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振り返り18 便秘症は訪問看護の導入のしどころ?

訪問看護の導入の目安は案外難しい。
分かりやすいのは①内服管理②疾病管理に在宅での専門職の目や手や知識が必要なときに導入するということ。
心不全や褥瘡、医療処置として尿カテや胃瘻を使っているというのはそういう状況として想像しやすい

じゃあ便秘での訪問看護導入ってどうですかね?


症例:90歳男性 便秘症

最近パーキンソニズムが出現してきてMRIからは進行性核上性麻痺が疑われている方。ながらく便秘症で酸化マグネシウムとセンノシドを使用しているもののコントロールはいまいちだった。

ADLは自立で屋内は杖歩行、認知機能は比較的保たれている要支援1だがパーキンソニズムでの歩行障害から早晩ADLは落ちてくるんじゃないかなと予想された。難聴が強く外来での問診はかなり時間を要する。

便秘症に対してアミティーザを追加したところ、これが効果あり、ただ下痢気味になってしまった。少量を頓用で使用するようにと伝えたが、うまく自己調整ができずにいるようだった。

定期受診時に、うまく調整できておらずたまに自分で硬い便をかきだす必要があるとおっしゃられた。

この症例での問題点は?


年齢にしては認知機能は保てているが、難聴もあって便秘の頻度や便性状などがいまいち本人の話からだと分からない。


便秘症にたいして、薬を変えて試すのもいいんだけど、そもそもちゃんと指示した量を内服できているのか不明。

現状使用している薬で調整すればうまくいきそうだけど、自己調整は難易度が高いようだ。

そもそも自己で摘便しないといけない状況というのは、摘便・浣腸などの医療処置の適正な実施が必要だ


と、この黒字で示したあたりは訪問看護の導入をすると解決しそうですよね


訪問看護の導入の目安は?

ということで、私見ですが訪問看護の導入目安は

  1. 症状の正しい情報が必要なとき(僕の上級医はこれをSOAPのSの部分が不透明なときと言っていました。家庭の情報なんかもここに含まれます)

  2. 内服管理にサポートが必要なとき(カレンダー配薬など)

  3. 内服の調整が必要かどうかの客観的な情報が必要なとき(便秘症なら内服の調整まで訪問看護が実施可能である)

  4. 医療的処置が必要なとき


とすると少しすっきりするかなと思いました。



この症例では訪問看護導入に区変が必要か、進行性核上性麻痺として医療保険で導入するかなんてところも考えるところではありますかね。

訪問看護の底力をまだまだ活かしきれていないなと日々反省しております。
それではまた。

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