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ステーキとムーチー

那覇に妻のお父さんが来ているというので会いに行き一緒に食事した。ステーキ300グラムを食らい陽気に笑っていたけど、お義父さんは昨年9月に奥さんを亡くしている。その悲しみの程度は私には推し量りかねるが、悲しみとともに己の死期もまた遠くないという実感を得たのは間違いないだろう。死の列に並ぶこの男の目に花丁字はどんな風に映るのだろう。雨の中、沖縄自動車道を北上し恩納村の仮住まいに帰る。花冷えのする午後に月桃の葉を開きムーチーを食べる。

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