第212回 認知症のお客様への対応①

はじめに

 少し前にあるツイートを目にしました。ある大手証券の営業マンが認知症のおじに2000万円の債券を売って、毎月分配型の投信を勧めてきたと言うお怒りのツイートでした。今回は少し大手証券の営業マンの肩を持ちます。

ツイートへの違和感

 いくつか違和感があるので書いていきます。
① おじに勧めた営業マンからすれば、お客様の甥か姪にあたるこのツイート主は全くの他人です。もし、このツイート主のおじに身寄りがなく全部面倒を見ていれば話は別ですが、おじに家族がいらっしゃれば余計なことです。
 この営業マンはお客様であるおじに勧めたのであれば、電話なり会ったりしてコンタクトを取っているはずです。症状が重い認知症なら、家族ならそういう場に出さないと思います。仮に軽い症状の場合なら営業マンはその方が認知症と気づかない可能性もあります。

② ツイート主が担当営業マンに事前に認知症だと伝えていたのであれば営業マンのミスとも思われますが、大手証券の営業マンなら3年ぐらい転勤してしまいます。しっかりそういう点も引き継ぎができていればいいのですが、できていない可能性もあります。ツイート主がもし信用して引き継ぎぐらい完璧にできているだろうと考えているなら「ありがとうございます」とお礼が言いたいですね。どちらかといえばそういう信用がないのが証券営業マンです。ないからこそいろいろ叩かれたり今回のようなお怒りのツイートをされるんでしょう。

③ 認知症の手続きは取っていたのか?
 たまたまですが、この大手証券と私が勤めていた地場証券はシステムが一緒でした。だから、システム上ロックがかけれると思います。私が勤めていた地場証券は認知症などの売買意志が確認できないお客様はロックをかけて売買できないようにしてありました。そのロックは上の人でないと設定や解約はできません。だから、仮に注文を取ってきても何もできません。その大手証券がそういう手続があるのか知りませんが、田舎の地場証券でもありましたからあると思いますよ。なかったらゴメンなさい。
 こういう手続をやらずに営業マンが勧めたと言ってお怒りになるのもどうかと思います。この辺りの詳しい話はまた書きます。

④ 認知症のおじの年齢は何歳なんでしょう?
 私が勤めていた地場証券は基本的に確か75歳以上に投信が勧められませんでした。噂では大手証券全般は70歳で買うことができなくなると聞きました。そう考えると営業マンが60代のお客様の認知症を疑うのは、なかなか難しいですね。  
年齢もそうですが商品を販売するのに結構規制が入っています。そういう社内規則をクリアしないと営業マンも勧められません。

まとめ

 確かに酷い営業マンはたくさんいます。そこは否定はしません。ただ、その方たちも社内規則を守らないと発注できません。発注できないものを営業はしません。それをクリアして始めて営業ができ、手数料になります。
 認知症の話も少しずつ書いていきますね。
 この文章が誰かの役に立っていれば幸せです。

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