AI画像生成プロンプトを一部変更して遊ぼう！

2023年8月18日 17:49

思いつきだけで行動している、かだんです。こんにちは。2000フォロアーさん感謝祭ということで自マージモデル「PlantsMix」を公開しています。ところがどっこい普通に使いにくいと思うのでそのフォローになればと私が普段遊んでいるプロンプトの遊び方ご紹介記事を書くことにしました。飽き性なので3日で終わる予定です。よろしくお願い申し上げます。
記事の内容は趣味人が制作したものです、一応できる範囲で検索などして内容を調べていますが、載せている情報や生成した画像には間違った内容なども含まれている可能性があります。参考程度にお考えください。

基本のプロンプト

まずは基本のプロンプトをご紹介します。テーマは「フェアリーテイルコーデの双子」です。こんな感じの画像を生成するプロンプトになります。（画像は高画質化後の画像になります）

Ultra detailed, best quality, official art, masterpiece, illustration,Detailed face and long eyelashes, full body, ray tracing, depth of field. BREAK 13 year old girl and a girl. They are standing next to each other. FairyTale Style Twin Codes. They are very similar but with different elements. BREAK The season is summer, Cute and dreamy backgrounds are the beauty they deserve. art by Representing Artists.
Negative prompt: nsfw, blush, EasyNegativeV2, signature, watermark, username, blurry, artist name.
Steps: 25, Sampler: Heun, CFG scale: 7, Seed: 1911784723, Size: 640x960, Model hash: 75a24d317f, Model: PlantsMix-v1, TI hashes: "EasyNegativeV2: 339cc9210f70", Version: v1.5.1

高画質化設定
Steps: 25, Sampler: Heun, CFG scale: 7, Seed: 850082788, Size: 1280x1920, Model hash: 75a24d317f, Model: PlantsMix-v1, Denoising strength: 0.3, Tiled Diffusion upscaler: Lanczos, Tiled Diffusion scale factor: 2, Tiled Diffusion: {"Method": "Mixture of Diffusers", "Tile tile width": 96, "Tile tile height": 96, "Tile Overlap": 48, "Tile batch size": 4, "Upscaler": "Lanczos", "Upscale factor": 2, "Keep input size": true}, TI hashes: "EasyNegativeV2: 339cc9210f70", Version: v1.5.1

1日目：季節を変えよう

スタートの夏です。

上記「The season is summer」の季節を変更します。今回わかり易いように同シードで変更してみました。まずは冬「The season is winter」に変更したもの。（※実は冬から作った）

続いて秋です。紅葉した落ち葉が落ちてますね。青い髪の女の子は夏長袖だったのになぜ秋半袖なんだ…。

春。それぞれ登場人物や背景が絶妙に変わってますね。実は、同シードでもガラッと絵自体が変わる可能性もあります。ですので、基本的に構図などに強い思入れがない場合は、ランダム（-1）設定で使用されるのが良いのではないかなと思います。

1日目はこれで終了です。同じプロンプトでも一部変えただけで生成画像の印象を変える事が出来るのは画像生成の面白さの一つなのではないかなぁと思っています。ちなみに、季節の他に時間という要素もあるので試してみるのも楽しいですよ。追加のプロンプトとしては
Night
twilight
magic hour
Early morning
Afternoon
とかがあるでしょうか？ご興味があればぜひ挑戦してみてくださいね。

2日目：服装のスタイルを変えよう

エンパイアドレスが出なさすぎてモデル破壊を考えた、かだんです。本日は服装のスタイルを変えるプロンプトのご紹介です。

ルネサンス期

基本的な変更箇所は太文字にしています。主にドレスのスタイルと代表的な作家のところになります。また注意点として「ネガティブプロンプトに（bare feet）」を強調で入れています。なぜかというとめっちゃ素足出してくるからです。

(Ultra detailed, best quality),fashion Design, masterpiece, illustration, official art, Detailed long eyelashes and beautiful eyes, ray tracing, depth of field, solo, full body, model test shot. BREAK.Beautiful woman in a **Renaissance style dress**. She wears beautiful dresses and jewelry. season is summer, decorative backgrounds are the beauty by her. art by **Renaissance style Representing Artists**..
Negative prompt: nsfw, blush,**(bare feet)**, EasyNegativeV2, signature, watermark, username, blurry, artist name..
Steps: 25, Sampler: Heun, CFG scale: 9, Seed: 3006602278, Size: 640x960, Model hash: 75a24d317f, Model: PlantsMix-v1, Clip skip: 2, TI hashes: ”EasyNegativeV2: 339cc9210f70”, Version: v1.5.1

