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訴えるということ

吐き出しても吐き出しても、なんだかちっともスッキリせずで
壊れっぱなしのお腹はそのまま様子を見てればイイのか心配になり
ちょうど別の事で病院に行く用事があったので、ついでに先生に相談してみたところ
過敏性腸症候群と共に帯状疱疹になっている事が判明。
私の体はしっかりストレスを感じて反応していた。

とりあえずは薬を飲んで様子を見ることになったんだけど
図太い私ですらこんな状態、繊細な人ってホントどうなっちゃうの?
とまた勝手に心配になった。

先日市役所にこの件で相談に行った際、無料の弁護士相談があると教えてもらい
その日のうちに即予約を入れたんだけど、ついに人生初の経験をする日が来た。

そもそもこんな事が無かったら、弁護士に会ってみようとも、話を聞いてみようとも思わなかったと思う。
いったいどんな先生なんだろう?と受付を済ませて待っている間、ドキドキ
先日のガッカリするような助言をした人のように、会わなきゃ良かったと思うような人だったら嫌だなと、期待よりも不安の方が増していた。

それにしても今回の事が名誉棄損に該当するのかを聞いてみたかったんだけど
受付用紙にどんな相談をしたいのか記入するように言われた際
私は『名誉棄損』という漢字を書くことが出来なかった。
即座にスマホで調べようと思ったら『ひらがなでテキトーでイイです』と言われ
『めいよきそんについて』と書いたけど、なんかふざけた相談みたいな字面で恥ずかしかった。

スマホやパソコンで途中まで文字を入力すれば、すぐにそれっぽい字が出てくるので
コレ!コレ!と選ぶ毎日ですが、いざ自分で書かなきゃとなったら、全然文字が浮かばなかった。
自分の訴えたい事すらちゃんと書けないって、なんかすごく恥ずかしかった。

その日は夕方からすごい雨で、まさに私が予約していた時間はすごい雨だった。
まさかこれは何かの嫌な前触れだったりする?とまた勝手に嫌な妄想をして
私も市役所まで向かう途中、間に合うかな?と不安になったくらい。
そんな日だったせいか?先生の到着が5分ほど遅れた。
『遅れてすみません』とやってきた先生の第一印象、友達に似てるでした。
世代的には同じくらいに感じたし、嫌な事を言いそうなタイプではなく
とても気さくに話やすい先生で良かった。

無料で相談出来るのは15分
この短い時間で聞きたい事を、出来るだけたくさん聞きたいと
事前にアレとコレとと考えていたので、どんどん質問してみた。

名誉棄損に該当する事はいくつかあるので、訴える事は自由だけど
訴えを起こすには、お金と時間と労力がかかるので
そこまでやってもやりたいかどうかですとの事。
さらにはこの件を受けてくれる弁護士を探すのがまず難しいかもしれないと。

きっとみんなこういう事で訴えを諦めてしまうんだなとわかった。
『訴えてやる!』と言葉だけを発する事はとても簡単な事だけど
実際に出るとこ出てってなるには、ものすごい大変な事なんだと初めて知った。

まずは受けてくれる弁護士を探すのが大変とは!
続いて相談するのに30分単位で結構なお金がかかるので
状況説明や、今後について相談するだけでも結構お金がかかるし
いざ着手となった時点で、結果がどうかは関係なく何十万円もかかるらしいし
なんの成果も出なかったら、ただただお金と時間を使って
さらにがっかりするような事を自らやる事になるかもなんだと知った。
そして1年単位で色んな事をしなきゃいけないので、すぐには終わらない
それはそれは大変な事なんだと、もうその話を聞いただけでムリだなと思ってしまった。

そう思うとニュースで目にするような訴えを起こした人たち
どんだけお金と時間を使ってるんだろうかと
すごい事やってるんだなと改めて考える機会になった。

今回の事で嫌な気持ちになる事がいっぱいあったけど
新たに知る事もいっぱいあった。
今まで行った事も無い所に行って、会った事も話した事も無い人と話をして
全く知らなかった事を知ったおかげに、考える事もいっぱいあった。

何も起こらなかったから、全く考える事も、頼る事も無く
私の人生の中ではスルーだったかもしれない事が知れた事は良かったと思う。

何かあった時に相談に乗ってくれたり、助けてくれたりする人が居るというのは、本当にありがたい事だなと実感した。
完全解決とはいかなくて、最初の絶望的な気持ちからは確実に救われた。

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