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COVID-19(新型コロナウイルス)の胸部CTの特徴

これから日本で感染拡大が懸念される中、臨床の現場で胸部CT撮影をされた際の参考になるかと思い、まとめてみました。(Radiology p200236)
【患者背景】37ー65歳の21人(男性13人、女性8人(糖尿病3人、高血圧3人を含む))
【初期症状】咳が48%、痰が15%、喉の痛みは10%、胸痛5%、呼吸困難感0%
【撮影・採血時期】症状が出てから中央値3日目(範囲: 1ー7日)に撮影。血液検査結果は白血球は正常範囲内(好中球:正常、リンパ球:正常)。
【胸部CT画像の特徴】
陰影の左右差、肺葉の差なし。
すべての患者さんの両側肺野末梢に「すりガラス陰影(n=18, 86%)と塊の陰影(consolidation)(n=13, 62%)」を認めたが、「胸水、心嚢水、縦隔・肺門リンパ節腫脹、空洞形成、胸膜直下の病変欠如」は認めなかった。陰影の50%以上がすりガラス陰影だった人は11人だった。
すりガラス陰影はCTでは見つかりますが、胸部レントゲン写真では見つからないこともあります。
【初期患者に対する今後の対応】
咳が特徴(初期はこれが主な症状)。
血液検査はあまり参考にならない。
コロナウイルスの検査ができない現状では重症例を見抜くには、胸部CT撮影が有用。

https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/ryct.2020200034

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