ブレスト(20/21リーグアン紹介)

久し振りのNoteの更新です。リーグアンはPSG・マルセイユ・リヨンなどのビッグクラブは欧州サッカー名鑑でも詳しく紹介されています。ですが、それ以外のクラブとなると、情報を収集するのは大変です。という訳で、私なりのチーム紹介を作って、シェアできればと思っています。まずは先日PSGと対戦したばかり(で資料ができたてほやほや)のブレストです。

どこにある?

ブレストはフランスの北西、ブルターニュ半島の突端の街です。パリからはTGVでも4時間30分近くかかります。港町ですが、こちらは「軍港都市」というイメージ。日本で言うと横須賀に近いかも知れません(ちなみに横須賀とは友好都市関係です)。大西洋に面し、歴史上軍事的な要衝として知られています。もう一つ有名なのはパリ・ブレスト・パリランドヌールという自転車レース(往復1,200km!)です。輪っかの形をしたリングシューのことをフランスでは「パリ・ブレスト」と呼びますが、この大会を記念して、自転車の車輪を模ったシューでお菓子を作ったのが始まりとされています。

どんなチーム?

正式名称は「Stade Brestois 29」。エンブレムにも「SB29」と書かれています。どうしても気になるのが「29」という数字。「創立の年かな?」と調べてみましたが、創立は1903年、現在の名前に変わったのも1950年なので、いずれも該当しません。そしてようやく行き着いた答えが…
「県の番号」
でした。ブレストのあるフィニステール県(フランス北西端の県)の番号が29なのです。ちなみに、フィニステール県は漁業も盛んで、フランス国内分の1/3をまかなう量なのだそう。ちなみに、ブレストの正守護神のラルソヌールは漁師の家に生まれたバリバリの地元っ子です。軍港都市のチームなので、愛称は「パイレーツ」。マスコットも海賊の姿をしています。
OBで一番有名なのはフランク・リベリーでしょうか。2003-04に在籍しています。彼がマルセイユからバイエルンに羽ばたくよりも前のお話です。
10/11から3年間リーグアンに在籍していましたが、その後はリーグ・ドゥに降格。一昨季にドゥで2位に入り昇格し、昨年は見事に残留しました。

監督 オリヴィエ・ダログリオ(Olivier Dall'Oglio)
1964/5/16 フランス DF
アレス~ストラスブール~ペルビニャン~レンヌ。最後のレンヌで1部を経験していますが、現役時代は主に2部でプレーしました。引退後、アレス(07-08)ディジョン(12-18)監督を経て、2019年に就任しています。ディジョン時代には16/17に2部から1部への昇格を果たし、翌17/18シーズンにはリーグアンの最優秀監督賞も受賞。優しそうなおじさんの見た目ですが、フランスでも有能な監督の一人。ディジョンでもブレストでも、決して層は厚くない選手層ながら能動的なポゼッションサッカーを志向し、若手選手を伸ばしながら1部で真向勝負をしています。

主な選手紹介

画像1

GK 1 ゴティエ・ラルソヌール(Gautier Larsonneur)
1997/2/23 181/70 フランスU-21代表
11歳の時に加入した地元っ子の生え抜き。U-21代表ではベルナルドニ(アンジェ)の控え。上背はないが、抜群の敏捷性と跳躍力でビッグセーブを連発する反射神経型。足下も得意で、ビルドアップにも自然に参加する。

DF 2 ジャン=ケヴィン・デュヴェルヌ(Jean-Kévin Duverne)
1997/7/12 184/71 フランス/ハイチ
CB/右SB。今季はキャプテンを任されるなど、守備の要。クサビを潰すプレーが得意で、器用な足技も備える。対角線への右足フィードで起点も作る。
上背は十分ではないが、跳躍力があるタイプ。

DF 5 ブレンダン・シャルドネ(Brendan Chardonnet)
1994/12/22 181/74 フランス (期付)
CB。ユース出身の生え抜き。地道にキャリアを積んだが、今季覚醒。ダログリオ監督が「武器と欠点を自覚した」と評価。ショートパスでのビルドアップが得意で、球際の寄せも激しい。空中戦は落下点の予測で勝負。

MF 7 アリス・ベルケブラ(Haris Belkebla)
1994/1/28 177/68 アルジェリア代表 
セントラルMF。中盤の掃除屋。カウンターを防ぐ危機察知能力に長け、二度追いができるプレスでボールを奪い返す。パスワークは堅実。

