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初めて同人誌製作をした経緯


鬼塚冬毬の辿り方

 3/31の僕ラブ41にサークル「星見ヶ丘」で、SS同人誌「青い果実」にて参加するのですが、なにせ色々と初めてなもので多くの人に助けてもらいつつどうにか漕ぎつけたという感じがします。

 僕ラブ、ラブライブ!オンリーの同人イベントの存在は昔から知っていたのですが購入側でも参加したことがなく、そもそも同人イベント自体にも文フリに2,3回行ったことがあるという程度のところから始めたので、迷子の小学生同然のぐちゃぐちゃさだったのですが、発送のご連絡を印刷所の方からいただいて胸をなでおろしました。

 さて、今回執筆したのは鬼塚冬毬を主人公として冬毬とマルガレーテがLiella!に加入するストーリーとなっています。「おいおい、勝手にそんなストーリー書いていいのか」という声が聞こえてきそうですが、いいんです。二年半も間が空いてるのが悪いんです。

 という公式へのグチはおいておいて、この話を書きたいと思ったきっかけは何といっても4thライブで披露された「Jamp Into the New Would」と「Dancing Raspberry」です

 マルガレーテはともかくとして、冬毬のキャラクターの核心はいまだに不透明なままですが、毎週のリエラジや各種雑誌での断片的な描写、それに千葉の初公演や東京の5yncri5e! editionでの坂倉花さんのパフォーマンスを見ているうちにもっと冬毬のことを好きになりたいと思い、その手掛かりとしたのが上記の2曲になります。

 Liella!の楽曲はキャラクター1人1人に寄り添い心情描写を丹念にしているものが多いと思っています。例えば「ノンフィクション!!」であれば1期10話のすみれを中心とした心情描写がなされています。

ヘイ もっと笑いたいのに もっと素直になりたいのに

ヘイ 今輝きたいのに そんな気持ちはここで最後に

ヘイ うだうだ愚痴らないで すぐ照らしてあげるから

君の手を握りしめては 決して離しはしないから

「ノンフィクション!!」より

 「笑いたい」「輝きたい」といった願望の言葉を「ここで最後に」して、センターという夢をつかみ取るというすみれの決意が描かれます。

 また、「君」がだれを指すのかは二つの可能性があり、一つはすみれを奮い立たせた可可、もう一つが過去のすみれ自身です。個人的には後者のイメージを持っていて、その根拠が直前の「うだうだ愚痴らないで」という部分です。

 先述のような願望を持っていても「どうせ最後は私じゃなくなる」と「愚痴」る後ろ向きな気持ちを持っていた過去の自分、それをステージに引っ張り上げるといった歌詞ではないかなと考えています。

 その後の他メンバーのソロパートもすみれへ向けたメッセージだと思うのですが、話が長くなるのでここでは割愛します。

 当然「Jump Into the New Would」や「Dancing Raspberry」にもキャラクターやストーリーに関する深い意味が込められていると考え、ここから3期生、特に鬼塚冬毬の姿を辿ってみようと思いました。

「Jump Into the New Would」に見る3期生の姿

 さて、話を戻してまず「Jump Into the New Would」から

飛び込め New Would

「Jump Into the New Would」より

 飛び込むという言葉はマルガレーテのセリフとして2期で既に使われています。

「飛び込んでみたら?とても大切なことよ」

ラブライブ!スーパースター!! 2期 ♯12「私を叶える物語」より

 3期生初めての楽曲であり、歌いだしがマルガレーテで続くのが冬毬なことからも強く3期生を印象付けるための楽曲なのは間違いないと思います。

Purple sky 白い羽が躍るひらりひらり

「Jump Into the New Would」より

 最初のマルガレーテパートです。

 白い羽と言って最初に私が思い浮かべるものはラブライブ!2期のエンディング「どんなときもずっと」の最後、μ'sメンバーが順につかんでいくシーンですが、ラブライブ!シリーズにおいて夢の象徴として意識して使われるキーアイテムだと思います。

 スーパースター!!においても1期1話で、かのんのリュックに空から舞い降りた羽がそっと差し込まれる演出があり、やはりシリーズ通しての象徴なのではないかと思います。

 そんな「白い羽」を冒頭からマルガレーテに歌わせることの意味は、2期においてはスクールアイドルのことを認めていなかったマルガレーテの心情の変化を表していると考えます。

