超CS広島ベスト8ガイルハザード


はじめまして、篠田ひなたと申します。
この記事は先日行われた超CS広島ベスト8に入賞した「ガイルハザード退化」についての記事となります。
先に断っておきますと、私は現在のデュエマガチ勢ではありません。以前は月に2・3回程度CSに参加する中堅勢だったのですが(CS優勝経験が複数回あるので、当時は中級者程度の実力はあったと思います)、現在は近所のデュエマフェス・バトルに60枚5色コントロールなどの好きなデッキで参加するにわかです。
(近所で2ヶ月に1回程度CSが開かれるのでそれには参加していますが、セルフジャッジの大会でカジュアル勢も多く、ガチ大会という感じではありません)
大会前日にカードを買い揃え、環境デッキのファイアーバードとラッカゴスペルとは当日初めて対戦するありさまだったので環境理解というものはほとんど皆無です。これを読んでいる皆さんの方が遥かに長けていると思います。
ただ、「ガイルハザード退化」というデッキにはそれなりに長く親しんでおり(複数回CS優勝・超CS京都で予選全勝―ベスト64をこのデッキタイプで達成しました)
このデッキであれば人並程度には知識があると思います。
上述のようなにわか勢なので、皆さんが疑問・おかしいと感じる点が多々あるかと思います。そういったご意見も是非聞かせていただければ幸いです。

デッキ選択理由


ご期待を裏切るような形になり申し訳ありませんが、明確な理由があってこのデッキを選択したわけではありません。私は現在の環境デッキをろくに持っていないため、自分がそれなりに使ったことのあるデッキの中から選ぼうと考えました。候補は「ガイルハザード」「零ジョーカーズ」「水魔道具」の3つでした。この中からハザードを選択した理由はオカルトですが、(同じく超CSの京都大会でハザードで予選全勝したので、縁起が良いと思ったから。他者への説明をこじつけるなら、クリーチャー主体のデッキが多そうであり、ハザードが着地した場合の強みが出やすいと思ったからです)慣れない環境デッキを使わなかったことにはそれなりの理由があります。それは、「数多くのプレイヤーの下位互換にしかならない=長期戦で勝ちにくい」からです。いくら出力が高くても、慣れないデッキをまともに使いこなすことはできません。(少なくとも私には無理です)正解らしきものは選べても、そのデッキを練習してきたプレイヤーには決して及びません。(引きや先手後手の運で勝つこともあるでしょうが、勝ち越すことはできないでしょう)であれば、自分がそれなりにうまく使えるデッキを選択した方がまだマシというものです。ファイアーバード使用者の中では下位層でも、ハザード使用者の中では上位層になれる。この場合、デッキの構造としてハザードよりファイアーバードが優れているとしても、勝算が高くなるのではないかと考えています。(ろくすっぽ使えないデッキに勝利ラインまで押し上げられたとしても、それにはあまり価値がないのではないかと個人的に思います)
ハザードが出れば幅広い相手に刺さるうえに、環境のメタカードにほとんど妨害を受けず、これを咎めるカードが「ラッカゴスペル」の《オリオティスジャッジ》や《同期の妖精/動悸のドキドキ!?》くらいしかないことも選択を後押ししました。(《ブルー・インパルス/「真実はいつも1つだ、ジョニー!」》は撃たれても、そのころにはハザードを出し直せる)




