田舎の弱小中学陸上部が市内一位を取った話 ー②背景編ー

どうも、ナカです。
①導入編

田舎の弱小中学陸上部が市内一位を取った話 ー①導入編ー|nkm @nkmshr2 #note https://note.com/nkmshr/n/n0e6baaee8070

から引き続き、お送りします!

田舎で健気にすくすくと成長したナカ少年は、中学校に入学し、陸上部を選んだ。

当時の我がS中学校陸上部を取り巻く環境は、ざっとこんな感じだ。

1学年上の代、2学年上の代ともに、なぜか一人ずつ100mがめちゃくちゃ速く市内1位を獲るようなエースが居て、それぞれの代でキャプテンをつとめた。ちなみにボクらの代には、そんなエースはいなかった。

また、キャプテン以外の先輩達の様子を端的に示すならば、『勝利に執着の無いジャイアン』だ。
アニメの中でジャイアンは、
「おい 、のび太!エラーしたらタダじゃおかないぞ!!」
と、ひたすらに勝利に執念を燃やす、近付きたくはない一方で、頼れるチームリーダーだが我が先輩たちは、
「しんどいことなんかしないぜ!楽しく俺に付いてこいや!遊び方ってモンを教えてやらぁ!」
と、後輩は自分達に従えていくようなヤンチャ者だった。そして、結構身体能力が高い人が集まっていた。

そんなメンバーで行われる毎日の練習は、短距離走グループと長距離走グループに分かれ、そのグループの最年長者がなんとなく決めていた。
ただ、陸上は個人競技なので、大体前半はグループで一緒に練習するが、後半は「みんな勝手にしたい練習してて」ということで放置だった。

こんな状況の中、健気なナカ少年は、どちらかというと得意だった長距離走グループに入る。
当然、比較的練習熱心なエースのキャプテンは、短距離走グループなので、もはや長距離走グループは無法地帯だった。

「よし、今日は学校の外にランニングに行くぞ!」
ヤンチャな先輩の号令で校外に出ると、気付けば僕たちは田んぼでカエルを捕まえていた。

「ちょっと部室行こうぜ!」
砲丸や走り幅跳びの距離を測定するメジャーなどが置いてある部室(というか倉庫)の、誰の手も届かない気にもとめない棚の最上段は、先輩たちのエロ本置き場だった。
「ナカ、これ見てみろよ。スゲーだろ。」
確かに色んな意味でスゴい内容の本だったが、本報の主旨を逸脱するため、本日は深く追究しないこととする。いや、今後もすることは無いだろう。

拙書、
青い稲妻が僕を責める|nkm @nkmshr2 #note https://note.com/nkmshr/n/na9d71cf0055e
で、「ジョリ」という全く流行らなかったアダ名を付けたのも、この悪ガキ感たっぷりの先輩たちだった。

そんなこんなで、ほとんど練習らしい練習をしない、しかもテニス部が廃部になっちゃうくらい人数も少ないS中学校陸上部は、端的に言って弱かった。
エースのキャプテンが100mで1位を獲るが、それだけ。身体能力高めの先輩たちも得意な種目で10位程度なので、ほとんど注目されることは無かった。

ただ、一人だけ、そんな状況を良しとしない男がいた。
後にナカ少年と同じ代で、エースでキャプテンとなるTは、じっとヤル気の無い先輩たちの部活引退を、息をひそめて、努力を続けながら、待っていた。

次回、③キャプテンT編へ続くっ!!

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