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自作短編小説をSunoAIで楽曲にしてみる ~シン・顔新幹線~
SunoAIで作った曲
冬至も過ぎて夜の寒さがいっそう身にこたえる昨今ですが、ここ数日は「suno.ai」という楽曲生成AIが面白くて色々試して遊んでいます。
以下のものは中でも上手くできたと思える作品で、少し編集してYouTubeにアップしてみましたが特に反応はありません。
もしよかったら聞いてみてください。
自作短編小説をSunoAIで楽曲にしてみる
さて今回は、自作の短編小説をモチーフに、suno.aiで楽曲を作成してみようと思います。そうです。あのYOASOBIと同じやり方です。
なお、この短編小説は ChatGPTに相談しながら書き上げた作品です。AIを使って作った小説に、AIで曲を付けるわけです。自分ひとりなら何もできませんが、AIのおかげでYOASOBIのようなことができてしまうのです。
AIのおかげで創作の楽しさを久しぶりに思い出すことができました。ありがたいことです。
さてそれではさっそくはじめていきましょう。以下は私がChatGPTに相談しながら書いた短編小説「シン・顔新幹線」です
シン・顔新幹線
浜辺柊斗にとって、まさにそれは晴天の霹靂であった。
いつもの立ち食い蕎麦屋で、いつものようにわかめ蕎麦を食べ終えた浜辺は、厨房の方をぼんやりと見ながら、頭の中で午後の会議で話す内容を考えていた。その時、突然、顔から何か新幹線的なものが発車するような感覚があった。
浜辺は驚いて自分の顔を触ってみたが、そこには鼻があるだけだった。当然だ。顔から新幹線が発車するなんてことがあるものか。浜辺は少し落ち着きを取り戻すと、コップの水をぐっと飲みほした。馬鹿馬鹿しい。そう思いながらふと厨房の方を見ると、従業員が目を丸くしてこっちを見ている。
え?浜辺は反射的に鼻のあたりを手で隠しながら、そそくさと店を出た。あの店員の表情は何だ。信じられないものを見たという顔。まさか本当に新幹線が私の顔から?
現在、日本国内には114の新幹線停車駅があるというが、何かの手違いで115個目の駅が私の顔に建設されてしまったのだろうか。いやいや、そんなわけがない。そんなことはあり得ない。それにしてもあの店員の顔。心底驚いたというだけじゃない、何かこちらを軽蔑するような、見下すような、そんな表情だった。
翌日、顔新幹線(浜辺がそう名付けた)のことなどすっかり忘れて、喫煙所で浜辺が同僚たちと談笑していた時だった。煙草に火をつけかけた同僚が突然叫んだ。「お、おい、浜辺!お前、顔から新幹線が出てるぞ!」
「え?」浜辺が寄り目で自分の鼻のあたりを見てみると、確かに新幹線が発車しかけていた。 「いや、あの、これは…」
これは、そう、顔新幹線だ。まさしく顔新幹線だ。だが、そんなこと言えるわけがない。取り乱した浜辺は、手に持っていた会議資料で鼻のあたりを隠しながら言う。「う、嘘だから。これ、全部嘘だから…。」
「おい!ちょっと待てよ!」 背後で叫ぶ同僚たちの声から逃げるように浜辺はその場を立ち去った。
数日後、浜辺は公園のベンチに座って、路線地図を開いていた。あれから一度も出社していなかったが、家族には仕事に行くと嘘をついて、朝から晩まで公園で過ごした。
今頃会社は私の噂で持ち切りだろう。営業部の浜辺さん、顔から新幹線出したらしいよ。なにそれ、やだ。うそでしょ?顔新幹線?ものすごい変態やん。変態新幹線やん。高速変態長距離列車ですやんやん。
どこかから聞こえてきそうなそんな声をかき消すように浜辺は頭を振って、また路線図と時刻表に集中しようとする。はっとして立ち上がる。あれ?なんでこんなもの、見ているんだろう。
それは、無意識にとっていた行動であった。当たり前に、まるで息をするように、路線図と時刻表をいつの間にか見ていたのだ。まさか、既に私は新幹線に成りかけているのだろうか。新幹線として、正確で安全な運行をしようと努めているのだろうか。そう思った瞬間、本日2本目の顔新幹線が発車する。私はもう、だめかもしれない。
ふと見ると、小さな男の子がきらきらした目で浜辺を見ていた。「しんかんせん、しんかんせん、かお、しんかんせん」男の子はうれしそうに言った。その瞳は、希望だった。
「新幹線、好きか?」浜辺が聞くと、男の子は「うん」と答えた。肌をくすぐる麗らかな春風を感じた。
あの時、あの男の子に出会っていなければ、私は終わっていたかもしれない。浜辺は車窓を過ぎていく景色を眺めながらそう思う。あの時、顔から新幹線が出てきたことで、私は孤立し、仕事や家族を失いかけ、それどころか自分自身をも失いかけた。
だが、公園で男の子に出会い、本来の冷静沈着な自分を取り戻し、私は気づいたのだ。顔から新幹線が出るというのなら、その新幹線に自分自身も乗ってしまえばいいんだってことに。
浜辺はいま、顔新幹線で日本中を旅している。無断欠勤を続けていることについて会社のやつらは何やかや言うだろうが、放っておけばいい。そのうち必ず私が必要になる。その時になったら、満を持して出社してやろう。顔新幹線で。
シートを少し後ろに倒し、恐竜図鑑を開く。だがその瞬間、思いがけないことに ”あの感覚” が再びやってきた。顔から何か新幹線的なものが発車するような、あの感覚。
大きく見開いた浜辺の目に新幹線の先端が映る。今まさに、顔新幹線の中で顔新幹線が生まれようとしている。浜辺は新時代の到来を確信する。
SunoAIで楽曲化
以上が、短編小説『シン・顔新幹線』です。次にこの小説の大事な要素である「顔から発車する高速長距離列車・顔新幹線」を、suno.aiのテキストフィールドに入力し、歌詞を書いてもらいます。
そして、suno.aiが出力した歌詞を私の方で手直しし、楽曲を作成。いくつかできた中で以下のものが気に入ったので共有します。サビの部分が特に気に入っています。
小説とあわせて聞くとそれぞれの味わいが増して良いように思います。もしよければ聞いてみてもらえるとうれしいです!
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