RSGT2020 Day2 感想など

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020
https://2020.scrumgatheringtokyo.org/
RSGT初参加&スクラムビギナーのメモと感想です。
Day1の内容はこちら

1. Keynote “Lost in Translation: The Manager’s Role in Agile” by Michael Sahota

メモ:
# 導入部分
 ・スクラムを実践する組織において、実際に自己組織化された組織は殆ど実在しない。※会場挙手も殆どなし
 ・Scrum is designed to Disrupt the Hierarchy(スクラムは従来の階層を壊すものではなかったか!?)
 ・マネージャーのいない Autonomous & Self-Organizing Teams になるのでは?
 ・アジャイル組織におけるマネージャーの役割とは?
 ・アジャイルになろうとしたときに起こる対立、衝突、恐怖。9割失敗する理由

# メッセージ
 ・従来のヒエラルキーから脱し、一足飛びにネットワーク型になるのはトラップ。すぐにはありえない。遠い遠い先の姿。理想形。
 ・100%のセルフマネジメントもトラップ。それが出来ているのは特殊な道のりを歩んだ特殊な組織
 ・どうすべきか?従来のようにトップが会社を引っ張るのではない。現場の人が会社を引っ張る。しかし、現場の皆さんはチームは本当にリーダーシップを取れる状況になっているか?マネージャーは準備できているか?権限を皆に渡す準備は出来ているか?(たぶん出来てない)
 ・個々のチームが個別最適化したらどうなる?当然、全体最適度は下がる。必要なのは、相互にフィードバックし合い、相互に関連性を持つこと。
 ・自己組織化するには何が必要?チーム全員が責任をもてる状態(大人として責任を全うできる状態であることが必要。いきなりは無理)
 ・どうすべきか?Keep the Hierarchy(従来のヒエラルキーは維持しよう)その方が皆が安心して働ける。ティール組織の事例のなかにさえ、ヒエラルキーを維持しているものもある。もう一つは、Evolte the People(人を進化させる)

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 ・組織的な成長は個人の成長からもたらされる。人の挙動を変えていかなければならない。何から始める?ボトムから?No. リーダーから変えていくのが良い。責任ある人から変化を始めるのがポイント。リーダーが変われば、組織全体を変えていくことが出来る。
 ・従来より複雑かつ曖昧な中でリーダーシップを発揮し、影響をもたらすことができるスキルがリーダーに求められる。
 ・どうすれば良いか?アジャイルソフトウェア開発宣言に書かれている!新しく、より良い方法を見つけ出す。そのために、学ぶ文化を醸成する。学ぶ時間と予算を与えよう。
 ・計画に従うのではなく、変化に適応する、不確実性を許容できる能力を身に着けよう。
 ・Theory X, Theory Y(XY理論)を引用した解説。マネージャー自身がYを体現する必要がある。毎日、Yとして振舞い続ける。そうすれば組織に波及していくはず。自分を振り返り、自分を変革していく。人に影響を与える最も良い方法は自分から変わり始めること。
 ・その上で、権限をシェアしていく。大事なのは少しずつ小出しであること。いきなり全委譲してはならない。Step by Step

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 ・委譲していった先に、マネージャーの役割は?POであったり、スクラムマスターであったり、あるいは組織のコーチであったり、いまとは異なる新しい役割に挑戦していこう。その為に、少しずつ意識を変えていこう。
 ・No One Gets Left Behind(Including Managers)マネージャー含め、ひとりも取り残してはならない。※変化の意思がない人は対象外。(変化しないのが悪いという事ではない。各個人の考えを尊重)
・Q. 中間管理職が凍り付いているケースない?
  A. それはトップがアジャイルの価値を認識できていない事により起きていること。トップの問題。

感想:
・(自分が組織のマネージャー職であるなかで)スクラムの理解を深めるためにスクラムマスターに挑戦したいと思っていた中で、背中を押されるメッセージに満ちていた。遠い道のりにせよ、着実にアジャイルなチームに変革し、従来のマネージャーの持つ責任と権限を委譲していけたら良いと思う。 ※午後のサイボウズの事例によると、それでも給与査定などの一部業務は委譲見送ったということで、横断的に組織をマネージ(サポート)する役割が残るという話とセットで、現実的な将来像を自分のなかに1つ描くことが出来た。
・中間が凍結していけてないとしたら、それは上位階層の問題というのは自分もそう思っており納得。まずリーダーから変わろうというのも同感。そう思って自分なりに既存の役割を意識しないで動き始めており、大いなる励ましを頂いた気持ち。


2. 日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー3年間の軌跡 by Tadahiro Yasuda

