カスタマーマーケティング -コノ ヤッカイナ セカイ-
※ cmkt Advent Calender 2020 への投稿用記事です。
どうもこんにちは。
ほとんどの皆さんははじめまして、ですね。
ナカヤマといいます。よろしくおねがいします。
いま、ベルフェイス㈱でカスタマーマーケティングを担当しています。
最近は、もっぱら
外に出ると、マスクでメガネが真っ白くクモッちゃうマンをやっております
……….
ところで、唐突ですが
カスタマーマーケティング って
あなたはどう思いますか?
この文章を読んでくれる方は、
カスタマーマーケティング(以下CM)という言葉を
なんの違和感もなく受け入れられるでしょう。
一方、このフレーズが“市民権”を得ていないのも事実。自分の仕事を説明するに、このフレーズを出さないのが一番楽…と思うこともしばしば。
ただ、わかりづらい、だけならまだいいんです。
丁寧に説明すればいいんですから。
でもね、勘違いされ、誤解されるケースも結構あるからヤッカイなんです。
1.コノヤッカイナセカイ
弊社にはユニークな人事制度があり
社員は半年~1年に1度のタイミングで、転職エージェントさんからキャリアシート(職務経歴書)を踏まえた評価をいただくのですが
キャリアシートを作成するに当たり実施されるエージェントさんとの面談では、だいたい“マーケティング”と混同されます。
しかも、どうやら、マーケティングとは1つ1つの施策の成果が細かく数値化できるもの、と思われているようです。だから、「あんたらのなんたらマーケってのも、そうなんだろ?」ってなるわけです。
ただ、本当にそうでしょうか?
CMも、施策の成果が細かく数値化できるものであるべきなのでしょうか?CMとは、一体なんなんでしょうか?
2.レーゾンデートルヲサガシテ
まず、CMを理解する上で、1つ1つの施策の成果が細かく数値化できるものという考えは誤りどころか、危険な思想だと、私は考えます。それは、CMがどういったフィールドで活躍しているのか、を考えてみればわかります。
CMは、カスタマーサクセス(以下CS)領域に属し、顧客の成功を目標にしています。また事業観点で言えば、チャーン防止やアップセル・クロスセルが目標です。
そして、目標達成するために、CS領域で意識すべきことは
「サービス理解度・依存度」「顧客からベンダーへの好感・愛着を土台にした濃密な関係値」双方を上げることです。
つまり、いわゆる“カスタマーサクセス”とは
お客様がサービスを通じて成果を獲得し、その結果サービスが浸透、かつベンダーにも積極的に協力してくれる状態と言えます。
そして、もう1つ重要な事実として
CS領域は、マーケ/セールスのようにパイプライン管理できるものでもない、ということです。
マーケ/セールスなら、資料請求を獲得するのはマーケ、そこから商談設定するのはIS、クロージングするのはセールスというように、段階ごとに線引き(縦割り)が可能ですが、CSはそうは行きません。
これからの活用方法や新機能の導入などはCSMが主導し、新メンバーへの基本ノウハウのインストールはCMがコンテンツを作成して促進、機能面での疑問はチャットにてサポート...
顧客が導入直後だろうとサクセスしてようと、このあたりの動きは基本変わらないのではないでしょうか?
このそれぞれの動きに対して、動画の閲覧数がどうだの、チャットサポートの回答数がどうだの、と1つ1つ目標を立て、数字管理することに果たして意味はあるのでしょうか?→おそらくない(ものが多い)。
細かな業種限らず、すべてのメンバーが、“細分化できない”1つの目標に向かって進むのがCS領域の特徴であり、その観点でいえば、CMだってカスタマーサクセスである、と言えるわけです。
3.イチブトゼンブ
「CMはカスタマーサクセスだ?当然じゃね?」
おそらく、こう思う人も多いのでないでしょうか。
というなら、なぜ“カスタマーマーケティング”などというヤッカイなフレーズがあるのか?なぜCSと分ける必要があったのか、を次は考えます。
結論、分ける必要があったから、なわけですが、一方ここは「得意なことを活かすために、役割を分けた方がやりやすいから」でしかないのではないでしょうか?
