第257回 株主数について

はじめに

 株主数が増えることは良いことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?それぞれのメリット、デメリットがあると思います。少しですがそんなお話を書いていきたいと思います。

オリックスとトヨタ自動車

 大企業2社が異なる動きを見せています。オリックスは今回の決算で2024年3月に株主優待を廃止すると発表しました。おそらく株主優待がなくなれば多くの優待目当ての個人株主がいなくなるでしょう。トヨタは昨年株式を5分割をして売買単価を下げて購入をしやすくし、昨年と比べて株主が約30万人増えました。株主を増やそうとする企業と減らそうとする企業はどちらが正しいのでしょうか?どちらも正しいのでしょうね。今年は任天堂も株式分割しますので大幅に株主が増えるそうですね。

メリット

 個人株主が増えるメリットとしてまずは市場がプライムなど上への市場変更ができるようになることです。最低何人は株主がいないいけないと規定がありますのでその人数は超えないといけません。手っ取り早く株主を増やすためには株主優待を設けることです。グロース市場銘柄が株主優待を発表すると、近い将来的にはスタンダード、プライム市場を狙っているのかな?と憶測ができます。株価の上昇にもつながることもあります。
 大企業では、個人株主を増やすことによって安定すると考えます。外国人投資家などのある一部の投資家が株式をたくさん持つことを嫌います。一部の投資家が株を握ることによって売るときに相場を大きく変動させる原因に繋がります。リーマンショックのようなときには売られます。ただ、個人株主のほうが動きが遅かったり、売らなかったりしてくれます。急激に下るショック安のような時には株主数が多いほうが良いと言われています。このあたりのことはまた別の時に詳しく書きます。

デメリット

 簡単に言えばコストが掛かります。例えばトヨタの話であれば約30万人増えました。1人あたり3,000円ほどコストが掛かると思えば、9億円のコストがかかることになります。1人あたり3,000円は高いと思いますか?本決算と中間決算で手紙が送られてきます。その中身の決算書の印刷代もあります。株主によっては金融機関に配当を振り込むように指定されていたり、郵便局で配当を受け取るようにしている方もいらっしゃいます。思ったより1人あたりのコストは掛かります。3,000円よりかかっているかもしれませんね。
 もう1つはメリットの時に書きましたがショック安のような下げ方の時に大きく下げられる可能性があることです。もしかしたら買収されることも考えなくてはいけません。

まとめ

 各会社によってメリット・デメリットは違います。ただ私は株主数が増えるのはいい事だと思っています。トヨタが株主が増え、コストが9億円増えましたとしてもトヨタからすれば微々たるものです。9億円で株価が他社より安定するなら安いものです。
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