MF 8 ポール・ラーヌ(Paul Lasne)
1989/1/16 186/77 フランス 
モンペリエの中盤で活躍したベテラン。左足のプレースキッカーで、正確な左足キックをロングパスの展開にも生かせるレジスタ。最近は右足を使うプレーも増えた。SBやSHにも対応可能。

FW 9 フランク・オノラ(Franck Honorat)
1996/8/11 180/70 フランス 
右ウイング。ニースのアカデミー出身。昨季はサンテティエンヌでプレー。スピード豊かな持ち上がりと、爽快かつ正確な右足ミドルシュートが最大の武器。右足キッカー。今季クラブ史上最高額タイの500万€の移籍金で加入。

FW 10 ガエタン・シャルボニエ(Gaëtan Charbonnier)
1988/12/27 188/80 フランス 
CF。一昨季のリーグドゥ得点王・MVP(37/27)。サイズがあり基準点を作れるターゲットだが、実は裏抜けや繊細な足技を持ち合わせ、最近はセカンドトップとして機能する新たな顔を見せる。

MF 11 クリスティアン・バットッキオ(Cristian Battocchio)
1992/2/10 169/64 元イタリアU-21代表/アルゼンチン 
セントラルMF。小兵ならではの機動性を攻守で発揮する。守備ではプレスのスイッチ役として働き、攻撃では技術とすばしっこさで狭い局面を打開。アルゼンチン生まれでセリエでもプレー。

FW 12 ロマン・フィリポトー(Romain Philippoteaux)
1988/3/2 170/66 フランス
左ウイング。同じく小兵だが、こちらは足技や連携で崩すタイプ。左サイドからのワンツー、細かいステップでの抜け出しで切り裂くプレーが得意。

FW 14 イルヴァン・カルドナ(Irvin Cardona)
1997/8/8 185/76 フランス/マルタ
CF。フィニッシュパターンが多彩な万能型。裏抜けからの右足シュートや、クロスに点で合わせるシュートも得意。運動量が豊富で流動性をもたらす。モナコのアカデミー育ち。

FW 15 スティーヴ・ムニエ(Steve Mounié)
1994/9/29 190/83 ベナン代表
CF。プレミア(ハダーズフィールド)を1年経験したハイターゲット。巨体とフィジカルの強さでボールを収め、強烈なヘディングシュートを見舞う。今季クラブ史上最高額の500万€の移籍金で加入。

DF 18 ロマン・ペロー(Romain Perraud)
1997/9/22 173/68 元フランスU-20代表
左SB。左足クロスでアシストを量産する攻撃型。パンチ力があり、アーリークロスの精度も高い。勢いある駆け上がりも武器。無回転ショットもある。昨季200万€の移籍金で加入した。ニースのアカデミー出身。

DF 20 ロナエル・ピエール=ガブリエル( Ronaël Pierre-Gabriel)
1998/6/13 177/76 フランスU-21代表
右SB。強靭なフィジカルを生かした守備の強さ、スピードと縦への推進力が武器。力強いランでタッチライン際を駆け上がるだけでなく、内側のレーンでパスワークにも絡める。マインツからのローン。

MF 21 ロマン・フェーヴル(Romain Faivre)
1998/7/14 180/75 フランスU-21代表/アルジェリア
セントラルMF。モナコBから加入1年目でエースに急成長した有望株。ピンポイントで合わせる左足キック、飛び込みづらいドリブルの推進力、周囲の状況把握力に優れる。7節ナント戦では直接FKを決めた。PSGも注目。

DF 23 クリストフ・エレル(Christophe Hérelle)
1992/8/22 188/75 フランス/マルティニーク
相手に高さがある時はスタメン起用される。大柄だが読みも鋭く初動も速いためカバーリングも可能。現在は控えが多いが、ニースのCBだった実力者。

FW 26 ジェレミ・ル=ドゥアロン(Jérémy Le Douaron)
1998/4/21 189/77 フランス
CF。3部のブリオシャンで3年間プレーした後、今季引き抜かれた。動き出しとコース取りに優れ、スペースへの飛び出しからチャンスを作る。上背はあるがターゲット型ではなく、決定力にも課題。

MF 28 イアンガー・ムボック(Hianga'a M'bock)
1999/12/28 186/82 フランス/カメルーン
セントラルMF。懐の深さを生かしたボールキープが持ち味で、CKではターゲットにもなる。守備ではリーチの長さを生かしたボール奪取が武器。

FW 29 エリベルト・タヴァレス(Heriberto Tavares)
1997/2/19 181/74 元ポルトガルU-21代表/カーボヴェルデ
左ウイング。爆発的な加速力と緩急、キックの振り抜きの速さが武器。左利きだが、右足も十分に使える。ジョーカー役として面白い存在。

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