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すべてを変えた あの日…(12)

 



2012.2.28 南三陸に入る。 

新しい年が明けた。
雪のなかの被災地。 
12:30開店された復興商店街は賑わう。
日曜日だからか、飲食店はずっと混み合っていた。 すれ違ったご婦人から聞こえてきた会話
[ここができたたのは嬉しいけど、あの日が夢であってほしい…] 

夕方、陸前高田、大船渡を撮影。 

 



ガレキはほとんど撤去され何もなくなった地面に雪が覆う 

始めから何もなかったような未開の地のよう 

雪が覆い 真っ白な世界 

人の足跡もなく真っ白な雪一面が 

あの日あったことが まるで夢のように思わせる 

いいえ 

この場所には多くの人の軌跡が刻まれているのです 

一年を迎え あの日から私たちは 何を見 何を感じ 何を決意し 

行動したのでしょう 

この子たちの目に焼きつき 心にのこったものは… 

彼らの心に 何を刻んだのでしょう 

私たち大人が 今 できることを真剣に取り組み 

彼らが成人した時に引き継がれ 

残していけることをしなければ 

彼らの純真な瞳に 嘘をつくことなく 

 



雪に覆われた 爪跡は そのまま 

時が 止まったまま それでも 静かに 雪解けを待ち 春という 希望を まっている 

 


 

2月29日、大船渡、釜石 釜石市立唐丹小学校、真っ白に覆われた生徒のいない学校は過去の遺跡のようだ。 

大槌町から山田町大沢小学校へ。

 お昼休みに校長先生が体育館での昼休みの子供達の姿を案内して下さった。 そして子どもたちの変化を聞いた。 
三学期明けてから子供達の様子に異変があると家庭から連絡があった。 三年生数名がカウンセリングを受けている。 
特に当時の頻繁な映像でフラッシュバックをする。 父親を亡くした子どもは、当日の祖父と父親の舟を沖に出すか出さないかの諍いを思い出してしまう。 津波の劇[海よ光れ]は今年は演じなかったそうだが、[大沢虎舞]は無事に5年生に引き継ぎ出来たそうだ。 学校新聞は7年連続で今年も内閣総理大臣賞を受賞したそうだ。 

日々はこうして1日1日と過ぎて様子は変化してくのだ。 



しばらくの沈黙のあと

一言一言に力と強い眼差しで語ってくれた。 

[まるで何もなかったかのようにガレキが除かれ雪に覆われましたが、生活も心も元には戻っていないのです。それぞれが自立した新しい生活が出来て初めて復興なのです。 どうか風化させないください。 どうか忘れないでください。 子供達の行く末を見守り、応援してください。 それが私の願いです。]

 



 

 



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