そして、この役割を整理することが、CSの中でCMを定義する上で重要だと、私は考えています。弊社では、この点を以下のように整理しています。ちなみに、この整理でも、前述の2軸(※)をベースに考えています。
(※)「サービス理解度・依存度」と「顧客からベンダーへの好感・愛着を土台にした濃密な関係値」
①サービス理解度・依存度
顧客が欲するサポートが何か、そしてそれをどう提供するのがCX的に効率的か、を整理し、CSM/CMが役割分担すれば、CSサポートの質は最大化できる
②顧客からベンダーへの好感・愛着を土台にした濃密な関係値
接点の多いCSM(CS-High)は、顧客と関係性が築きやすいが、CSと連携することで、この属人化した関係性を「対“会社”」に昇華させていく
この整理の前提になっているのは、CMとはCSであり、
その違いは、得意なことが何か、でしかないということ。
具体的には以下の通りです。
■ 特定の顧客に対して最善解を提供することが得意か=CSM
■ 多くの顧客に対して最善解を提供することが得意か=CM
上記前提のもと、弊社でCMが担当している施策をいくつか紹介します。
(1) ベルポータル
使い方や最新情報など、bellFaceの全てを知ることができる
既存ユーザー様向けポータルサイトです。
このサイト内に、bellFace商談のイロハや、商談以外でのbellFace活用法などをまとめたコンテンツを用意しました。これを活用できれば、ユーザーは24時間365日、好きなタイミングでbellFaceのことを学ぶことができます。
一般化できる情報はオンラインに任せ、人は人にしかできない仕事に集中することで、サポートの質を最大限高める、というコンセプトを最も体現していると考えています。
(2) コミュニティ施策
オンラインコミュニティである「bellFace Village」
テーマ別勉強会である「分科会」は、ユーザー対ベンダーで強固な関係を
築く、その土台となっている施策です。
※以下は、ベルポータルのコミュニティ紹介ページと
11月に実施した「営業マネージャー分科会」実施レポート
上記施策を進めていく上で、様々なベルフェイスメンバーと絡んだり
ベルフェイスの施策にご協力いただくということが発生し、結果、より強固な関係を築いていける、という流れです。
またユーザー間交流を生み出すことで、「対ベンダー」だけでなく
「対ユーザー(=同志)」との関係性構築にもつながり、ツールとの関係が切っても切れなくなるのです。
まだまだVillageは成長段階であるものの、分科会については、参加者からの評価も高く、リピーターも増えてきています。ユーザーはベンダーが思っている以上にユーザー同士で話したいんです(これは、marketoの分科会に属している私もわかるところ)。
(参考) 社内メンバーへの理解促進
ちなみに、ベルフェイスでは、
CSMとコンテンツ(CM)/プロダクト(PdM)開発側の連携を強化するために「価値デリバリー共有会」を実施し、各種アップデートの理解を促しています。
また、一方的な情報共有だけでなく
CMがこれから準備しようとしているコンテンツ案を
CSMからは現場で上がってきている“必要な武器”の案をそれぞれ持ち寄る「意見交換会」も実施しています。
4.アシタハドッチダ
先立って述べたように、「顧客の成功」を実現させるために、必要な要素を洗い出し、各特徴にあわせて役割分担することが、CSMとCMの強固な連携のために必要です。
当然、協力をしあう、しいて言えば、お互いがお互いを利用し合うような、一種合理的な関係性が築ければ、これに超したことはないでしょう。
一方、互いにタコツボ状態となり、連携が疎かになるのは、問題外です。
カスタマーサクセスを理解していないカスタマーマーケティングは
カスタマーマーケティングとは言えません。
また、カスタマーマーケティングと連携していないカスタマーサクセスも
顧客の成功のために全力を尽くしているとは言えません。
2021年も、顧客の成功に向かって
カスタマーサクセスの一員として、精一杯頑張っていきましょう。
打算的な未来が待っているかもしれないという絶望を
そうはさせるか、という強い決意で打ち消しながら、精一杯頑張ります。
最後に
今まで長々書いてきましたが、このnoteは
これまでの自分の思考をまとめたい、と同時に
いま考えている方向からブレて、打算的なビジネスパーソンになるんじゃないぞ、という未来の自分への脅しでもあります。
いわば、独りよがりな文章というわけですが
この文章が、読んでくれた方の為に少しでもなったのであれば幸いです。
改めて...
カスタマーマーケティングとはカスタマーサクセスです。