禁断英雄モモキングダムX 4枚


デッキの核。昔から「ハザード」はこれを引かないとまともに勝負ができないと言われてきました。「ハンプティ・ルピア」でハンデスしたり「H・アルカディアス」での呪文ロックを目指したりと、無いならないでやることがあるのですが、そう思う気持ちもわかります。これをいつ引けるかでゲームメイクは大きく変わります。他のデッキで例えるならば「水魔道具」の「卍新世壊卍」、「ガンバトジョーカーズ」の「ヤッタレマン」です。この枚数を減らすことは絶対にありません。
あまり使うことはありませんが、山札にハザードがいない状況でもこのカードを出し、他のモモキングやハザードを出して別のクリーチャーを仕込んで退化、というプレイも極めて稀ですが行います。(ただこのリストでは、そうして狙いたいクリーチャーはアルカディアスくらいしかいません)
今回は採用していませんが、「絶望と諦観と鎮魂の決断」を採用すると、このテクニックを使う機会が少し増えます。例えば、ダークネスの効果でモモキング2体を蘇生する場合。
山札にハザードが1枚しかない場合(中盤以降は低くない頻度で発生します)先に蘇生したモモキング(先モモ)からハザードを仕込む効果を使うと、先モモの下にはハザード(と、望むなら+1枚)、後モモの下にはなにもないという状況が発生します。まず後モモの効果から処理してハザードを仕込み、その後に「先モモ」の効果を処理。2枚目のハザードがいればそれでよし、いない場合でも後モモが出たことによる山札の1番上を自身の下に仕込む効果で別の退化先を用意できるかもしれません。(シャコガイル採用型だと山札を減らすことでメリットがある場合もあります)
早期に引いた場合大体すぐ出しで良いのですが、そのターン中に退化できない場合は出さずに手札にキープすることもあります。これはハザードのマッハファイター効果を使うためです。例えば、2ターン目時点で手札に《モモキング》《生魂転霊》《ハンプティ・ルピア》がある場合。
先攻ならまず最速退化で問題ありません。しかし後攻の場合は難しいです。後攻3ターン目退化を行った場合、返しの相手のターン、1度でもマナブ―ストをされていると平気でクリーチャーが出てきます。こういったケースでは、2ターン目パス→3ターン目《ハンプティ》ハンデス→4ターン目に退化とするケースがあります。ハザードの展開制限が及ばないマナ状況でも、相手クリーチャー1体を処理しながら攻撃誘導保証付きで出すのであれば悪くはありません。いつもいつでも出すべきカードではないのでご注意ください。


自然の四君子ガイアハザード 4枚


デッキの核。モモキングを使えば確定でこれが下に入ります。クリーチャーの展開制限と攻撃誘導能力を持つ優秀なフィニッシャーです。現環境において有用なカードではありますが、出せば勝ち!というほど完璧で究極な存在ではありません。呪文で飛ぶケースとしてはラッカゴスペルの《オリオティス・ジャッジ》、《同期の妖精/動悸のドキドキ!?》のスペルモードなど。呪文以外にも、クリーチャー大量召喚でマナを伸ばされ、制限が無力となって負けるケースがあります。ドリームメイト相手だと、こちらが先攻最速退化を決めない限り《3つ星料理ラビシェフ》の方が早く着地します。この効果によって3・4枚程度はドローされているはずなので、小型クリーチャーを召喚→マナ増やしてロックをすり抜け、というパターンが結構あります。ではタップ状態にして攻撃を通さないようにしておけば安泰かというと、そうでもありません。こちらのマナが十分にたまっていない状態だと複数体の《3つ星料理ラビシェフ》の支援を受けた《料理猫のプワソン》にハザードが取られたり、《注文猫のウェイ》によってアンタップされ、攻撃誘導効果が消されたりします。相手の手札やマナ状況を見ながらハザードで攻撃をするのか否か(手札を大量に与えてでもタップさせる必要があるのか)見極める必要があります。
ファイアーバード相手も、中途半端なマナで攻撃誘導のために立てると、バトルによって破壊されない《バルピアレスク》の的になり、良いようにリソースを稼がれた末に《コッコ・武・ルピア》の破壊効果で除去されてしまいます。今立てるべきなのか否か、そしてタップさせるために殴るか否か、この判断に悩まされます。
採用枚数は3と4どちらも見かけますが、これは大差で4枚採用すべきだと考えます。
1体目のハザードを立てるだけなら正直3枚でもほとんど問題ありません。
ただ、1度何かしらの手段でどかされたハザードを改めて出したかったり、2体同時にハザードを立てたい状況が頻発します。(これは決してレアケースではないと思います。しかもこの差は試合の勝敗に直結します)「モモキング」ほどではないにせよ、4枚採用を強くおすすめします。