もうすぐ街中が目を覚ます

「Jump Into the New Would」より

 冬毬パートではこの楽曲のイメージが夜明けであることを表現しています。夜明けはスーパースター!!においては「始まりは君の空」のMVが一番に思い出されます

 ラブライブ!シリーズの恒例行事(?)として最初の全体曲をアニメ中で歌うというものがあります。「僕らのLIVE 君とのLIFE」「君のこころは輝いてるかい?」「TOKIMEKI Runners」、いずれも然るべきタイミングで歌っています

 11人で完成(恐らくですが)したLiella!も3期で「始まりは君の空」を歌う可能性は高いと思いますし、長らく封印されていた1期アニメ曲を披露した5thにおいても歌われなかった「始まりは君の空」(と「未来予報ハレルヤ!」)は今後重要な場面で使われると思うので、その点から考えてもやはり3期で「始まりは君の空」は11人のLiella!が歌うことになると思います。

 その前段階が「Jump Into the New Would」、まだまだ先になる3期に先駆けて「始まりは君の空」をイメージさせるような歌詞を最後のメンバーである鬼塚冬毬が歌うということ、それ自体に意味があると思います。

始まれば君の空 未来への道が どこかに隠れてるかも

きっとあるよ あるんだ だから確かめに行こう

手をつないでおけば 怖くない!

「始まりは君の空」より

大切な気持ち 守りたい願いは

繋いできた ずっと離れないから

ねえ、最高に晴れ渡る空

飛び込め!New World ここからは新未来 Go!!

行こうぜ!New World 楽しんだもの勝ち Jump!!

「Jump Into the New Would」より

「つないでおけば 怖くない」、「繋いできた」「楽しんだもの勝ち」と、成長してきたLiella!が感じられます。澁谷かのんに始まり鬼塚冬毬まで繋がってきた11人の姿がここに表現されているのではないでしょうか

 少し脱線しましたが3期生のソロパートに戻ります。

今日は予定調和壊す 煌めきの武器になる

「Jump Into the New Would」より

 この歌詞にどのような意味が込められているのかは、正直なところ分かりません。より正確にいうのであれば語っても推測や妄想の類にしかならないと思うのですが、その詳細な内容についてはSSで書かせていただいていますが、ざっくりとこちらでも私の考えとして書きたいと思います。

 「予定調和」とは一体何のことを指しているのか。私はそれをラブライブ!連続優勝が今までいない事、つまり「ラブライブ!の連続優勝が不可能という事」と考えます。

 3期のテーマの一つがLiella!によるラブライブ連続優勝であることは疑いようがないことです。

二度目の奇跡 起こすって決めたんだ
信じてもっと!

「Second Sparkle」より

 マルガレーテの歌の実力は折り紙付きです。どのような経緯でLiella!に加入することになるのかは分かりませんが、その存在が連続優勝の大望を叶えるにあたって大きな武器になるという表現ではないでしょうか。

 さて、最初に(マルガレーテではなく)鬼塚冬毬を主人公にしたと書きましたが、その最大の理由についてです。

夢叶える最初の一歩は
自分愛せること!

「Jump Into the New Would」より

 前半はマルガレーテパート、後半は冬毬パートになります。この歌詞を逆に捉えるならば「夢が叶わなかったのは、自分を愛していなかったから」になります。

 マルガレーテは2期にてLiella!に敗北、結果ウィーンの音楽学校に入学するという夢が叶いませんでした。その勝利至上主義な態度は強くかのんに批判されています。

「それは本当の歌じゃない」

ラブライブ!スーパースター!! 2期 ♯10「渋谷に響く歌」より

 このあたりの詳細な考察は以前投稿した2期考察で書いています。かのんがマルガレーテの歌を批判した理由はマルガレーテが勝つための歌を歌っていて、楽しく歌うことを忘れてしまっていたからでした。

 自分の歌、自分自身を愛せていないマルガレーテの夢が叶わなかったのと同じように、何かしらの理由で冬毬も自分を愛せず夢が叶わないストーリーが構成されると考え、その筋でシナリオを構成していきました。

 根拠というほど強いものではありませんが、この後の歌詞に次のようなものがあります。

ネガティブもポジティブに

「Jump Into the New Would」より

 このパートは鬼塚姉妹のものとなります。冬毬のストーリーが展開していくにあたって、当然姉の夏美の行動もまた焦点となることは間違いないでしょう。何が「ネガティブ」でどのようにそれが「ポジティブ」に変わっていくのか、それを自分のSSで書かせていただきましたし、実際の3期でも注目どころではないかなと思います。

