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ペルソナ5S楽しすぎる話

※※以下の文章にはペルソナ5本編、ロイヤルに関するネタバレを含みます。※※

ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズのお話です。公式化はわかりませんが、以降P5Sと略していきます。
発売は2020年2月で、ぼくも発売と同時に購入したのですが、なぜか途中でドロップアウトしてプレイ中断していたのを引っ張り出してきて遊びました。そしてなんでこんなに面白いのに途中で積みゲーになったんだ!?ってなったので、それも振り返りながら感想を書きなぐっていきます。


P5Sは高校最後の夏休み!

ペルソナ5では1年(といってもだいたい4~12月、ロイヤルなら2月まで)の学生生活と怪盗としての活動を並行して行なっていくスーパー忙しいゲームです。
ペルソナ5の世界では、強く歪んだ欲望を持った人は「パレス」という異世界が生まれます。そこでは歪んだ欲望を持った人が「どう現実を認知しているか」が現れています。例えば学校を自分の城と認知していれば、学校が城に変貌していたりします(異世界限定ですが)。またパレスでは、歪んだ欲望の宿主の人格が実体として宿っており、これをシャドウと呼びます。シャドウは本人と表裏一体で、本人は近くしていませんが、シャドウの意思が反映されたりします(逆に本人の意思もシャドウに影響を受けます)。シャドウが改心すれば、本人も改心するということです。
怪盗団はこのパレスに潜入し、敵のシャドウを改心することで、悪を暴いて自分たちの正義を示しました。

ペルソナシリーズでは、自分のシャドウと向き合い、自分の弱いところやコンプレックスを認知しシャドウの存在を認めることで、シャドウがペルソナへ覚醒するのが覚醒し、事件を解決するための能力として活躍していきます。

主人公は冤罪(傷害罪)をかけられ、東京の親戚へ預けられることになります。そこで出会う人々は、主人公と同じように周囲から煙たがれる存在でした。そんな主人公たちが出会い、学校教員による体罰・強制〇交の悪事を暴こうと決起し、それをきっかけにペルソナ能力に覚醒します。主人公は少しずつ仲間を増やし、さまざまな協力関係・信頼を築き、最終的に冤罪をかけた宿敵にたどり着き、因縁を晴らすことができました。

そんな1年を過ごした主人公ら怪盗団。主人公は冤罪も晴れたため、地元へ戻ることになり、怪盗団も実質解散状態でした。そして来たる高校3年の夏休み、主人公は再び東京へ遊びに行くことになり怪盗団メンバーが集合することになりました。

ここでペルソナ5本編の感想なんですけど、主人公は冤罪かけられてて、ほかの仲間も似たような境遇で、世界から爪はじきにされているような状況なものですから、すご~~~く陰鬱な雰囲気で過ごすことになるんですよね。そこから這い上がって、悪を打倒するのが最高にカタルシスで、ペルソナ5をペルソナ5たらしめているんです。そしてその本編のあと、さわやかに夏休みを楽しも~~!ってなり始めたのが、P5Sのプロローグ。
ちょっと明るい雰囲気になると、不安になるじゃないですか…

ペルソナ5のラストでは、主人公が冤罪解消のために(必要に迫られて)再度拘留されるので、3学期は一気に飛ばされて前述の別れになります。拡張版ともいえるペルソナ5ザ・ロイヤルではその3学期を体験できます。
ペルソナ5の「改心」という手段ですが、「犯人の意識外から精神に働きかけ、犯人の心変わりを成す」という、見方によっては洗脳ともいわれる手段で悪を自供させます。これについて、ペルソナ5本編内で「洗脳」と指摘されることはないく進んでいきます。なんならロイヤルには追加キャラがいて、改心を「救い」として利用しようとして、怪盗団と対立します。そこにはただ「苦しんでいる人を救いたい」という願いしかなく、怪盗団はそれを否定し、ヒトの可能性の中で苦しみながらも自由に生きることを示してロイヤルは終幕しました。
(ペルソナ5の認知訶学の描写は言葉での説明がすごく難しいです…)

ぼくの拙い説明でペルソナ5に興味を持ってもらえたら、ぜひ遊んでくれ…!!!

