マガジンのカバー画像

今夜もウェブで会おう ー東京とドイツの友達ー

22
高校時代、私たちはいつも長い手紙をやりとりしてきました。 自由について、生き方について、 働き方について。色々話したと思います。 とても未熟だったけれど、そういう友達はけっこう…
運営しているクリエイター

#エッセイ

コロナで感じた東京の「狭さ」。ヨーロッパでは物置レベル?

広いことはいいことだ やほー 将軍川くん 前回、「人と自分は違うんだね」っていうことについて話したよね。 それについて書こうと思って、近所のカフェにいたんだけど、コロナ禍であまりに人がいなくてゆったりしてるから、ちょっと感動してしまって、それを書きたくなっちゃった。 今書こうとしているテーマは来週にさせてもらおうかなと思った。 コロナのせいっていうのはひとまず置いとくけど、広いってことはリッチなことだよ。スイートルームとおんなじだ。 これまで、東京は場所がないと思っ

人と自分は違う。その上で「伝える」ということ - 『今夜もウェブで会おう』 (第20通目)

コミュニケーションの基本は「話は通じないもの」と諦めること? 将軍川くん ある時気がついたんだけど、話って「通じない」ものなんだね。 話せばわかるっていうのはウソで、ほとんどの相手には、わたしの意見を理解する土台がない。(逆にいうと、わたしと同じ人生を歩んできた人だけが、わたしのことを完全に理解できる)。 つまり、わたしも、相手の言っていることを100%は理解してないんだよ。 それどころか、周りにいる人をランダムに捕まえて話した場合、簡単なことですらほとんど伝わらない

結局遊んじゃうけど、それでいいのだ。 - 『今夜もウェブで会おう』 (第19通目)

休みがありすぎ?!仕事をするひまがない 将軍川くん 久しぶりに実家に帰ってるよ。 最近、父に仕事を一部振るようになったから、打ち合わせも兼ねてのお盆休みかな。 将軍川くんもむかし、うちに遊びにきたことがあったよね。 広い庭に3本白樺の木が生えてて、しめった地面の上に小さな花がたくさん咲いている白い家がうちだ。 東京を離れてみると、ものすごく虫の声がすることに気がついた。 かき氷を買おうと思って、スーパーに向かって歩いていると、木の上から鈴虫の声がしてくるんだ。そうい

ドンマイ。 - 『今夜もウェブで会おう』 (第16通目)

「心の家」から友達を出してあげた話 やっほ、梶さん 最近調子どう? うちはこっちの友達とちょっと喧嘩をしてしまって、前話した時はまだ頭がフワーッとしてたんだよね。 どちらかといえば、喧嘩した、というよりは、ウチが一方的に傷ついたといったほうが正しいのかもしれないけど。 友達がストレスで体調を崩したっていうから、果物を窓まで届けたり、メッセージで「大丈夫?」SMSで1日おきくらいに確認したんだ。 全然返信がなかったまま数日後、元気そうにしているその子をパーティーで見つ

人生とマグカップについて - 『今夜もウェブで会おう』 (第15通目)

結局、原点に戻る 梶さん 最近調子どう? 先月まで、ドイツのベルリンにある、ヴィーガン(完全菜食主義)専用の集合住宅に住んでいたよ。住人は5人で、だいたい1ヶ月ぐらいの滞在だった。 ウチは確かに、「ベジタリアン」的な食生活をしているけど、卵類と虫、時々乳製品を食べるから、厳密にはヴィーガンではない。 けど、居住の条件として、そこにいる間は完全植物性の食事さえしていればOKみたいだったから、住むことにした。 思い返すと、ドイツで友達の家に泊めてもらったり、現地の人の家に

「知識」だけでは価値はない - 『今夜もウェブで会おう』 (第14通目)

「ネットサーフィン」をやめることにした 将軍川くん そっちはどんな天気? こちらは、直射日光が「熱線」になってきた。爽やかな風が吹いてくるから、そこまで暑くはないんだけれど、太陽光線に攻撃的なものを感じる。 まだまだコロナウィルスの感染予防で、世間のトレンドは「自粛」。街はやや混んでない。 さっき、Google Local Guideが「家にいながら世界を散策しよう」っていうメールを送ってきた。多分、世界中のいろんな美しい風景や、写真が見られる何かのサービスなんだと思

「仕事」と「プライベート」ってわける必要ある? - 『今夜もウェブで会おう』 (第11通目)

📧梶→将軍川 将軍川くんへ やっほ! コロナ禍で自粛生活が始まって3週間経った。 最初の頃に家の中を思いっきり掃除して、もうやることがなくなったと思って茫然としていたんだけど、さっき、おふろの排水管にゴミが詰まったらしくて、流れなくなったんだ。「やった、ゴールデンウィークにやることができたぞ」と嬉しそうな口調でつぶやいてみたんだけど、もう、完全に不貞腐れてる。 まあ、最初に浮き足立った自分が、弱かったのかもね。コロナ禍で変わったことを取材したり、遠隔でできる仕事を提