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広告会社(総合)のマーケと事業会社のマーケの違い

興味があったり、実業で日々働いている人ならご存知の通り「マーケティング」というキーワードは幅広い意味で使われていて、それぞれの関わり方で領域が大きく異なるのでやっかいだ。

教科書的にドラッガーの定義を流用しても良いけど、そこまで厳密な物でもないので、私のnoteでは、「物やサービスを売るための作業全般」くらいの意味で考えてください。

この先変わっいく時には、気がついたら改めます。


で、広告会社で約20年、事業会社で約4年、マーケティングに関わってきて、強く感じるのは両者の間のギャップだ。

必ずしも鮮やかに対比してたり、真逆だったりするわけじゃないし、前述した適当な定義から外れてるわけじゃない。

それなのに、手触りと言うか、感触と言うか、感覚的な所が根本的に違う事に驚いて、戸惑った。


最初の転職先は、海外Wi-FiルーターレンタルIのWiFiで有名な事業会社。マーケティングに一言も二言もあるN社長の意向を確認しながらオンオフ問わず施策を立案し実施していった。

社長との関係や意向にそったプランニング、実施については、それこそ癖の強すぎるクライアントを多数扱ってきた広告会社の経験で、こなそる自信はあったし、ある程度は対応できた。

が、N社長の満足いくレベル、事業会社のマーケとしてさ、足りない部分が多かった。具体的な施策の内容と言うより、売る事、ビジネスとして成立させる事への意思、決意、シリアスさが足りなかったんだと、後から思った。


広告会社のマーケは多数の経験や知見、データなどが豊富で、専門的にマーケを学んだストラテジストやプランナーが多数いて、環境としては中小の事業会社や生半可な企業では太刀打ちできないリソースがある。所属してあた頃はデータとストラテジーには自信を持ってプレゼンしていた。けれど、いざ1円、2円の商売が本当に成立するのか、キリキリと詰められている状況だと、エクセレントな整理や戦略が、真の答えになっているのかとうしても疑問がわいてしまい、完全にはあてにできなくなってしまう。

社内や外部のデジマ担当やプランナーが出してくる結果の数字は、リアルで本物。

そこな関連している指標や、紐付くKPIなども結果論として後から納得するための数字ではあるけれど、仮説が正しいかどうかの判断に躊躇した。


今でも100%の自信を持って施策を決定できているわけではないけれど、広告会社と事業会社の覚悟に不慣れなタイミングでは、本当に死ぬかと思った。

最終的には、社会、会社的に殺される事があっても物理的に殺されるわけではないんだと自らに言い聞かせ、エイやっと最善のはずの施策を実施した。結果は良くも悪くも想定の範囲内容で、ビジネスとしても利益はあげ、伸ばす事はできた。利益があがって伸長していれば、良し。目標数字を達成していれば、まずは合格。それだけが尺度のシビアさには、痺れた。

細かくみれば、マイナスもあったり、まったく受注のないサービスもあったりしたが、かけた予算に対して総合でリターンが出せた事でこの段階のプランは成功だと思える形で終えられた。


にしてもだ、豊富なデータと緻密な分析に基づいた広告会社の提案は、どんなにエクセレントでも、最後の最後の部分で信じられずないと感じる日が来るとは、AEだった時には想像できなかった。逆に誰よりも、どの広告会社よりも一番クライアントのビジネスに貢献するストラテジーとプランを創ってるつもりだっただけに、現場のシリアスなリアルは強烈な体験だった。

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