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漫画の話『昭和天皇物語』~天皇から見た昭和史~

さて、漫画の話をしましょう。保険の話なんてつまんないしね。

今日紹介する漫画は、 能條純一(作画)、半藤一利 (原著)、永福一成 (脚本) 『昭和天皇物語』です!なんか沢山の人が関わってるなあ…って感じですが、中でも注目すべきは作画の能條純一!『哭きの竜』や『月下の棋士』で有名な、リアルで迫力のある漫画を描く事で定評がある作家です(まあ描き捨てたような、ひっどい作品も割とありますが…)!そして原著は昭和史に造詣が深い作家でジャーナリストの半藤一利『昭和史』、 これが面白くならないわけはありません!

9巻表紙(主人公の昭和天皇・裕仁)

あらすじ

第二次世界大戦が終わり、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーは昭和天皇・裕仁(ひろひと)との会見を行う。その場で命乞いをするのかと思っていたマッカーサーは、裕仁が自分に全責任があるのを認めた事に驚く。その事からマッカーサーは裕仁がどのような人物なのか、どのような人生をたどって来たのか興味を持つ。そして時代は遡り、裕仁がまだ幼く、迪宮(みちのみや)と呼ばれていた頃から話は始まる。

裕仁とマッカーサーの対面

天皇から見た昭和史

この作品、主人公は昭和天皇・裕仁ではありますが、実質的には昭和史を辿っていく群像劇的な漫画と言えます(原著が『昭和史』だから当然とも言えますが)。乃木希典、東郷平八郎、原敬、犬養毅…と様々な人物が登場し、また退場していきます。裕仁はそのような人物達に影響を受け、時には影響を与え、成長していきます。

迪宮と乃木希典の最後の別れ(迪宮は裕仁の幼名)

漫画に限らず、映画や小説等フィクションの世界では、近現代の天皇はアンタッチャブルというか、若干描きにくい感があるのですが、この漫画ではバリバリ裕仁の人間的な喜怒哀楽が描かれます。ひょっとしてこれもの凄く貴重な漫画なのでは…?

嘆き悲しむ裕仁

萌え要素もある!

ちなみにこの漫画、私的には萌え要素も満点です。裕仁は養育係の足立タカ(あだち・たか)が大好きで会うと大喜びします。

タカと会うとテンションが上がる迪宮

この育ての母に凄く懐いてるところとか私的には萌えポイントだと思うんですがどうでしょう?しかも裕仁は子供の頃だけではなく、大人になってからもタカが大好きで、タカと話すときは露骨にテンションが上がります。

大人になってもタカと会うとテンションが上がる裕仁

どうです?この可愛さ。裕仁をこんなに可愛いキャラで描いた作品は初めてなんじゃないでしょうか?ちなみにこの足立タカは実在の人物で、鈴木貫太郎(すずき・かんたろう、終戦時の総理大臣)の妻になった人です。太平洋戦争を描いた作品だと、他でもたまに出てきます(『日本のいちばん長い日』とか)。この裕仁とタカの関係が最高で、これだけの為でも読む価値があります!

まとめ

昭和史や昭和天皇に興味がある人にはお勧めできます!能條純一のセクシーなタッチで描かれる裕仁が最高です(ちょっとカッコよく描きすぎてる気もするけど)!ちなみにこの漫画、理由は不明ですが何度か連載が中断しています。私の記憶では一番長かった中断は確か裕仁が海外留学に行く途中、沖縄に寄る辺りのはず。ともかく、連載が無事進むよう願っています。

2022年11月現在、連載では226事件が終わろうとしている辺り。これから太平洋戦争が始まり裕仁がどんどん曇るかと思うとワクワクします!さあ!濃厚な昭和ワールドに突入しましょう!

本日の漫画紹介でした!


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