バロック期

あぁまぁ確かに…？言われてみると確かにそんな気が…？

ロココ期

髪型の指定を入れていない場合、特徴的なお団子になる率が高いです。

エンパイア期

コルセットをネガティブプロンプトに入れるのが肝です。デフォルトだとコルセット大好きマンです。出なさすぎて細かい年代の指定した、しなくても出たかもしれない。ドレスのラインの形を指定した方が良かったのかも。

フランス革命期

フランス革命期…そんなんあるんだ？4000%認識違いをしていそうな気がしています。がなんとなくそれっぽい軍服要素味のあるドレスが生成されました。結構可愛い。これに胸当てとかつけて細い片手剣的なもの持たせたらカッコ可愛いかも。

19世紀〜　クリノリンスタイル

一発でそれっぽいのが出ました。奇跡だったのかもしれません。

オマケ　ヒューマン「イギリス民族衣装風ドレス、タータンチェックで！」

AI先生は条件が合えばやってくれます。季節を冬にするとファーが自動的につきます。

調子に乗ったヒューマン「ヨーロッパの民族衣装風ドレス、ストライプ柄で！」

条件が合わない場合は適当にデザインしてくれます。

補足として

Clip skipで画像や衣装デザインのテイスト、特定プロンプトへの反応のしやすさが違っていたような気がしました。（気のせいかも）今回（2日目）のテーマはClip skip2で制作しています。Clip skip1だと下記画像の感じです。（Clip skip2、yumekawaへの反応（デザイン）が思い描いていたものと違っていたので…）
色々Clip skipの数値も変えてみると面白いかもしれませんね。それでは、楽しい画像生成ライフをお過ごしください。

3日目：美術様式を変えよう

はじめに　美術様式や作家名をプロンプトに使用する場合には

まず、美術様式や作家名をプロンプトに使用することへの様々な線引きが画像生成AIユーザーの皆さんの中でもそれぞれあるかと思います。
例えば、「美術様式」を使用するのは良いが「特定作家名」を入れるのはどうなのかという考え方、「作家名を複数入れるならば良いのではないか？」という考え方、「存命作家名」は良くないが、「そうではない作家」もしくは「死後70年以上経っている著作権が切れた作家名」ならば良いのではないか？といった考え方等。また、法的には絵柄に著作権はないため、各作品自体の類似性を確認し都度判断すべき、という考え方もあると思います。そのほかにも、義務教育における教科書等で紹介されている、歴史的世界的に認知の高い作家（モネやゴッホなど）のテイストはトリビュートという形で使用するのならば良いのではないか？という意見もあるかもしれません。
様々な価値観と意見のあるだろうテーマなので、この記事ではnoteのCXOでありデザイナーの深津貴之さんの記事「魔術として理解するお絵描きAI講座」の下記引用部分を元に

現代のアーティスト名を単独使用するのは、できるだけ避けたほうがいいかなと思う。基本的に画家の名前を入れるときには、複数いれるか、死後70年経った人の名前をメインし、特定個人の画風に依存しすぎたプロンプトを作らないほうがよいと思う。

法律的というより感情や仁義的なトラブルに巻き込まれるかもしれない。（著作権法は原則としては、個々の作品そのものに付与され、スタイルやアイデアやコンセプトは、単独では著作権法の保護の対象にはならないため）。

リスク回避を優先する人は「ルネッサンス」とか「ロココ」とか時代やムーブメントを丸ごと召喚するとよい。

魔術として理解するお絵描きAI講座

美術様式とその様式の代表的な作家名が生成画像にどのような影響を及ぼすのか等を検証しつつ、個人の画風に依存しすぎたプロンプトを作らずモデルの新しい面を探していく、というテーマでお送りしたいと思います。それではよろしくお願い申し上げます。

今回検証する美術様式は「アール・ヌーヴォー」と「抽象表現主義」

なぜかと言うと両者ともに視覚的特徴が際立っており、プロンプトに組み込んだ時の影響がわかりやすいかなと思ったからです。注意点として、今回選出した各様式における代表作家は、アール・ヌーヴォーの代表的な作家は著作権が切れており、抽象表現主義の作家は著作権が切れていない、という違いがあります。なぜ著作権の切れていない作家を選んでいるのかについては後述します。

アール・ヌーヴォーとは？

アール・ヌーヴォーとは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパやアメリカで流行した美術の様式です。フランス語で「新しい芸術」という意味があります。自然界の曲線や植物、女性などをモチーフにした装飾的なデザインが特徴で、絵画や彫刻だけでなく、建築や家具、ジュエリーなどの工芸品にも広く用いられました。
今回検証する代表的な作家のご紹介は以下の通りとなります。

