見出し画像

すべてを変えた あの日…【うつしだしたもの】

写真を撮ることを生業にしているからこその使命感と一人間として見過ごせない思いだけで私達は一夫婦として彼等の懐に飛び込んだ。そして心を開いていってくれた。
40年フリーランスで仕事を続けてきたからこそこの業界がどんなところかよく理解している。報酬を貰うシガラミを外したところにいなければ真実は表現できないということだ。組織の中にいればできない。表現することに報酬対価ありきが前提ではそこには濁りが入る。だから表現者として意地でもフリーランスであり続けた。この活動は絶対に濁りを入れたくなかった。真実を伝えることをどこまでも追い求めたかった。
東京で写真展を行った後、地方へも廻ったがその後私達は活動を凍結してしまった。それは無償で行っていてもそれを利用される懸念が生じてきたからだ。そして活動を続けようとすることを阻害されることも生じたからだ。世の中が消し去り忘れ去ろうとする流れに加速し始めたから…、何事もなかったかのように…。報道は毎年の311に合わせてだけお座なりで流すだけ。
私達が大切にしたかったものが大切に扱われないならば時が来るまで鍵をかけてしまっておくことにした。
この尊い命から振り絞る言葉、その瞳からの訴えが
伝えたくても伝わらないなら話さない方がいい、見せない方がいい、時は必ず来るとも思っていたから。

この手記を改めてまとめていくうちに写真だけのメッセージを残したかったのは福島は当初ずっと入れなかった場所でありこの手記では詳しく触れなかったこともある。複雑すぎて…、まだまだ生々しく紐解けば記憶は溢れ出てくるが私の今の力ではまだ言葉にならないものも視覚から感じてもらえたら…。写真には全ての想いを、瞬間を、残した。そのものを写真では語ってくれているから…。


自然災害だから人間の力ではどうにもならないからと諦め納得させ懸命に生きておられる方々が事実を知り再びの苦しみを受け止めなければならない、向かい合わなければならない時が来るのならば、どうか見て見ぬふりはしないで下さい。通りすがりの人にならないで下さい。同じ日本人が苦しんでいるならそれは自分自身を裏切ることにもなるからです。
心は結ばれます。目に見えないからこそ結ばれた心は強いのです。
未来をつくる子ども達の瞳が輝きますように、笑顔でいられますように、忘れないで見守り続けて下さい。

祈りを込めて


May you Smile

2020.10.31

shun&yuki

あなたの心に翼あることばの一つ一つが届いて和らいで解き放たれていきますように。 サポートよろしくお願い致します✨