星のないこの空の下では、気づかないふりして隣にいたい
東京、東京、東京。
最近は「バンドやってなかったらこんなことしてないだろうな」みたいなことをずっと考えてるんですけど、なんとなく、バンドをしているからこの都市の名前を口に出す機会が多い気がする。
撮影をした。
全部言っちゃうと楽しくないから情報はこれだけ。自分たちの姿をかっこよく撮ってもらい、それを形にするために、片道10時間と安くないお金を払って離れた土地を訪れる。
正気じゃない。真剣なのか、はたまた現実を見たくないだけなのか。今の俺にはわからない。
わからない。なんでバンドやってんのかわからない。音楽が好きだから?それはそう。やりたいから?それももちろんそう。
Q.果たしてこれが俺(や、俺に近い人)の未来になるのか?
A.わからない(させるしかない)。
最近、未来のことを考える。その度に、今からたくさんのことを積み上げていくんだから未来の俺は最強だろ、という根拠のない安心と、ずっと今のままだったら、そうじゃないとしても、どこかでつまずいてしまったらどうしよう、と、とてつもなく不安になる。
たまにこんなことを言って、俺に才能があるのかわからないなんて言うと「才能あるよ」って言ってくれる人がいたりする。なんだかもう、そういう言葉を信じてやり続けるしかない。何より、誰よりも俺が俺を信用しなければいけない。のだが。
リアルで気持ち悪い話をする。例えば、このまま俺(20)が何も功績を残せないまま、5年の歳月が流れるとする。
したらば俺(25)は、どんな顔をしているだろうか。そろそろ友達が結婚したりするんだろうか。「そことそこまだ付き合ってたん!?え!?結婚!?」とか言うんだろうか。俺はどうだろうか。結婚はしてないだろうなあ。貯金は?彼女は?借金とかしてないだろうな。バンド、は?聞かないでおくね。今の俺次第だって俺が一番知ってるから。
まあ、この時点でそこそこ絶望の片鱗を見せているのだが、一応俺(30)もやっておく。
おい!!!!!売れてないとマズいぞ!!!!!!!
↑これに尽きる。RADWIMPSは野田洋次郎が30の時点で「×と○と罪と」を既にリリースしている(さらに言えばこの1年後に君の名は。に書き下ろしもしたりする)し、UNISON SQUARE GARDENは大名曲「シュガーソングとビターステップ」をリリースしている。
さあどうする少年よ。全てはきみ次第なのだ。どうしたらいい?やるしかない。やるしかないんだけどね、本当に。考えなきゃいけないこと以外、何も考えずにただがむしゃらにやるしかないだけなんだよ。どうせ普通に生きていけないのなら、普通じゃない俺として、生きられる道を選んでいくしかないんだ。
逃げたいなあ。辛いなあ。死にたいなあ。誰のことも助けられないなあ。せめてでも、俺の周りの人くらいは救い出せなきゃ。そうじゃなきゃ、誰も俺のこと好きでいてくれない。誰も俺と一緒にいてくれない。そういう世界だから。それに関しては俺が一番理解してるよ。
このあと眠ったら大丈夫になることを祈って、小さめの音量にしたイヤホンから鳴るきのこ帝国を流し聴きしながら文字を書いたり消したりしている。
東京。そんなことを思った。また大阪に着いたら、変わらない生活を再開させる。今だけ、こんな俺を受け入れてくれますか。今はまだ、俺と一緒に生きてくれますか。
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