アルフォンス・ミュシャ：チェコ出身の画家で、「四季」（1896年）や「スラブ叙事詩」（1912-1926年）などの大型パネル画や、「ジスモンダ」（1894年）や「ジョビン石鹸」（1896年）などのポスターや広告画で有名です。彼は女性像を中心にした華麗で優美な作風で、アール・ヌーヴォーの代表的な画家とされます。
ルネ・ラリック：フランスのガラス工芸家、金細工師、宝飾デザイナー。アール・ヌーヴォーとアール・デコの両時代において活躍し、「トンボの精」（1897年-1898年）、「ワシと松の木のチョーカー」（1899-1901年）などの作品が有名です。

抽象表現主義とは？

抽象表現主義とは、1940年代後半から1950年代にかけて、アメリカ合衆国のニューヨークを中心に展開された美術の動向です。具体的な対象やモチーフを描くのではなく、色や形、筆触などの抽象的な要素を用いて、画家の感情や内面を表現しようとする芸術です。
今回検証する代表的な作家のご紹介は以下の通りとなります。

ジャクソン・ポロック：アクション・ペインティングの代表格で、「ドリッピング」と呼ばれる床に敷いたキャンバスに絵具を飛ばす技法で有名です。彼の作品は、無秩序に見えながらも緻密な構成とリズムを持ち、エネルギーと情熱が溢れています。代表作は「ナンバー1」（1948年）、「ラヴェンダーミスト」（1950年）、「オータム・リズム」（1950年）などです。
マーク・ロスコ：カラー・フィールド・ペインティングの代表格で、「カラー・フィールド」と呼ばれる色面だけで構成された作品で有名です。彼の作品は、色彩や形態が単純化されているように見えながらも、色の重なりや境界のぼやけによって、深みや空間感を生み出しています。代表作は「オレンジとイエロー」（1956年）、「赤・黒・白」（1961年）、「アンタイトルド」（1969年）などです。

（Bing先生に手伝ってもらって、美術様式の説明書いたんですが、本当か？これ。と言う気持ち。参考程度でお願いします。）

まずは、基本のプロンプト

毎度お馴染み13歳の双子の女の子。隣り合って立っている。おとぎ話風の双子コーデ。双子コーデというプロンプトを思い付いたねむさん天才すぎるだろ。「art by Representing Artists」というプロンプトを変更していきます。

アール・ヌーヴォーの代表的なアーティスト（抽象度高めに）

「Art by leading Art Nouveau artists」に変更。差異がわかりやすいよう同シードとしました。要素と服装なんかに影響出てますね。

アルフォンス・ミュシャ先生、ルネ・ラリック先生単体

アルフォンス先生は、要素、服装、若干色にも変化が出てますね。（アルフォンス先生は一人の女性指定の時はより強く影響が出ます。）

ルネ先生ーーっ、双子をひとりにしないでください！
ルネ先生は色（青に寄る）とドレスの質感（裾をよく見ていただくと、透明などこかガラスを思わせるような不思議な質感が追加されているかと思います）に影響が見て取れるかと。また、背景にオブジェクトを出す指定をした際に「やや幾何学的でホワイトよりの透明感のある装飾物」が出ることがあるように思いました。

お二人のコラボレーション

アルフォンス先生が「これ…発注書に双子の少女って書いてない？」って、多分そう。二人の影響がいい塩梅に混ざり合っているように見えます。双子の年齢が上がっているような気がする。

続いて、抽象表現主義の皆さんです！

「Art by leading Abstract expressionism artists」の「Abstract」にのみ反応したんじゃ？とか思った。「基本のプロンプト（同シード）」と見比べると、服装と背景に変化がありますね。人物の髪色にもやや変化があります。現代っぽくなったといえばなったような気がする。

ポロック先生、ロスコ先生単体

抽象表現主義におけるポロック先生の影響力の大きさを画像生成AIで感じることになるとは…！

さて、ここまで来て私がなぜ著作権が切れていない作家の名前をプロンプトに入れる検証をしたのかがお分かりになるかと思います。そうです、作風と類似性があるのか判断が難しい、しかし生成される画像には影響を及ぼす作家名のプロンプト使用における線引きという問いを持ったからです。これ本当どう判断したらいいんだ…？（独り言です）
ロスコ先生はこうです。……わかるっ！なんとなくどの要素がどんな感じに影響しているのか、元プロンプトの同シード画像を知ってる人はわかる！本当？ちゃんとAI先生、ロスコ先生のこと勉強した？してるよね？信じてるぞ！！