ペルソナ5中で最高にかっこいいカットインのひとつ

「改心」は「洗脳」?

P5Sでは以前のようなパレスではなく、ジェイルという異世界が発生しており、人々の”ネガイ”を吸収することで洗脳し、ジェイルの持ち主がその恩恵を得る、というものでした。ネガイを奪われた人々は、ジェイルの持ち主を妄信するようになり、その姿は「洗脳された」と見えるものでした。
怪盗団はジェイルに潜入し、ジェイルの持ち主のシャドウ(王【キング】)を説得し改心させることで、奪われたネガイを解放し人々に返すことで洗脳を解除しました。
P5Sの黒幕とのやりとりでは、「怪盗団の改心は洗脳ではないのか」「改心することで利益を得た」「我々(悪役)と同じではないか」という問答もあり、そりゃそういう指摘は出てくるよなぁ~と難しい顔になってしまいました。ペルソナ5本編では「正攻法ではどうしようもない巨大な敵」に意識外から立ち向かい、怪盗を演じながらダーティに改心を行なう痛快さがありました。P5Sでは確かに改心を行なってはいるのですが、ジェイルの核となるシャドウを説得し、改心を促していました。ジェイルの核は奪っていないんですよね(核となるオタカラは無い)。ペルソナ5本編のパレスの核はシャドウの宿主のチカラの源であり、これを奪うことで強制的に改心させていました。
ペルソナ5本編での改心については、カモシダが改心するかも賭けだったし、マダラメのときも「きっと大丈夫だよね」と本当に改心が成功するか心配する描写がたくさんあったので、徐々に改心という手段に対する安心感みたいなものを構築していく過程がありました。
P5Sでは今までの方法と同じ方法をとりつつも、奪うことなく改心を遂げています。牢獄塔の核も、ジェイルを進むための手段ではありますが、ジェイルの王を知るために必要なアイテムとして機能し、ジェイルの王が何かしらの心の傷を抱えていることを知り、真相に少しずつ近づくことができました。「ジェイルの王について理解し、説得することで改心を達成する」、これはペルソナ5本編と明らかに違う点でした。

ペルソナ5本編ではオタカラを奪われたヴィランは、改心前とは全く正反対の言動になり、自己の行ないを後悔し懺悔するという衝撃的な心変わりが描かれていました。P5Sのヴィランは改心後、自らの行いを後悔しつつも、その先に進むための意思を持つことができています。そこには各キャラの現実世界での働きかけもあって、強制的な改心とは大きく異なる点だと思います。
アリスは杏に励まされ、夏目は祐介に激励され、鞠子は春に支えられ。ジェイルの王たちの多くは、その先を見据えた改心をすることができたのです。これは双葉の改心に近いかもしれませんね。

無双なのにペルソナなバトル

ペルソナシリーズ、また大本の女神転生シリーズの戦闘は、最大4vs4のターン制コマンドバトルです。そこに弱点属性で攻撃が入ると”1more”という追撃で1回追加行動できるルールです。このルールはそもそもプレイヤーのアドバンテージが多く、敵の耐性を知っていれば一方的に攻撃できるのが爽快なプレイ感を生み出しています。そのため所見プレイ時は、敵の攻撃がどんなものかわからないため、ヒリついた戦闘を楽しめます。

P5Sではバトルがいわゆる無双ゲーに変わりました。敵はリアルタイムでウジャウジャ動くし、四方八方から攻撃してきます。とはいえシンボルエンカウント制でペルソナ本編のように1バトルの区切りがハッキリしています。ぼくは本編のコマンドバトルがだいすきですが、無双ゲーでありつつもコマンドバトルの風味をもったP5Sのバトルにじわじわとハマっていきました。激しくアクションしながらも、コマンド画面を開いて状況に応じたスキルを発動するという忙しさが今までのペルソナと違うスパイスになって爽快感がマシマシです。無双ゲーというよりはペルソナを意識して、ペルソナの戦闘に無双アクションをうまく取り入れた形になっていて、いままでの爽快感も一緒に味わうことができる欲張りセットになっていると思います。慣れてくるとどこでスキルを打つと効果的かわかってくるので、ひたすらコンボを繰り返す無双ゲーよりか、ペルソナ感を感じられるようになると思います。
本編にある総攻撃や1moreも導入されていて、爽快感に味付けしてくれているし、なにより強敵に総攻撃できると、爆発する敵を背景に怪盗団がカッコつけるバカさ加減も大好きです。

