ステージ衣装って、どうしてるんですか?

毎回の本番、場面によって案外悩むのが着るものです。

<発表会伴奏>
基本的には黒系。スカートをデザイン製のあるもの(透け感、レース、色味)などにして、トップスを黒にするのもおすすめです。

<コンクール、試験伴奏>
黒のワンピースや、膝丈より長めのツーピースなどで、シンプルなもの。
パンツでも可。相手がドレスの場合はバランスによって、こちらもボリュームを抑えた黒ドレスにします。ホールの場合はロングスカートの方が良いと思います。

発表会や試験伴奏の場合でも、部分的に肌が見える方がバランスとしてはきれいです。
長袖にロングスカート、またはパンツ、黒タイツ、髪もおろす、というバランスで透け感もない場合よりも、髪はまとめる、ノースリーブかフレンチスリーブにする、肌色、または透け感のあるストッキングにする、パンプスを華奢にする、など、どこかに抜け感がある方が美しいです。

<リサイタル共演>
お相手が男性の場合はカラードレスも良いでしょう。ボリュームは抑えめに。
女性の場合は、相手の着るものに合わせていくつか提案し、希望に沿えるよう相談します。

<室内楽演奏会>
メンバーとのバランスを相談します。

<サロンコンサート>
ドレスドレスしていなくてもお洒落なのがサロンコンサート。
気の利いたデザインやカラーのものを、共演者と相談します。
ホールでは地味な光らないアクセサリーで遊ぶこともできるのが、アットホームでこじんまりとしたサロンコンサートの愉しみ。

<ソロリサイタル>
共演者のいない場合は、何を着てもOK!
衣装も演出の一部です。自分らしさを最大限に出すのも良いと思います。
今の時代、本当に様々で、ユジャワンのようにスリットの激しいラメのスカートやミニスカート、ほぼ裸のようなドレスで個性を出す人、逆にピリスのようにナチュラル素材、シンプルなものを選ぶ人も。
前半、後半で着替えることもあります。

私はコンサートの1番の印象は音楽になるのが良いと思うので、演奏よりも衣装のツッコミどころが激しくはならないように、調和のとれたバランスを目指し、そのコンサートのコンセプトに合うもので、そのステージの色やプログラムに合った色や素材、デザイン、何より自分の心地よいもの、好きなものを選びます。


アンサンブルのコンサートに関しては、最も使いやすかった色は、艶消しのシャンパンゴールド。相手がどんな色で来ても合わせやすく、地味すぎず派手すぎず、何十回と出番があります。黒の場合は、デコルテのデザインやカッティング、シルエットが美しいものを。素材も、シフォンだと大人しく地味目、光沢のあるもの、スパンコールのついているもの、レース等、場に合わせて選ぶと良いと思います。

選んだ服やドレスコードと、メイクやヘアメイクは、ある程度合わせた方が美しい。例えばフォーマルなドレスなのに、頭は後ろでゴムで一つにまとめただけでノーメイク、というのは、とてもちぐはぐに見えます。

余談ですが、小・中学生の発表会やコンクール、コンサートでも、最近ではよく皆さんドレスを着ていますが、ほとんどの場合ヘアは野放し、ドレスから綿の下着が見えていたりします。ステージはエレガントに、聞いている人を非現実に誘わなければならない場所。子供でも、できるだけ身なりにも統一感があるほうが良いかと思います。


<購入する場所>
長く使いたい上質なものを新品で探すなら、店頭で実際に試着のできる大手ドレス屋さんだと、デパート(伊勢丹や高島屋のドレスコーナーは評判が良いので、セールを狙う)やエメ、ドレスブラックなど。
最近はネット通販でも、かなり安く良い物が手に入ります。(ドレスルームamiや銀座ナインは店舗で試着できる、アールズガウンは予約制で試着も可、Light in the boxなど格安海外通販も。)

ただ、amiなどはリーズナブルで高品質なため、人とかぶる可能性はあります。新品である必要がなければ、メルカリなどでもかなり出回っていますし、掘り出し物を見つける、手を加える等して、オリジナリティを見つけるのも楽しいです。

また、海外旅行などへ行った時は、デザインやカラーが豊富なので狙い目。
日本でも、ZARA、H&Mには、時々使えるデザインのものが出るので、取り入れやすいです。
同じサイズの演奏家同士でシェアするのも、クローゼットを増やさずバリエーションが増えるので、おすすめ。

使わなくなったものは譲るか、メルカリやリサイクルショップなどで売ることも出来ます。

ご支援下さいましたら経費に充てさせていただき、仕事に繋がるピアノ共演法のワークショップをどしどし提供してゆきたいと思います。