生魂転霊 4枚


退化札兼ブースト札。最序盤からのマナ加速こそできませんが、中盤からは2マナ3ブーストという破格のスペックとなります。3色カードが9枚、墓地から出せるカードが3枚と(ただしジルコン1枚の重複)、そしてメインのモモキング4枚の計15枚と抜群のシナジーを形成します。ハザードはマナをためるという行為自体が相手への直接的な圧となるため、このカードのバリューは非常に高いです。《VolZeus Vallamold》に撃つとマナの消費を上回る5ブーストが可能なことは覚えておきましょう。



災禍の鎧デドダム 4枚


言わずと知れた有能カード。かつてのようなジョーカーカード扱いされることは少なくなりましたが、十二分に強力。このカードがビッグマナ系デッキに入らなくなったら、そこが歴史の転換点となるでしょう。



ハンプティ・ルピア 4枚


火・光・闇という一般的には極めて取り回しの悪い色ですが、その代償に得た3マナピーピングハンデス・除去・受札にもなるという驚異のスペックを持つカードです。うまく使えるデッキでは八面六臂の活躍を見せます。「使いづらい色構成だが、ハザードデッキにはむしろ適している」という意見をいくつか見かけたことがありますが、これは論理が逆だと思います。(モモキングと同じ文明を持つので相性が悪くない、というのはその通りです)
「ハンプティを無理なく使用するために、このような構成(色配分)にしている」のです。光のカードで使いたいのがアルカディアスだけであれば光をタッチ気味に採用すれば事足りるのですが、序盤にこれを使いたいのであればそういうわけにはいきません。この問題を解決するために「バラモルド」のキングセル基盤を一定数デッキに組み込む必要がうまれました。(キングセルなしで安定した構成は私には思いつきませんでした)このカードは、デッキに無理をさせているカードです。断じてガイルハザードというデッキにとって優秀な色を持つカードではありません。そして、無理をしてでも使いたいカードです。旧来の構成では、序盤に使いたいカードが「モモキング」「デドダム」くらいのものだったのですが、これらと並んで的確な妨害ができるようになったのは大きな進化です。



Disジルコン 1枚


マナ・墓地から召喚できるリソース補充カード。「生魂転霊」と最も高相性を誇ります。
手札補充の手段に乏しいこのデッキにおいては、1枚あると無いとでは使用感が大きく異なります。まさに縁の下の力持ちといった存在で、2枚目を採用する余地がおおいにある1枚です。



