見出し画像

こんなときなのに

76日目、 19時間目。

街の中はまた寂しくなってきた。またか、と聞こえてきそうな哀愁を帯びてながら、それでも気丈に明かりをともしている。

「こんなときなのにすいません」口に出すか出さないかは別としても、誰かを連れて行った時には心のどこかで感じている。
店主だってそう、本当は歓迎してくれるはずもどこか微妙な緊張感が漂う。
「こんなときなのにありがとう」そう言われて店を後にすることもある。

昨日は自分たちにとって、とてもいい日になった。だけど、それも毎日の中のたった1日。それだけで何かが変わることも格段に豊かになることもない。何かが劇的に変わることなどない。そんな絶望を知った数年だったのかもしれない。
それと同じく、どうにかしたいということも叶わない。そう思うことすらおこがましい。そもそも分け与えれるほど自分も持ってないというか、自分自身のことで必死だ。結局は自らどうにかするしかない。甘かったことも厳しさも知った。

それでも他者と関わらずに生きていくことはできない。そんな人生はクソだ。
認めて信じて応援して、それを時に相手からもいただいて。そんな自分も赦しながら、そんな関わりの中を生きていく。悲しい時代だなあ。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?