メモ:
・変革以降の朝会ワーク一例
 ・ふるふるリレートーク(ふるふる震えるほど褒める)
 ・リモートメンバーとジェスチャーゲーム
 ・雑談(効果大きい!)
・会社の文化が良くなると良い成果が生まれるようになり、会社の業績がよくなる。

感想:
・会社トップ自らが過去の大いなる失敗経験を踏まえつつ、Joy,Incとの出会いから組織変革の道のりを語るのはとてもイイね!
・ 確か4-5年ほど前、クリエーションライン社主催のハンズオンでオフィスにお邪魔したとき、少し重たい空気だったのを覚えており、もしかしたらちょうど辛い時期だったのかも知れないと。そんなことを思い出して自分も感慨深いものを感じました。(Chefのハンズオンだったかな)

3. 組織変更して部長がいなくなってから起きたこと by Masaya Mito

メモ:
・ウォーターフォールからアジャイルへ、指揮統制から自己組織化へ。開発現場が変わりゆく一方、10年以上続くマトリクス組織(拠点と職能で構成)にやりにくい面が増えてきた。職能的には改善進むが越境必要、部分最適に走りやすい。メンバー、チームと部長間では、部長の役割薄く(部長への予算の説明コスト)、人事権を部長が持つことでチームが人員計画知らない状態。色々な改善をよりやりやすくしようと、チーム主体の組織に。※160名、30チーム程度の規模感
・目的はユーザー価値の最大化。チームで全体最適化、メンバーの多様なスキルと個性を活かす、チームに必要なことはチームで意思決定、メンバーが主体的にキャリア形成
・部長の役割再配置。マネージャーのチーム化。組織運営チームを旧部長陣多めで構成(特に給与評価)。孤独な戦いからの脱出
・起きたこと。職能間の透明性増す。職能横断モブ、体験入部。チームでの議論活発化。品質、役割分担、採用まで。問題の透明性も増す。チームに問題が見えやすく。人や体制など、従来は部長と当人でクローズになりがちであったこと。チームで議論可能な状態にするスキルが求められる。
・残っている課題感。チームで解決困難な問題の発見解決、チーム間のリソース調整、プロダクトポートフォリオ、価値創出等

感想:目指す一つの姿。Keynoteの内容も踏まえ、一歩ずつ歩もう

4. Sociocracy for Scrum teams by Sam Huang

メモ:
・ScrumMaster Beer!(頂きました。冷やして飲みます。飲んだら感想伝える)
・Sociocracy とは... 「ソシオクラシー とは、合意による意思決定を用い、平等な個人や組織の関係に基づく、サイバネティクスの原則を応用した、ガバナンス、統治の一形態。ダイナミックガバナンスとも呼ばれる」(Wikipedia)
・3つの原則。サークル、二重結合、同意による意思決定
・コンセンサス(狭い)、コンセント(幅広い)

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5. Going Agile with Tools - たまにはツールの話もしようぜ by Tomoharu Nagasawa

メモ:
・出来事 x 考え = 感情。出来事は変わらない。感情の揺れ動きは考えによって変わる
・ツールの力。見えなかったところが見えるように。客観的な受け止め、分析が可能に
・「ツールが使いこなせていないのは、チームが機能していないからです」
・チームの問題。問題から目を逸らしている。共通認識がもてていない。他人事
・ツール活用の勘所。Get Clean, Stay Clean, Flow of vaue, Productivity。段階を決めて進めるとよい。

感想:名言多し。ツールの話に特化すると思いきや、しっかりチームにも焦点のあたった話も多し。

6. アジャイルUXリサーチLive! ~ 「即席」ユーザーテスト見学会 by Tetsuya Tarumoto

メモ:
・UXリサーチャの仕事。ユーザー調査、プロトタイプ設計、ユーザビリティ評価
・ユーザビリティ評価は、ユーザビリティインスペクションとユーザーテストで構成される。
・ユーザーテスト(UT)コツ。喋りながらやってもらう。思考発話法。喋ってもらうと何が嬉しい?ミスしたときの経緯が分かる。
・UTでやらないこと。ユーザーの声を聞かない。(聞く場ではない)
・JINSアプリを使ったUTデモ

感想:樽本さんのスムーズなリードが参考になった。伝え方とテスターとの距離感。全編動画で撮ったのでユーザーテストを行う同僚に共有する。

Day2全体の感想

・SahotaさんのKeynoteのすばらしさよ。来週、「Business Agility: What Every Leader Needs to Know」というタイトルのトークがあるという事で申し込みDone!
・二日目昼にして早くも疲労がピークに。休憩時間の間に仮眠取って完走。

ということで、雑な締めですが寝ます。おやすみなさい...


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