「Bubble Rise」から見上げる「Sing!Shine!Smile!」
「トマカノーテ」を経て
どうもこんにちは、2期の亡霊です。
いつまで2期の話をするんだと思われるかもしれませんが、今回はマルガレーテの「立つ位置」や「Sing!Shine!Smile!」から、今のマルガレーテに切り込んで行こうと思います。
早いもので3期も2話まで進んでしまいました。今のところ心情が細やかなセリフで表現されていてとても分かりやすいなと感じていると同時に、ライバルであった、と同時に現在進行形でLiella!のライバルであるマルガレーテが鮮やかに描かれてるなと思います。
さて、そんな彼女でありますが明確に「立つ位置」が変わったなと思います。
マルガレーテの「立つ位置」
では早速2期を振り返りましょう。
2話の顔見せを経て、本格的に動き出す3話の「澁谷かのん!」のシーンですね。滑り台の上に立つ謎の少女としての登場です。続く代々木スクールアイドルフェスにおいても、高所から堂々と舞い降りる姿からは歌憐さと苛烈さを見せつけられますね。
そうしてLiella!に勝利を果たしたマルガレーテはかのんとの対話シーンにおいてもやはり高所から見下ろす姿勢を崩しません。
まあそんなところから「マルガレーテは高いところが好き」などと冗談でよく言われていましたが、これは当時のかのんやLiella!から見たマルガレーテという少女の超えるべき壁としての高さ、強力なライバルという性質を表現しています。
初戦において敗北を喫したLiella!はマルガレーテに勝利を目指すチャレンジャーなのです。
対する3期のマルガレーテはどうでしょうか。
1話でLiella!の8人が階段から降りてきたところに待ち構えていたマルガレーテ、進路を塞ぐように立っていることからまたしても大きな壁になるように見えて一転、低い位置にいることが分かります。
それも当然です。マルガレーテはLiella!に敗北しているのですから。今のマルガレーテは勝利に飢えるチャレンジャーです。「そっちが挑戦者だから」というわけですね。奇しくもかのんをめぐってマルガレーテに最も対抗心を燃やしている可可が一番上に立っていることも印象的です。
泡の立ち昇る水底
前項を踏まえたうえで、「Bubble Rise」の舞台を見てみましょう。
ここでも階段を背景としてその一番下に居ます。今はまだ、高評価数どころか視聴者数すら満足に稼ぐことが難しいどん底のマルガレーテ、そしてトマカノーテですが、ここから光り輝く泡として水面を、そして空を目指していくことになります。
水底、マルガレーテといえば「エーデルシュタイン」が想起されます。同じように思い浮かべた視聴者の方も多いことでしょう。
昨年の東京大会においてLiella!に敗北した蝶はあえなく水の底へ堕ちて沈んでいくことになったわけですが、ここで対となる楽曲の「Sing! Shine! Smile!」に目を向けてみましょう。
画像だと正直分かりづらいので動画で見ていただきたいです。冒頭10秒~15秒、そして26秒~28秒、中ほどの45秒〜47秒、そして終わりの1分58秒~2分08秒辺りの背景に注目してください。光の帯が煌めいていることがよくわかると思いますが、私はこれをオーロラの表現であるとしています。
次の項より、なぜそう思ったのかを話していきます。
光る太陽と煌めく極光
話は少し横道にそれますが、私は澁谷かのんというキャラクターはまさに太陽だと思います。
「みんなを元気にする笑顔」とは千砂都の言葉ですが、1期,2期を通してメンバーや学校の生徒たち、ひいては私たちファンの心を照らし続けてきた主人公ですから。
太陽は地球のあらゆるところを照らし生物を育む命の源です。かのんの掲げる夢からも、かのん≒太陽というのは明らかなことだと思います。
そんなかのんのライバルであるマルガレーテもまた、歌が大好きで自分の歌を世界に認めさせたいという野望があります。
対の関係といえる2人、かのんを太陽として描くのであれば、マルガレーテもまた太陽であるべきです。
太陽は命の源ではありますが、時として干ばつなどで命を奪う面もあります。2期におけるマルガレーテはまさにそれであり、歌を夢見た心を忘れ勝利だけを追及し、あまつさえラブライブ!やスクールアイドルを見下す姿勢としてそれは現れています。
逆に、かのんがマルガレーテの夢を意図せずとはいえ奪うことになったのも、太陽の別側面の描写であると考える事ができますね。
そして、そんなマルガレーテの最高の輝きこそが「エーデルシュタイン」になります。
さて、話はオーロラに戻りまして。オーロラとは太陽の放つエネルギー、プラズマが地球の大気にぶつかることで起こる現象です。
東京大会で両者がぶつかり合う形はつまり、マルガレーテという太陽の輝きが頂点に達したからこそ、Liella!というオーロラもそれに応えて輝きだしたという構図になるわけです。
すべてを埋め尽くす単色の光ではなく様々な色を映し出す姿は、音楽で人と人を結ぶことを掲げたLiella!に相応しいものだったのではないかと思います。
「Bubble Rise」から見上げる「Sing!Shine!Smile!」
ここでもう一度「Bubble Rise」のステージを見て見ましょう。
先ほど水底であると説明しましたが、その3人が見上げる空にはキラキラと輝くカーテン、オーロラが煌めいています。まさに「Bubble Rise」は「エーデルシュタイン」の続編、東京大会で水底へ沈んでいったマルガレーテの頭上を表現しているわけです。
正直に白状しますが、3期はセリフを多めにして言葉で心情を説明する方向に振り切ったなと思っていたのですが、「画」で見せることを決して諦めていなかったなと舌を巻いています。
これからの3期にも益々期待が持てるなと、そう思わせてくれた一曲でした。
余談として~澁谷かのんに見る高坂穂乃果~
集まらない視聴者という現実を前にして歌うことを諦めようとしたマルガレーテにかのんは「歌おう」と声をかけました。
私の初見の感想、というかこのシーンで幻視したものはラブライブ!の1期3話の高坂穂乃果でした。
例え講堂にお客さんが集まらなくても、例え目標とする高評価の数を稼げそうになくても。今日その日まで努力してきた事実は、たとえ結果を出せなくても自分には嘘を吐かない。
大好きだと思ったもの、歌を信じていればその先でもっと大きなものにつながる、かもしれない。
そういったセルフオマージュを強く感じた場面でした。
「白色のセンター」
終わりに、次回タイトルの考察を少ししておこうと思います。まあ見てもない物について話すだけなので本当に蛇足なのですけれどね。
ここまでマルガレーテを中心に3期は展開してきたので、一旦それが落ち着いた次回ではLiella!に焦点が当たることになると考えています。
Liella!のセンターは「ノンフィクション!!」などの例外はあれど基本的にはかのんが務めます。しかしかのんは新スクールアイドル部に移っており、その位置は現状空席となっています。
そうした現状こそが何色でもない、真っ白なセンターなのではないでしょうか。今の8人のLiella!が何を表現しうるのか、誰を中心としてトマカノーテのライバル足らんとするのか。そういったストーリーになるのではないかな、などと思っているところです。
まだまだ始まったばかりの3期に期待は尽きませんね。楽しみにしていきましょう。