竹馬の超人/テイクバック・チャージャー 3枚


5枚目以降の「生魂転霊」本家本元の「生魂転霊」には正直劣りますが、このデッキにおいては十分強力です。キングセルを採用したことで、2ターン目にモモキングを召喚できる可能性が上がりました。そして先手の3ターン退化は、ゲームの勝敗を決定づけるほどの影響力を持ちます。2ターンモモキングができた試合は、そのまま勝ち切ってしまいたいのです。先手2ターン目までにモモキングを引いたという前提のもと、その中で3ターン目までに生魂転霊を引く確率は50.25%、これにテイクバック2枚を加えると66.1%、3枚を加えた場合は72.2%となります。2ターン目にモモキングを引く確率が50.25%なので、全体でみると3ターン退化率やその確率の上昇幅も半分にして計算する必要がありますが、このカードの採用がゲームに与える影響は十分大きいと思います。《VolZeus》パーツや《Disジルコン》など、マナに落ちてうれしいカードがあるので、使用コスト以外の面でも基本的には《生魂転霊》の方が優秀です。(《テイクバック》使用後に増えるマナの色が「火/闇」と「自然単色」というのもあまり嬉しくない。最終盤で山札を減らしたくない場合は《テイクバック》が良い場合もあります)《モモキング》を退化させる際、《生魂転霊》も《テイクバック》もどちらも選べる場合は、基本的に《テイクバック》を撃つようにしましょう。これは、この2枚は《モモキング》との相性はそれほど変わらずとも、3色クリーチャーとの噛み合いが圧倒的に違うからです。ただ、退化カードプレイ後に3マナ以上使用可能マナが余るなど、《Disジルコン》がマナに置かれることが偉すぎる場合には《転霊》をプレイしてください。(《生魂転霊》《テイクバック》のどちらかをチャージしてもう片方をプレイするという場合には、当然《生魂転霊》を選択してください)《テイクバック》の解説なのに《転霊》より劣っていることを述べてしまいましたが、これはこのデッキにおいて《転霊》が強力すぎるので仕方ありません。《テイクバック》にしかない強みとして、相手の厄介なエレメントを除去できることがあげられます。現在だと、《水魔道具》の《卍新世壊卍》など。ただこれは、先攻3ターン目で除去すれば強いのですが、下に呪文がたまっている《卍新世壊卍》に撃つと相手のマナを大幅に増やしてしまい、敵に塩を送ることになることもあるので注意が必要です。基本的には以前より強化されたこのデッキですが、《無限の正義ジャッキー》から《Hアルカディアス》にしたことで魔道具呪文は止められない、《ハザード》の効果を利用して無月の門で大量マナ加速をされたりと、「水魔道具」相手という点ではかなり戦いづらくなってしまいました。


次元の霊峰 1枚(殿堂入り)


多色クリーチャーを引っ張ってこれるサーチカード。《モモキング》《デドダム》《アルカディアス》《ジルコン》《ハンプティ》と、状況に応じたカードをサーチできます。クリーチャーロックと呪文ロックのどちらにもアクセスできるのは偉いです。《ジャッキー》は多色カードでありながら単色クリーチャーであったため霊峰の対象にはならず、こちらも強化ポイントです。楯確認は完全に済ませたいところですが、時間制限との兼ね合いで難しいこともあるかもしれません。その場合、最低限確認すべきなのが1、《ハザード》の枚数2、《Disジルコン》の有無、3、《VolZeus》各部の枚数、4《Sトリガー》(できればGストも)の枚数です。相手の棋力が信頼でき、ジャッジもよしとした場合には、山札サーチカードを使った相手にシールドを見ることを許可するというのも一案です。
(約1分かかる山札確認をお互いに行った場合、試合時間の約10%を消費し、遅いデッキ同士だと時間切れ両者敗北のリスクがかなり上がります)
2ターン目《霊峰》で、退化札もないのに《モモキング》を持ってくるのは、場合によっては悪手になる場合があります。
山札に4枚モモキングがある場合、3ターン目に《災禍の鎧デドダム》をプレイすると、4ターン目までに《モモキング》を手札に加えられる確率が先手だと56.8%、後手だと58.3%です。(山3だと先手45.9%、後手47.4%)とにかくハザードを立てれば勝ち!という相手であればとにかくモモキングで良いのですが、そうでない場合は検討の余地があります。体感ですが、2ターン霊峰の4割くらいは《災禍の鎧デドダム》をサーチしています。


精霊超王ハイパー・アルカディアス 2枚


ガイルハザードが光入りになったもう1つの理由。呪文ロックカードに手札補充効果がついているのは非常に魅力的です。このドローで退化パーツをそろえて次ターン退化するという動きは《ジャッキー》にはできないことです。ハイパーモードのタップ効果も《ハザード》と相性◎。ジャストダイバー効果も場持ちがよく、基本的に《ジャッキー》よりも優れています。ただし、「水魔道具」の堕呪を咎められないこと(《DarzenMolt》で追加ターンを取られなくなるので出す意味はある)《ジャッキー》のスペルモード《未来は僕らの手の中!》は《飛翔龍5000VT》踏み倒しで受札になるなど、弱体化している点もあることは留意しておきましょう。



