アニメ「HIGHSPEED Étoeile」視聴日記① 意味不明すぎる・・・・・・
はじめに
意味分からんこのアニメ……。
自分個人の考えとして、意味の分からないアニメというのは何タイプか存在する。特に多いのは「とにかく設定が煩雑で理解が追いつかないもの」「結局何がしたいのか徹頭徹尾わからないもの」。大体の意味不作品はこの二つで分別可能だと思う。
ただ、この作品はどちらでもない。あえて言うなら「なぜそんな手段に走ったのか理解に苦しむもの」である。やりたいことは分かるのに、明後日の方へかっとばし続けるため胃痛がしてくる。
自分は本作の1話をだいぶ遅くまで起きてリアタイしたのだが、その意味不ぶりに打ちのめされ、6月に至るまで2話以降を視聴できていなかった。そして、視聴を再開したはいいものの、その意味不さに再び折れかけている。このままではワケが分からないまま視聴を断念しかねない。本記事は、アニメ「HIGHSPEED Étoeile」をなんとか最終回まで視聴したい筆者の視聴日記になる。取り留めのない内容になると思われるため、最後まで視聴した暁には改めて感想記事を書きたい。
なお、筆者は現時点で第7話まで視聴済。今回は1~2話をメインで取り上げていく。
第1話 富士の空の下で
本作のテーマについて
本作のテーマ、というか見せたいものは、先頭の景色を目指して奮闘する人々のドラマだろうと思う。ベッタベタではあるが、決して悪くはない王道の路線だと言える。それを踏まえて、この回がどういう役割を持っているのかという話をしたい。
レースしかしてない
はっきり言って、この回は見る意味がない。
いや、まだ全話視聴したわけでもないのにこういうことを言ってしまうのは気が引けるのだけど……。でも多分本当に見る意味がない。この回に意味を持たせることができるものなら持たせてみろ、と思う。それくらいエピソードに役割を感じない。
このエピソードは1話としての役割を果たしていない。軽い世界観の解説を挟んだのち、あとはレースレースレース。確認してみたところ、22分程度ある本編の内15分はレースかコース解説だった。
もちろん、レースアニメなのでレースをするのは当然のことと思う。でも今そんなに長尺でやる必要あるか?? もっと、こう、メインキャラの顔見せとか、作品の課題を明示するとか、色々あるだろ! 一応、文字通りの「顔見せ」程度で各キャラが映ってはいるが、なんら印象に残らない。というか、「顔見せ」が目的なら主人公が映ってないのはやばい(これについては後ほど)。
一応、重要人物のロレンツォ・M・サルヴァトーレとアリス・サマーウッドを印象付けることには成功している。この二人は本作において越えるべき壁の役割を持つため、そのアピールにはなっている……のか? じゃあ3,4話でこいつらフィーチャーしてるの尺の無駄だろ!
主人公がほとんど映らない
主人公・輪堂凛がラスト数分しか映らない。レースシーンには凛が出てこず、レース終了後にチラっと登場する。
これ自体が悪いこととは思っていない。主人公なんてこの後いくらでも活躍できるのだから。問題は、その数分ですら凛に関するまともな描写がなかった点である。
セリフや動きが少なすぎて、凛の人格がほとんど分からない。また、レースの世界に足を踏み入れた理由・彼女の持つレースへの適性など、視聴者を引っ張ろうといった内容が示唆されることもない(この辺りは2話である程度描写されるのだが、手遅れであると言わざるを得ない)。「この子が主人公です! 乞うご期待!」だけ言われた状態で、具体的な見どころを教えてもらえない。こっちだって期待できる要素があれば期待するのだから、何か一つ芸を見せて欲しかったというのが正直なところ。
面白い・つまらないで語るのが不可能
こんな調子なので、この回から本作の善し悪しを推し測るのはほぼ不可能だと言える。22分かけてティザーPVを見せられたようなもので、文脈もクソもない。ただただ意味不明。人生初の1話切りが頭をよぎった。今回の記事を書くにあたり一応見返したけど、やっぱ意味は分からんままだった。
第2話 デビュー!
またレース
なんとこの回、最初から最後までレースしている。もういいって。頼むからそろそろキャラの掛け合い見せてくれ……!
一応、凛・浅河カナタ・小町永遠の三者がスクールの同期であり、仲良しトリオであることを御説明いただけたりはする。こいつらが同期の仲良し連中なことを認識できるシーンが5話あたりまで一切ないので、本当に御説明いただいただけである。
この三人のスクール時代とか、普段のやりとりとか、序盤はその辺りに尺を割いてほしいものだが……。なぜそんなにレースしたいのか。
レースと作劇の相性、悪くない?
この辺りで「レースシーンって作劇上は不都合しかなくないか?」という作品全否定の疑問が浮かび始める。
まず、レース中は基本的に会話がない。車内は密室状態であり、レーサー同士が会話するようなことはまったく起こらない。独り言がメインになるため、似たようなセリフばかりになってしまう。こうした問題を解消するのが解説・実況のキャラだが、ここで本作の人物設定が大事故を巻き起こす。
凛・カナタ・永遠のメイン3人はルーキーであり、基本的に順位も低い。実況・解説は下位より上位に注目するため、メインよりもライバル枠の方が遥かに目立つという怪奇現象が起こる。レースシーンではロレンツォ・アリス・リチャード・悠然(ヨウラン)の4人が異常に目立ち、主役を食っている。
もっとも、レース以外のシーンに尺が割かれていればこうはならない。やたらレースをやってる意味不明な構成に上記の事故が重なった結果、悲惨なことになっている。どうしてもこういう見せ方をするのなら、メイン3人の中に最初から上位を争えるキャラが居るべきだったと思う。凛はまだセリフも多めだしちゃんと目立っているのだが、カナタ・永遠が空気になっている。
面白い・つまらないで語るのが不可能2
最初の2話で意味不な回を連打することあるか?
1~2話の約45分間で、レースしてなかった時間は10分あるかどうか。その10分も世界観の解説だったり毒にも薬にもならぬ会話だったり、とにかく前提不足。
「つまらない」というのは、ある程度の前提があって湧き出てくる感情だと自分は思う。空をぼうっと眺めるのがつまらなくないように、ハイスピ1~2話も決してつまらなくはない。ただ、面白いものではないこともまた断言できる。この1~2話は異常である。
最後に
徹頭徹尾貶してばかりで少し申し訳ない。でも、いっぺんこのアニメの2話まで見て欲しい。自分の言っていることがきっと分かってもらえる。
最初に、自分はこのアニメを「なぜそんな手段に走ったのか理解に苦しむ」と言った。その9割はこの序盤に詰まっている。
本作が見せたいものは、一貫して「レーサーの努力」であると言える。メカニックや監督の描写もなくはないが、基本的にはレーサーを中心に作劇が回る。だったら、見せるべきは本番のレースだけではないはずだ。日々のトレーニングや仲間との切磋琢磨、個々人の葛藤やコンプレックス……。これらの前提が揃うことで、レースシーンにもより深みが出るはず。これらを全スキップしてレース回2連打というのは、悪手としか言いようがない。
……とりあえず、また気が向いたら3,4話の視聴日記を書く。3,4話は、なんとレースシーンがほとんどない。まあ、だからといってここから面白くなるわけでもないんだけど……。 ではまた次回。
サムネイル:「HIGHSPEED Étoeile」公式サイトより
https://highspeed-etoile.com/story/01.html
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