PFM×アドバイザー

米国での「PFM x Advisory」(PFMA)について以下のとおり俯瞰する。いわゆる富裕者向けのプライベートバンキングではなく、30~50百万円の余資を持つ資産家を顧客とするPFMAサービスを念頭に置く。

■利用データ
PFMAの基本は、資産家のリスク・リターン選好度(寛容度)の把握である。その基本は、ライフスタイル、ライフプランの把握という、ファイナンシャルプランニングの根本をしっかりと顧客との間で確認することである。最近の傾向として、生き方の原点に立ち返り「資産家(個人・夫婦)としての『幸福』は何か?人生に求めるものは何か?」の確認が行われている。これは、「人生のパーパス」の確認であり、その「パーパスにつながる資産家の生き方のバリューは何か」を問うことで、リスク・リターン寛容度をより明確にあぶりだす手法である。これは、従来の単なるライフプランニング表を作成するという定型手段を超えるPFMAのアプローチであり、注目に値する。

■アドバイス主体
データ作成にAIを活用するものの、資産家毎に違う生き方の「パーパスとバリュー」に基づいたリスク・リターン寛容度に基づいてアセット配分戦略を見直すため、アドバイザー(人)との対話に基づいた助言が必要となる。

■アドバイスの場
資産家が「パーパスとバリュー」を考える場は、個別面談だけではない。定期的にセミナー形式で生き方を考える機会を提供し情報発信を行うことが多い。感染拡大によりビデオ会議開催形式が導入されて以降、音声のみで参加する形を資産家側が選択できるようになり、セミナー会場で他人に会いたくない資産家もセミナーに前向き参加するという効果もでている。なお、セミナー後、資産家と個別にフォローすることはPFMAとしての重要な助言活動である。

■ビジネスモデル
資産家の「パーパスとバリュー」に基づく資産管理と助言は、上記のとおりテーラーメードであり、従来のフィナンシャルプランニング以上の高質なサービスの提供を行うものだ。よって、サブスクリプション的な会費(助言対象資産額の1~1.5%など)が基本となる。セミナー参加費用は徴収されない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?