「ええギター、弾いてきました!」
「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。
「ええギター、弾いてきました!」
正しくは、「ええギター、弾かせてもらってきました!」です。
以前にも同じタイトルの記事があったと思いますが、久々の第2弾です。
東京ハンドクラフトギターフェス(5月27日)に行った翌日、東京都内某所のギタ友の御自宅にお邪魔してきました。
今回弾かせてもらったギターは
Martin D-28 1951、Martin D-18 1951、Martin D-21 1957、
Santa Cruz H-BR 1987、GREVEN D-White Lady BR 1977の5本。
それぞれが「そんじょそこらにはない、凄いギター」達でした。サウンドが凄いのは当然のことながら、セットアップがもう完璧!と言ってももよいぐらいバッチリ調整されたギターばかりでした。何度も同じことを言って申し訳ないんですが「ビシッと調整されたギターは、ぜんぜん違うな。」とあらためて実感しました。
まずはMartin D-28 1951
1969年以前のD-28に関しては、戦前モノを含め今まで相当数弾いてきました。その中で、ノンスキャロップのD-28の中では間違いなく最高のギターです。芯の太さがあり、低音から中音、高音まで、本当に見事なバランスで鳴っていました。1弦から6弦まで、各弦がそれぞれの存在をしっかりアピールしてくる。そんな感じがしました。ほしい音が「これ以上はない!」と思わせるぐらい。ええ塩梅で出てきます。あと、弦そのものの鳴りを全く感じさせず、まさに「これが木の音や!」という鳴りです。良い音のポイントとなる条件のすべてが、非常に高い次元でバランスよくまとまっていると言えるギターです。
2本目はMartin D-18 1951
このD-18、ホンマに凄いです。D-18もD-28ほどではありませんが、戦前物を含めそこそこの数を弾いた経験があります。その中でもこのD-18は別モノです。芯の太さがぜんぜん違う!おまけにバランスも良く、ソロで弾いてもコードストロークをしてもメッチャ気持ちええ~!D-18はサイド・バックがマホガニーということもあり、どうしてもD-28と比べると全体的に「線が細いな。」と感じてしまうものです。(その分明るく軽やかな感じがして、ヌケも良いのですが・・・。)そういう意味で、ぜんぜんD-18らしくないギターです。音の芯がぶっとい!言い方は変かもしれませんが、D-18の突然変異という表現をしてもおかしくないギターです。
3本目はMartin D-21 1957
D-21も魅力のあるギターです。個人的にはD-28とD-18、両方の良いところを持っているギターではないか?という評価をしています。(視点を変えて見れば、中途半端とも言えますが。)市場の評価は、どちらかと言えばよくない方だったのでしょう。比較的短命でした。
個人的には大好きなので、「良い個体にめぐり合えたら、いつかは買ってやろう。」心の中でずっとそう思っていたモデルです。残念ながら生産本数が少なく、過去に「これはっ!」と思える個体には出会えませんでした。
このD-21は、今まで弾いた中では最高でした。先の2本(Martin D-28 1951、Martin D-18)が凄すぎたためにそれほど驚きませんでしたが、この1本しか弾かなかったら「すげー、このギターすげー!」とか言っていたでしょう。Martin D-28 1951、Martin D-18のサウンドがまとまり過ぎていて、その2本と比べるとほんの少しですが「ヤンチャな感じ。」がしました。
4本目はSanta Cruz H-BR 1987
前の3本がとんでもなく良かったんで、それと比べるとどうかな~?正直そう思いながら弾きました。いやいや、びっくりしました。ほとんど負けてないと言っても過言ではありません。ええ音してました!!Martinの鳴り方とは違う鳴り方(クリスタルクリアートーンという表現がよく使われています。)で、ホンマに無駄な音がきれいにそぎ落とされている感じです。正面から見た大きさはMartinのOOサイズですが、厚さはドレッドノートぐらいあります。その分低音もしっかりと出ていて、全体のバランスもグッド。自分の中でも1980年代のSanta Cruzの評価は高いのですが、それを差し引いてもええギターです。
最後(5本目)はGREVEN D-White Lady BR 1977
持った時の第一印象は「ゴッツい!!」でした。トップ、サイド・バック、ネックまで、とにかくとにかくゴツイ!板の厚みが半端ではなく、重い。普通なら間違いなく「鳴らない。」と予想してしまうのですが、見事にその予想は外れます。音の芯が太く、おまけににヌケが凄い!まあビックリしました。同じ年代のMartinと比べても、まったく比べものににならないほど音のヌケが良いです。板の厚みもそうですが、自分のアコギに対する概念が変わってしまうと言ってもよいぐらいの鳴りでした。
弾かせてもらったギター、すべてが"凄いギター"ばかりでした。(同じモデルで、これ以上を探すのは難しい!と言ってもよいぐらいです。)何よりも印象強かったのは、それぞれのセットアップがバッチリだったことです。弾きやすさはもちろんのこと、ピッチもバランスも文句なしでした。このようなギターを弾くと、リペアや調整がサウンドやプレイヤビリティのためにいかに大切な要素であるかがよくわかります。(当然サウンドにも大きく影響しているはずです。)そのことを再認識した1日でした。
拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。(と言いながら、今回は文章少な目でした。写真は多かったですけど)皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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