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「豪商の金融史」高槻泰郎[編著]


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廣岡家文書から解き明かす金融イノベーション


初版年月日:2022/07/15

▼「あさが来た」のモデルになった豪商廣岡家。彼らが活躍した江戸時代から昭和までの波乱の歴史をたどる。
▼現代金融取引の先駆でもあった大坂豪商の様々な役割を現代的な視点と一次史料の精査によって明らかにする!

世界初の先物取引市場であった大坂堂島米市場は、その重要な役割を社会的な影響をもつ商人(=豪商)が担った。
現代の金融技術にも比するイノベーティブな手法を駆使し、大名を相手に大商いをする姿を廣岡家文書から追う。

【目次】


プロローグ──豪商の大坂 (高槻泰郎)

第1章 大坂金融市場の形成──米市場の誕生と加島屋の創業 (高槻泰郎)

第2章 堂島米市場の誕生──デリバティブ取引の活況と加久の躍進 (高槻泰郎)

第3章 大名貸の展開──豪商はいかにリスクをコントロールしたか (酒井一輔)

第4章 廣岡家の明治維新──時代の転換と豪商の危機対応 (小林延人)

第5章 昭和金融恐慌の打撃──加島銀行の終焉 (結城武延)

第6章 新しい金融事業への参入──大同生命保険会社の設立 (結城武延)

エピローグ 高槻泰郎・結城武延

索引

〔コラム〕

 
江戸幕府の経済政策と加島屋久右衛門 [高槻泰郎]
廣岡家の邸宅について [高槻泰郎]
廣岡家の暮らしを伝える生活文化財──節句飾り [服部麻衣・谷直樹]
加久と茶の湯 [倉林重幸] 
信心と経営──西本願寺の大パトロンとしての廣岡久右衛門 [芹口真結子]
廣岡浅と三井家──豪商たちの閨閥 [村和明]
日本女子大学校と三人の輪──成瀬仁蔵と土倉庄三郎と廣岡浅 [吉良芳恵]
祖父・廣岡久右衛門正直とゴルフ [岡橋清元]
廣岡家に伝わるエピソード [西野久子]

出版社より


NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」のモデルとなった「大坂」の豪商=廣岡家。 経済・金融のみならず、文化・芸術にも巨大な存在であった一族の波乱万丈な物語。
・豪商という言葉から何を連想するだろうか。巨額の資産を持ち、巨額の利益を上げた商人。おおよそ、こうしたニュアンスを連想される方が多いと思うが、本書では少しだけ異なる意味で豪商という言葉を用いたい。単純に資産が大きい、儲けているというだけではなく、社会的影響力を持っていた商家。これを本書では豪商と呼ぶ。

・姓は廣岡、屋号は加島屋久右衛門。江戸時代の大坂においては、鴻池屋善右衛門(山中家)と並ぶ豪商として知られ、江戸幕府にも一目を置かれていた家である。

廣岡家は、世界の先物市場の先駆けとも言われる堂島米市場、大名貸、銀行業、保険業と、日本の金融史を彩ってきたこれらの全てに深く関わっている。つまり、廣岡家が辿った歴史を観察することは、大坂金融市場が歩んだ歴史を観察することであり、ひいては日本金融史の核となる部分を観察することになるのである。長らく眠っていた廣岡家の史料が、この一〇年間で一気に世に出てきたことによってはじめて得られた視点である。

・廣岡家は、文字通り、波瀾万丈の歴史を乗り越えて今に至っている。そしてそれは日本の金融市場、日本の社会が乗り越えてきた波、そのものである。

(プロローグより一部抜粋)

『豪商の金融史』をより楽しむための3つのポイント

①「豪商」とは何か
◆「豪商」とは、単に金儲けに成功した商人ということではなく、社会的影響力がある者を指す。

◆彼らは幕府や宗教(西本願寺)、茶の湯などにも広く影響を及ぼした(詳細はコラムにて)。

②廣岡家の力の秘密
◆廣岡家は現代の先物取引、リレーションシップ貸出などの先駆者であった。

◆彼らはなぜ、大名への資金提供によって成功したのだろうか?

③金融史から何を学ぶか
◆江戸時代に大成功した金融ビジネスのモデルは、明治・昭和ではどうして成功しなかったのか?

◆廣岡家の歴史を知ることで、経済史、金融史の変遷がわかる!

エピソード寄稿の経緯

出版の前年、2021年8月
神戸大学経済経営研究所准教授の高槻泰郎先生
より、
「廣岡家エピソード」のコラム寄稿のお話を頂戴して
〆切ギリギリに原稿を提出。

事前にお伺いしてた文字数をオーバーしたため
「カットして頂いてOKです。取り敢えず、送ります。」
とお伝えしたところ
「これぞ、関係者しか書けない話😳 非常に面白いので、
できるだけ、分量は削らずにまとめていきたいと思います。」
とお返事頂きました。

結局、校正は高槻先生に「おんぶに抱っこ」でお任せになりましたが
約1年後の大阪くらしの今昔館の特別展 
2022年7月15日(金)〜2022年9月26日(月)
「商都大坂の豪商・加島屋 あきない町家くらし」
に合わせて出版されました。

「豪商の金融史」高槻泰郎[編著]は



『日本経済新聞』 2022年12月24日(読書面・31面)「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」の第5位に選ばれました。

『週刊ダイヤモンド』 (2022.12.24・31新年合併号)P.214~P.221にて2022年「ベスト経済書」ランキングの9位 に選んでいただきました。

印税の一部は

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阿弥陀如来像(平安末)(70秒)
西本願寺門主裏書き「方便法身像」(江戸時代)(58秒)





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