アナザーデイ|184|2009.03.13|多情仏心
予定していた午後の打ち合わせに出られなくて
申し訳なかったと後輩から夕方に電話が入る。
電話の声は涙声である。
聞けば、順調に進んでいた仕事の企画が
ひっくり返ってしまったのだという。
説得のため各方面にあたったが状況はかわらず、
スタッフに事情を話し、謝罪をして
この時間になってしまったのだという。
そんなことで泣くなと諭すと、
わかっているが、悔しいという。
自分のことより、ここまで一緒に
積み上げて来たスタッフに申し訳ないという。
今日はこのまま帰るという、振り絞るような声を受けて、
そうするのがいいと電話を切る。
慰めの言葉もないが、
酒でも飲むかと水をむけたら、大丈夫だと答えていた。
こんなに真剣に打ち込んでいれば、
この問題をきっと打開し新しい困難にも立ち向かえると
確信めいた感情がわいてくる。
誇れる後輩を持ったと感慨にふけっていると、ふと
自分はそんなふうに真剣にことに当たっているだろうかと
不安になって、自問自答してみる。
大丈夫。今の私も真剣勝負していると言える。
今日も、のぞいてくれてありがとうございます。
夕方の空に見える赤い満月もまた泣いているようで。アナザーデイ
2009/3/13/niwashi
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