 これも以前の2期考察記事で書いていますが、

  • 1期生は能力はありつつも発揮できていない状態

  • 2期生は憧れて始めた経験がない真っ白の状態

からスクールアイドルを始めています。
 1期生は傷はあるもののプラスの状態、2期生が0の状態から始めたとするならば、3期生はマイナスからのスタートとすると構成はとても綺麗になります

 まあ昨今の「オタクに人気の出るストーリー」にそれがあっているかどうかは別にして、と2期の世間的評価も踏まえて個人的に付け加えておきますが。

 閑話休題。3期生の2人が非常に強い結束力を持っていることも各所に紹介されています。もちろん1期生や2期生にも学年内結束力はあるのでしょうが、ここまで強調して書かれているのは珍しいなと感じています。3/28発売のLiella! Kila² Life Comic4でも冬毬が「唯一の同期」として強くマルガレーテに好感を持っていることが描かれていました。

 もちろん関係性に甲乙はないとは思いますが、共にマイナスから脱却したというストーリーがあるのであれば、殊更強く「結束力」を売りにする裏付けになるかな、などと妄想しています。

 そんなふうに「自分愛せること!」という歌詞を重く見た結果、それを歌う冬毬を主人公とするに至りました。

踏みしめて蹴飛ばして

「Jump Into the New Would」より

 最後に、こちらはかのんとマルガレーテパートです。伊達さゆりと結那の蹴りをよく覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 かのんとマルガレーテの2人は共に世界に響かせられるような歌を夢見ています。ラブライブ!連続優勝という前人未到の成果の先を目指す彼女らに相応しい歌詞だと思います。

 このように、3期生のキャラクター性や3期のストーリーについての匂わせのような歌詞に「Jump Into the New Would」はなっていると、私は考えています。

「Dancing Raspberry」と5yncri5e!

 Liella!のユニットが発表された当初、5yncri5e!に対して皆様はどう思ったでしょうか。私の率直な感想を申し上げますと「大丈夫か?」でした。

 このユニットにはキャストで推しの絵森彩さんもいらっしゃるので、決して悪いイメージは持っていませんでしたが、キャラクター人気の二大巨頭のかのんと可可がおらず、5人ユニットにもかかわらず根強い人気のある1期生は千砂都しか居なかったので、個人的にはかなり心配していました。

 蓋を開けてみれば他のユニットに負けず劣らずのパフォーマンス、ダンスユニットとの紹介に恥ない実力を見せてくれ(特に四季、大熊和奏の成長が目覚ましいと思います!)たので、「ホントすいませんでした」という感じです。

 そんな個人的な印象は置いておくとして、5人という人数や鬼塚姉妹が揃っていることからも、かなり注目を集めたユニットなのではないかと思っています。

 先述の通り3期生はマイナスからのスタートとなると私は考えているので、それに沿って「Dancing Raspberry」の歌詞を読んでいます。なのでベクトルに偏りがある解釈であることをご容赦ください。

世界中がキミを見てる

「Dancing Raspberry」より

 歌い出しからかなり疑問を誘います。「キミ」とは誰でしょうか。

答え合わせばっかの毎日じゃ
腐ってしまいそう キミだってそうでしょ

模範解答は絶対ではない
信じて胸が騒いだフィーリング

「Dancing Raspberry」より

 四季,きな子パートにはかなり杓子定規な人間をイメージできる歌詞が続きます。この時点で既に当たりを付けることができます。Liella!11人の中でその性質を明確に持っているのは鬼塚冬毬です。

 彼女の特技は整理整頓,スケジュール管理,暗算で、好きな言葉は「夢でお腹は膨れない」です。少女が夢を叶えるストーリーを描くラブライブ!において異質な性格と言えるでしょう。スクスタの三船栞子が近しいキャラクター性かなと思います。

 そんな冬毬に対して「答え合わせばっかの毎日じゃ腐ってしまいそう」、「信じて胸が騒いだフィーリング」と四季ときな子は誘いをかけています。

 しかし果たして冬毬はそう簡単に乗ってくるでしょうか、私はそうは思いません。学生の本分は勉強とはよく言ったものですが、無駄を嫌う冬毬にとってスクールアイドルもまた無駄と映るのではないでしょうか。先に上げた栞子も当初は同好会と対立しています。