S・S・S 3枚


弱い。手打ちすることはほとんどなく、手札に来たら大概マナに置くしかない。しぶしぶ採用していますが、将来的に最も改善の余地がありそうなのがこの枠です。《ゲンムエンペラー》をどかせたりと、強みはあるのですが、やはり手札からプレイするのは弱いです。受札としても、ファイアーバードには《バルピアレスク》の追加ターンを取られるのでそれほど効かず、《ドリームメイト》も特殊勝利を狙ってきます。本来であれば、ほぼターンが帰ってくる優秀なカードではあるのですが(アポロ環境などでは踏ませればほぼ勝ちでした)、現環境ではトリガーとして強い局面があまりないです。《テック団の波壊Go!》などの方が強いでしょう。ただ、文明の構成はこのデッキにおいて極めて優秀。半分キングセルと同じような感覚で採用しているカードです。



飛翔龍5000VT 2枚


横並びしたクリーチャーを一掃し、さらに展開制限をかける強力なカード。VTのケアは数多のプレイヤーが考えるところではありますが、ゲーム展開上どうしてもケアできないケースが頻発します。(自分のクリーチャーも軽減対象になるのは改めておかしい)クリーチャーの展開を妨害するという効果は一見《ハザード》と役割がかぶっているようにも思えますが、ハザード降臨までの時間を稼いだり、《ハザード》が出ている状態で《5000VT》を投入し、「クリーチャーを出す代わりにマナ送り」すらも許さず、その隙に殴りきってしまうというプランをたびたび取ります。



闇参謀グランギニョール 2枚


受札兼退化札、リソース補充も行える器用な1枚。バウンスは相手の除去にも退化にも、クリーチャーの効果使いまわしにも使える取り回しの良い効果。ムゲンクライム効果を持っているので、《生魂転霊》との相性も良い。墓地回収はそれほど精度の高いものではありませんが、それでもこのデッキではありがたいものです。


VolZeus Vallamold 各2枚


脳(火・光・闇)胴(火・自然・水)足(自然・光・闇)
5色となったこのデッキの序盤のマナ管理をこなしてくれるキングセル。
単体では効力を発揮せず、最終盤までろくすっぽプレイできないカードは極力採用したくなかったのですが、5色となったガイルハザード(しかも序盤に求められるのがリソース色ではない 火・闇)を運用するためには採用せざるを得ませんでした。序盤の安定感は、これらのおかげで大きく上がります。中終盤の引きが弱くはなるのですが、現状、このデッキを安定稼働領域に持って行くには必要不可欠であると考えています。
場に出るとそれなりに優秀なクリーチャーではあるのですが、召喚すると最大3枚マナが減ってしまうことはよくよく注意しましょう。勝てそうな場面なのに、マナからこれを出して相手とのマナ差が近づく→ハザードとこれでリーサルを狙って楯を攻撃したらトリガー・Gスト等で耐えられる→出ようとしたトリガークリーチャーで増えたマナ、増えた手札でマナが追い付かれ、本来であれば止められていたはずのクリーチャー効果で逆転される、という身もふたもない負けパターンを何度か見たことがあります。(約2年前のバラモルド型ですが)
マナが競っていたり、黙っていれば勝てそうなのにこれを出して逆転負けすることが無いようにして下さい。ただし、時間制限が迫っている状態で、ハザードで楯を割り切ってターン終了→次ターンにブロックされないバラモルドで勝負を決めに行くというプレイは、悪手と分かっていても制限時間負けを回避するために選択することがあります。(特に相手の盤面にブロッカー・他クリーチャーがいるなどで、相手の負けが確定的でなく勝勢による時間制限時の相手の投了があまり見込めない場合)明らかにこのまま続ければ勝てそうだが、楯をブレイクして手札を与えるとそれが揺らいでしまう場合はこのプレイはあまりしない方が良いです。(相手がクリーチャー主体デッキで、マナは競っているが相手の手札はなく、引いたカードをプレイすることができない、など。ここに手札を与えてしまうとマナ行き用クリーチャーを召喚されて本命のクリーチャーを出され、逆転するというケースがあります)


