會川昇全OVAリスト

前説


OVA全盛期、なるものがあった。オリジナルビデオアニメ、テレビでも映画でもなく、最初からビデオやLDで発売するために作られたアニメのことで、今でいう配信用作品に近いと思ってもらって間違いはない。確かどこかだけがOAVという表記にこだわっていたはず。二十代前半に、私はかなりの本数、このOVAの脚本を書いている。ビデオソフト(LDやDVDも)が一次の利用となると、通常二次利用以降に支払われるビデオ印税を払わなくていいということになり(例えば映画として書いたものなら、テレビやビデオ販売は二次三次利用であり、これは印税支払いが認められる)、脚本家にとっていろいろ厄介な代物だった。そんなわけでちゃんとした脚本家さんが手を出しかねている時期、まだ二十歳そこそこでギャラも安いし、権利面もうるさくない(そもそも契約書を作らない!)私のような木っ端ライターが重用された時代がありました。最悪(笑)。私としてもそこを利用してテレビよりは高いギャラを請求、これによってなんとなく業界全体でギャラの水準が決まり、そうすると大手の脚本家さん集団も乗り込んでこられるようになりまして、私のOVA三昧の時期は終わります。なんでこの時期OVAブームが起きたのかは、レンタルビデオ店、大小メーカーの参入、当たればデカい(笑)、テレビアニメが子ども向けにシフトしていてマニアの受け皿が無かった…等など本当に複雑な理由が絡み合っています。だから簡単に理由を説明する人は信じないように。
では私が関わった作品の一覧を。wikipediaよりは詳しいです。でもTwitterにあげた私のカセット文庫作品リストもその後wikipediaに反映されたって気配はないので、多分あまり需要のない情報だろうとは思いますが。


超神伝説 うろつき童子 超神誕生編 超神呪殺編 完結地獄編 魔胎伝前後編 未来編第一巻
未来編はストーリーまで作りましたが、脚本の方向性を受け入れてもらえないまま関係がフェイドアウトしました。未来編は見たことないけど、アイデアが断片的に使われているだけかと。人物名や用語は残っているんじゃないかな。


破邪大星弾劾凰 同・涙のスパイラルナックル 同・復讐鬼ギル・バーグ
三巻は三十分のつもりで書いたら急遽尺を伸ばして完結させろということになり、ラストは大畑さんと平野さんがコンテで書き足されたパートです。


大魔獣激闘 鋼の鬼

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初めて【原案】というクレジットをいただきました、平野監督に感謝。


戦国奇譚妖刀伝 鬼哭の章 炎情の章
こちらは一巻は鳴海丈さんの脚本です。最終話は脚本から大きく改変されています。


風を抜け!
鈴鹿まで取材したことが、今でも身に染み付いています。初マッドハウス。


孔雀王 鬼還祭 幻影城
二作ともオリジナルストーリーでやらせてくださって荻野先生、ありがとうございました。「幻影城」もラストが脚本には無いシーンで(笑)。またスタッフ試写がなく、劇場初日が試写の代わりという(げふんげふん)。この劇場公開バージョンは今では観れないんでしたっけ。


冥王計画ゼオライマー 全4巻


竜世紀 全2巻
前半はオリジナルストーリーです。


バイオレンスジャック 地獄街
永井豪原作のアクのようなものがOVAなら出せる、と信じていましたが、この頃はまだそこまではいけなかったですね。


宇宙の戦士 全6話中2.4.6話
アミノ監督と初めてのお仕事、高松さんもかな。伊東恒久さんとはこれが最初で最後でした


吸血姫美夕 全4巻


ドッグソルジャー
原作にはないオリジナルストーリーです。確か川尻さんの「ゴクウ」で演出をされていた方が監督、という話だったような(記憶違いでしたら申し訳ありません


虚無戦史MIROKU 全6話中4~6話
原作で未登場だった十勇士の残りを勝手に設定させていただいたという


魔龍変生 魔龍神伝
監督のオリジナル脚本だった「魔龍戦紀」が好評で、脚本家を入れて続きをということになったのですが、「神伝」はパッケージにはあるのに本編には私の名前、ありません。それを知ったのはレンタルビデオで借りてきたとき。慌てて電話したら「いやー、脚本あんまり使わなかったからいいかと思ってー」という凄い返事。今に至るまでこれに勝る豪快コメントはないですね。いや、そうでもないか。確かに脚本と全然違います。


妖魔 全2巻
安濃監督と初めて。私としては可能な限り原作に忠実な雰囲気を出そうと試みたつもりでしたが、原作ファンにはそう思って貰えなかったような。しかし好きな作品です。


エンゼルコップ 全6話中1~3話
実写企画「エンジェルコップ」が潰れてアニメにリニューアル。しかし色々あって、二話からクレジットを外してもらつています。現在発売中のものでは二話から監督が脚本としてクレジットされているようですが、最初に発売したソフトでは脚本クレジット自体が無かったはずで、いつの間にかこそこそ改変されたようです(苦笑)。また実写版の脚本が一部流用されているようですが、未見のため未確認です。


グーデの紋章
構成のみで、脚本は別の方にお願いしました。この頃ハイファンタジー小説を読むのがすごく苦手で、どうしてもやりきれませんでした。


A.D.POLICE FILE1『幻の女』 FILE2『ザ・リッパー』
「バブルガムクライシス」のスピンオフ。一本目は原作のエピソード、二本目はオリジナルストーリーで、この二本めがOVA時代の自分の単品仕事としては、いま見ても恥ずかしくない、と思える唯一のものかも知れません。


魔獣戦線 全3巻
どうしてもやりたかった原作を、好きなようにやらせてもらいました。後に原作ファンで作画に参加された某アニメーターさんに飲み屋で「あんなの全然だめだ」と叱られました。原作は未完だった時期で、石川先生にお目にかかり、構想を聞かせていただいたのが至福で。


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