。彼は「自分に自信がない」と何度も言っていた。そしてボクが怒りから悲哀に転じたのは「45歳の彼が、自身が没頭してきたゲームが、自身を育てるものではなかったと気づいてしまった人間」に感じたからだ。

ほしいモノがあること。やりたいコトがあること。なりたいヒトがいること。基本的にはボクは物欲の人間でも、出世欲の人間でもないので、やはり少年期に憧れたスターに引き寄せられて今でも努力している。マイケル・ジャクソンが見た景色は。デビッド・ボウイが得た快感は。手塚治虫が生きた人生は。今の時代ではそれは得られないからこそ、先が見えない矢印を追いかけている。

中原がスティーブ・ジョブズに憧れているからと言って、ジョブズのコピーになりたいと言っている訳でない。ジョブズが彼にとってのスターなら、逆に「小学生みたい」に憧れ続けてくれる方が、彼は有望だと思ってる。がんばれ。これからもカッコつけろよ。

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