検討カード


地龍神の魔陣
マナ加速も手札調整も受札にもなる完璧に近い初動。ただし色が致命的にデッキと噛み合いません。光抜きの4色時代から相反する「モモキング」と「地龍神」の色バランスには悩まされたものですが、《ハンプティ・ルピア》の登場はその亀裂を決定的にしました。どちらも序盤にプレイしたいカードでありながら、要求される色は正反対。さらにハンプティやキングセルの採用で、2→4の動きで使える4マナ域のカードの採用も難しくなってしまいました。間違いなく強いカードではあるのですが、現在のガイルハザードと調和することは難しいと判断し、採用を見送りました。

砕慄接続グレイトフル・ベン
超CS本番では採用していたカード。(不用であったと考えています)大量マナ加速により、ハザードの制圧力は盤石のものとなります。強力なカードであることは間違いないのですが、このカードを使う試合は、無くても勝っていることが大半でした。既に勝勢の試合を勝確にするカード。であればより円滑に動けるカードや苦手な相手に抗いうるカードを採用した方が良いと思います。


絶望と諦観と鎮魂の決断
手札破壊に蘇生・除去もこなせ、墓地から打てる言わずと知れた優秀なカード。
蘇生先に《ハンプティ・ルピア》が加わったことにより、手札破壊の質が上がりました。
ロングゲームをする機会が増えれば採用しても良いかもしれません。


ドンドン火噴くナウ
リソースを伸ばしながら相手の除去もこなせる理想的なシールドトリガー。手打ちしても及第点の強さを出せるのが偉いです。


CRY-MAXジャオウガ
言わずと知れた優秀なフィニッシャー。横に1体いるだけでリーサルを組めるのはやはり優秀です。進化元を必要としないレクスターズではありますが分類上一応進化クリーチャーなので、《モモキングダム》の妨げにはなりません。1枚入れておくと別角度からの勝利プランが生まれるので採用の価値ありです。


緊急再誕
退化させながらクリーチャーを展開できるカード。6マナたまったところで《モモキング》《再誕》→《アルカディアス》というとんでもない動きも可能です。強力なのは間違いありませんが、この退化ではマナが伸びないこと、光単色マナは《ハンプティ・ルピア》を早期着地させる時くらいしか必要な場面が無いことは注意しましょう。このカードを採用する場合は、《王道の革命ドギラゴン》など、中量級カードを増量するとよいでしょう。



流星のガイアッシュ・カイザー
早期に踏み倒すデッキが幅を利かせている現環境において、間違いなく強力な1枚です。
プレイヤーへの攻撃制限が刺さる局面も多く、検討の余地ありです。
相手クリーチャーの攻撃先を作らないために、これで殴り返せる場面でも殴り返さない判断も重要になります。ハザードを7マナで呼び出せるようになるのも嬉しいポイントです。



王道の革命ドギラゴン
ブーストしながら手札調整もこなせる器用な中堅。条件は悪いながらもトリガーになり得るのはとても嬉しい。マナ回収手段があるとゲームに柔軟性が出るので、使い勝手はかなり良い。革命チェンジカードがないためこのカードの最大値を出すことはできないが、それでも十分強力。