最高の曲をロックで。

P5SのBGMはペルソナ5本編のBGMがロック調にアレンジされています。これがめちゃめちゃカッコよくて最高です。
予告状を出したらLife will changeが流れるいつもの流れも最高ですし、そこからボス戦ではBlooming Villainのアレンジが流れてくるのは最高にシビれます。rivers in the desertもアレンジされていて、明らかに強え敵なんだなってのが分かって震えましたね。原曲をしぬほど聴いたため、イントロではウワーーーー!!!ってなって忙しかったのを覚えています。

Counter StrikeとDaredevil

Dare Devilは初めてジェイルに入ったときに流れて、これぞペルソナ5スクランブルだぞ!と印象付ける激アツBGMです。大量のシャドウの中に突っ込んでいくジョーカーはまさにDare_Devil【命知らず】!

このオープニングは公式youtubeにもあると思いますが、ぜひこのアツさをプレイしながら感じてほしいです。このムービーを改めて見てみると、やっぱり爽快感に振り切っているな!と感じます。これ見てワクワクしない男子いないよ!

Counter Strikeは終盤に流れる重要な曲で、直訳でたぶん「反撃」だとおもいますが、まさに前述の「改心」論争の決戦で流れます。イントロは割と穏やかなんですけど、一気に火がついてめちゃめちゃロックになるところがだいすきでずっと聴けちゃいます。怪盗団と黒幕、お互いの改心についての信念のぶつけあいをまさしくCounter Strikeしてるな!って思いました。
黒幕も怪盗団と同じように理不尽に喘ぎ、怪盗団と同じように洗脳による改心の力を得ました。しかし怪盗団はそれを悪とし、自分が改心される立場になりました。怪盗団と黒幕、そのチカラはどちらも世界を良くするなのに…と。
しかし怪盗団は「自由意思を奪って得た結果は間違っている」「怪盗団は理不尽に苦しむ人へ勇気をもたらすために活動している」と。正直怪盗団と黒幕のやりとりは議論というよりは、意見をぶつけただけで力業で押されて負けたのが黒幕、という顛末だと思います。まぁそこに「怪盗団に救われた人」「怪盗団に勇気をもらった人」が存在するから説得力が補強されて納得できちゃうのがP5Sのしっかりしたところだなって思っています。

かんたんペルソナ合体

ペルソナの強化は、複数のペルソナを合体させることで上位のペルソナへ変化させることが基本です。各ペルソナに割り振られたアルカナと初期レベルが、変化先のペルソナを決定するシステムです。
P5Sでは少し変わって、アルカナは関係なくなり、ペルソナのレベルが変化先を変える要素になっていて、最初は少し戸惑いました。といってもレベルで変化先が変わるのは一部のペルソナだけなので、変化の法則はそこまで気にするほどではありませんでした。むしろ本編より簡略化されていて、よりかんたんに好きなペルソナへ変化させれるようになっています。

ムキムキアリスちゃん
意外と簡単にムキムキにできちゃう

怪盗団の未来

昨年ペルソナ5ザ・ロイヤル(Switch版)を改めて遊んで、P5最高や…となっていたところ、ペルソナ5タクティカを遊んで「う~ん」となりました。P5の本編後の時系列で描かれているのが、P5SとP5タクティカとPQ2ですが、納得度というか正統続編感はP5Sがダントツですね。やっぱり怪盗団が再結成して、まるっと1か月行動をともにするっていう体験は、ほか作品にはない強力な魅力だと思います。
あとP5が鬱屈とした雰囲気なのに対して、P5Sは圧倒的に夏!陽!というのが良い。怪盗団、夏を楽しんでくれ…という気持ちでいっぱいになっちゃう。沖縄に行くことが決まった瞬間の杏と竜二のバグりかただいすき。

まだP5S熱は冷めそうにないので、2週目RISKYやろうかな~って合体ループで最強ペルソナ作りながら考えてます。
みんなも怪盗団と夏休み、体験してみてくれ!!!


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