 冬毬がスクールアイドルを無駄と思っていた証拠、冬毬に合わせて言うならエビデンスとしては4thの幕間アニメがあります。

 まだBlu-rayが出てないので正確なセリフかどうか確認できませんが、冬毬は「スクールアイドルになりたかったのかどうかと言うと⋯⋯」と言葉を濁らせています。根拠としてはやや弱いですが、少なくともスクールアイドルになることに積極性はなかったのではないかと思われます。

今日は今日のベクトル 昨日と違くていい

ただいつでも全力で行こう

「Dancing Raspberry」より

 そんな堅苦しい冬毬に対して、挑戦することを重んじる千砂都は「昨日と違くていい」と諭します。昨日までと違う自分になることを怖がらなくてもいい、そう優しく接しているように見え「違くていい」というくだけた日本語も、対冬毬と考えると象徴的だなと感じます。

 無駄かどうかを考えるよりも「全力で行こう」というのは、実に夏美らしい言葉です。姉ではあるものの正反対と言っていい性格の夏美は、できるかどうかは置いておいてまずやってみるという性格です。

「やってもないのに、向いているかどうかなんて分からないでしょ?」

ラブライブ!スーパースター!! 2期 ♯01「ようこそLiella!へ!」より

 この夏美の考え方も冬毬からすれば無駄に映っていたのではないでしょうか。やるまでもなく、向いているかどうかなど分かる、と。

 こうして5yncri5e!メンバーとの交流を経た冬毬の出す答え、そしてそれを迎える5yncri5e!の歌詞で1番はサビに入ります。

「ブレない」って言葉にもう縛られたくない

所謂なルールは

どうでもいいや

「Dancing Raspberry」より

 スクールアイドルは無駄と思考が固まっていた冬毬の口から「縛られたくない」という言葉が紡がれるのが綺麗に流れを作っていると思います。ここにスクールアイドル鬼塚冬毬が誕生したと言えるでしょう。

 5yncri5e!そしてLiella!のメンバー全員が冬毬を受け入れると思いますが、続く詞に再度夏美を出すところに姉の包容力を感じさせます

 さて、ここまで冬毬はスクールアイドルを無駄と思っていたという体で話を進めてきましたが、冬毬に近しいキャラクターでスクールアイドルを低く見ていた子がいます。そう、マルガレーテです。

 2期のマルガレーテにとってラブライブ!優勝やスクールアイドルは手段でしかなく、それはみんなに応援されてみんなのためにも頑張るスクールアイドルの姿とは程遠い、形だけのものでした。

 そんな2人が先輩たちと様々な経験をすることによって少しづつ心を溶かしていき、スクールアイドルとして成長していくストーリー。これが私の書いたSSであり、私が3期に求めているシナリオでもあります。

写真じゃなくて 目に焼き付けて

「Dancing Raspberry」より

 最後に、5yncri5e!のダンスの見せ場でもある冬毬パートです。

 エビデンスやナレッジと言った言葉を多用するように所謂データキャラ的な一面を持つ冬毬ですが、この詞は写真というただのデータではなく、自身の目に焼き付けること、自分自身の経験として物事を捉え消化していくように成長していった証ではないでしょうか。

創作活動について

 ここまで主に「Jump Into the New Would」と「Dancing Raspberry」について語ってきましたが、SSでは他にもたくさんの曲をリスペクトしてストーリーに繋げさせていただいています。お手に取っていただければ幸いです。

 最初にも話しましたが、今回は本当に多くの人に助けてもらって漕ぎ着けたものなので頭が上がりません。

 殊にイラストを書いて下さった絵師様、名の知れた方で私も大好きな絵を描いていらっしゃる方なので頼もうと思った(これも人に言われて腰を上げたという感じでしたが)時から戦々恐々といった感じだったのですが、快く応じて下さるばかりかあちらから色々と提案をして下さったりもして本当に助かりました。ここでもお礼を述べさせていただきます、ありがとうございました。

 次に何書くとしたらキャラクター最推しの澁谷かのんでなにか書きたいなぁと思っています。というか既にちょこちょこ書いているのですが。

 これからもラブライブ!スーパースター!!とLiella!が皆様に愛されることを願っています。では。

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