瞬閃と脈動と灼熱の決断
3コスト以下のクリーチャーをまとめて展開できる殿堂カード。
《モモキング》《ハンプティ》《デドダム》等を1アクションで展開できるのは魅力的。
攻撃後アンタップ効果があるとはいえ、基本的には3ターン目に撃ちたいカードであること、手札消費が激しいこと、《モモキング》に関してはこれを引いていればだいたい2ターン目に出せており踏み倒すメリットが薄いこと。これらを踏まえると実質的には《デドダム》《ハンプティ》2種(+ジルコン1枚)をまとめて出すケース以外強みを発揮できないと判断しました。このカードを引いたうえで《ハンプティ》《デドダム》《ジルコン》を3ターン目までに2枚以上引く確率は先攻で42.5%、後攻で48%となります。「3ターンファイア」での爆発が起きる確率は、殿堂入りのこのカードを3ターン目までに引く確率を考慮しなければならないのでかなり低いものとなります。4ターン目以降にも引きたいカードであれば別にこれでもよいのですが、個人的には中終盤でほしいカードではないと思ったので採用を見送りました。


水上第九院シャコガイル
殴らずに勝つことができるようになるゲームエンドカード。
従来の《ジャッキー》はトリガー呪文を許してしまうため、特殊勝利が可能となるこのカードとの相性は抜群でしたが、《アルカディアス》型とする中でこのカードである必要性が無くなってしまいました。ただし封殺系デッキである「ハザード退化」とは変わらず相性が良いので、常に採用を検討したい1枚。

各デッキに対して
最初に述べた通り現在の環境での対戦経験に乏しいのでほとんど妄想の域に近い考察です。
・火の鳥
ハザードがある程度有効に機能するのですが、《ガ・ナテハ&ルピア》による継続的なドロー、エスケープ効果を何度も使いまわされ手札補充と、増えたリソースでマナを伸ばされ、展開制限が解除されがちです。ハザードを寝かせていると《バルピアレスク》がノーリスクで追加ターンを取ってくるので、相手とのマナ差を考慮してハザードをタップするようにしましょう。あまり差し迫っていなければ、シールドを攻撃してまで寝かせることはないと思います。ハザードの除去手段としては《コッコ・武・ルピア》の墓地参照破壊です。
ハザードが立っていればそれほど警戒すべき呪文はないので、《アルカディアス》で呪文を止めるよりもマナ差を広げることを意識しましょう。(《アリスの突撃インタビュー》はこれで勝手に止まります)

・光水天門
彼我のジョーカーは《ゲンムエンペラー》と《ガイアハザード》です。相手が最速4ターン目に出るのに対しこちらは最速3ターンで一見先手を取れそうですが、4ターン目「まで」に安定して切札を出せるのは相手です。《ゲンム》が立つと退化はもちろんハザードを仕込むことすらできなくなってしまうので、《ハンプティ・ルピア》で妨害するなり《グランギニョール》をキープして対抗できるようにしておきましょう。

・ラッカゴスペル
呪文主体のデッキなので、《アルカディアス》をハイパーモードで出すことが目的となります。ジャストダイバーが切れたところを《キューブリック》のバウンス効果で狙われるかもしれませんが、《アルカディアス》のドローで、次のターンに退化も決まってしまうことが多いです。退化のタイミングについてですが、《オリオティスジャッジ》で返されてしまうものの、割と早めに行ってしまってよいと思います。退化を渋っていると、《ファイナル・ストップ》を撃たれてしまいいつまでも退化がろくにできずブーストも不能という状況に追い込まれてしまいます。《ハザード》を除去したうえで《ゴスペル》で走ろうとすると《オリオティス・ジャッジ》+《キリモミ・ヤマアラシ》+《ゴスペル【光/水】》と6マナ必要になります。
ハザードが立てば、たとえ除去札を抱えていようとそこそこの妨害になるということは覚えておいてください。

以上で、簡単にはなりますが「ガイルハザード」の解説を終わります。
到着点が分かりやすく、プレイ難易度も低いデッキなのでぜひ使ってみてください。

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