劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス

ラティアスかわいいよ~~

ラティアス

てか妹なのにお前のほうがタイトルで兄より先に来るのかよ! と思ったけど、図鑑番号はラティアスが先なのね。知らんかった。


予告編が見つからなかったので、Amazon Primeのページから見てね


おしゃれな映画。

特に音楽がとっても素敵ですね。なかでも序盤から中盤までの音楽はポケモン映画らしくない曲調で、とても良さがあった。レイトンシリーズのBGMが好きな人は特に気に入るんじゃないかと。

もうとにかくおしゃれ、哀愁がある。

基本的にはポケモンやプリキュアとかの児童向けアニメ映画の音楽はわかりやすいものが多いと思っていたけれど、この作品は攻めていた。調べたら音楽はアコーディオニスト(coba)とBOOMのボーカルでした、攻めすぎ。

エンディングなんて完全に大人向けやろがい!(いい意味で)


ストーリーは大きなひねりは無いけれど、テンポよくダレなく進んでいった感じ。観ているときは変に深く感じ入るところもなく、良い音楽と映像に合わせて素直にストーリーを楽しめていた。

映像はけっこういろんなものを使っていました。冒頭は絵本風の語りから入るが、このおはなしのシーンも凄くよい。サトシが水の都を走り回るシーンも、カメラが一人称でぐるぐる動いていくので、自分も迷い込んだ感覚を味わえる(ベネチアまた行きたくなったし、ARIAを観たくなったくらい)。

進行は派手さもないが完全な谷みたいな時間もないので、約70分いい気持ちで観れた。

ラストの人々が朝を迎える描写もいい。裏で勇者と悪役がバトルをし、護り神がすべて収めても、人々は何も知ることなく平然と朝を迎える。勇者譚として美しいと思う。


そしてラティアスかわいいよ~~ 人の姿でもポケモンの姿でもかわいいよ~~ 

細かい仕草がかわいい! 鳴き声もかわいい! ところどころ頬を赤らめるポケモンってなんじゃ! 惚れてまうやろ!!

アニポケ史上最もかわいいヒロインなのではないだろうか。少年のころに観ていたら性癖が歪んでいたんじゃないだろうか。


総じて、いい映画だった。これは人が勧めるのも納得できるし、大人でも楽しめる。観たことない人にも素直に勧められるし(ちょっと薄味かもしれないけど)、昔に観た人はもう一回軽く流し見くらいの気持ちで再視聴するのもよいかも。

あとラティアスはほんとかわいいので、それを観るためでもいいと思います! 

ラティアスかわいいよ~~~~






……ただ、観終わってからストーリーをもう一回考え直してみると、思ったよりも考えさせられる部分が出てきた。


今回、悪党側のけっこう軽率な思念と行動のせいで命が失われてるんですよね。

今回の悪役である怪盗姉妹は、崇高な思想や正義があるわけではない。

「美しいものがほしかった」

「そこにあるから、できるとわかるからやってみた」

「"なんとなく"世界がほしかった」

みたいな考えで兵器を動かし、結果的に生き物の命が失われている。

このへん、よく考えたらちょっともやもやっとした。

もっと罰せられるべきなのか、とも思ったけど、そこまでの重大犯でもないし気持ちが邪悪ってわけではない(悪い心を持った判定はされたけど)。

だけど命が失われた以上、逮捕以上の責任を取れ! と創作物に対する勝手な論理(=信賞必罰)で考えると思いたくなってしまった。



けれどなぁ、世の中こういうものなんだよなぁ、とも思う。

やった側の思想の重さとかに関係なく、事態というものは悪くなる時は悪くなる。「こんなつもりじゃなかったのに」とか、往々にしてよくある。

そう思うと、ラティアス・ラティオスが登場するポケモン第三世代は、グラードンやカイオーガによって世界がおかしくなるストーリーだった(ひでり状態になった世界は怖かった)。悪党側の幹部もうろたえるほどには世界が巻き込まれた。

大きなものの怒りに触れることの怖さ、力を持つものに手を出すことの恐ろしさを、この時代のポケモンは伝えたかったのかもしれない。

金銀までのポケモンは無邪気に集めていくような、いうなれば昆虫集めみたいな感覚、ペットみたいな身近な感覚だった気がする。

でもルビーサファイアからは、身近ではないポケモンや、神羅万象を司る神に近いようなポケモンも増えてきた印象がある。



しかし、ポケモン、プリキュア、クレヨンしんちゃん、セーラームーンと児童がメインターゲット(だと思われる)の映画作品をいろいろ見ているけれど、どれも重きを置く部分が違っている感じがして面白い。

まだ観た本数も少ないし頭もまとまってないけれど、ポケモンは今のところ神的なもののイメージが強い気がする。映画の題材になるのが伝説ポケモンだから、そうならざるをえないのかもしれないけれど。

児童向け作品は、「伝わるように作る創作」としてはお手本にすべきだと思う節があるので、今後も造詣を深めていきたいところですね。

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