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フィールドレポート

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2022年1月の記事一覧

Field report 31.Jan.2022



 上空5,500mで-38℃~-39℃、上空3,000mで-29℃の強い寒波に覆われている、気温の低い1日になりました。-17℃@アンヌプリ 1,150m、-19℃@ヒラフ山頂 1,168m。W/NW風雪も強く、昨日から標高900m以上では断続的な風雪で、風下側(Lee)の吹き溜まりは発達、雪面のスラブ化と共に吹雪の強弱で異なった層が形成されていました。標高900m以上の雪は、風によって結晶が

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Field report 28.Jan.2022



西高東低の冬型の気圧配でしたが、等圧線の間隔は広く弱いNW風と共に雪が美しく舞い、時折青空と太陽に照らされてキラキラと輝く美しい日でした。雪は深く素晴らしく良かったです。標高900m以上はNW風の影響でややスラブ化していました。このスラブ化した雪面の層に新たに新雪が積載されると、スラブが隠されると共に余剰負荷が加わり積雪層内での緊張(テンション)が高まる事があります。が、それはさておき 本日は

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Field report 27.Jan.2022



低気圧接近に伴う暖気の影響もあり、昨日(1月26日)日中、自宅の屋根雪全層雪崩が起きました。例年ですと、2月後半から3月中旬に起こるのですが、今年は早く起きてスッキリしました!

斜面向きは真北、斜度30~35度、破断面約2mです(ちなみに標高222m)。NW~W風雪により幾層にもスラブ化して堆積した大量の雪、その層の下の弱層と言われる結合の一番弱い部分、そして負荷を支えきれない30度以上の斜

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Field report 25.Jan.2022

積雪は一時期の不安定傾向を脱して、安定傾向になりつつありますが、気象状況の流れ、積雪層と降雪推移、風向風速、斜面シェイプと斜度などについて敏感である事を心掛けたいと思っています。本日標高900m以上は雲の中で適度に雪が降り、未明に一時的に吹いたNW~W 14m/s前後の風の影響で、リセットがかかっていました。標高800m以下SW向き斜面は薄いクラスト気味でした。今後の降雪状況で層として存在可能です

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Field report 16.Jan.2022



1月10日のレポートでアップした、クラック(亀裂)最新情報になります。

赤丸🔴地点のクラック(全層雪崩)の場所から、更に上部横方向にクラックが広がっています。下記写真でご確認下さい。

また上記地図緑線部分に新しいクラックを確認しています。何度も書きますが、クラックの上部からの視認は困難です。またこの冬は地形と気象と降雪の条件がぴったりはまって、クラックが早くからできています。1日で斜面の

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Field resort 14.Jan.2022

本日も冬型の気圧配置が決まっていて、標高555m以上は断続的にNWの霰混じりの風雪が強く、視界不良で雪面状況、雪庇等の視認も困難でした。Lee(風下側)は吹き溜まりが更に発達中で雪面のSlab化と吹雪の強弱で形成されている異なったスラブの層もあります。今日はほぼ全方位、標高の特にWind Leewardと言われる風下側は不安定な1日でした。今後天候回復と共に安定はしてくると思われますが、人の感覚と

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Field report 13.Jan.2022

冬型の気圧配置が再び決まり、850m以上はNW風雪が強まっています。Lee(風下側)は吹き溜まりが発達中です。雪面のSlab化、吹雪の強弱で異なったスラブの層も見られました。天候回復と共に安定はしてくると思いますが、吹雪の最中は注意が必要になります。刺激が原因となって雪崩は起こります。

前回のレポート(1/10)にも書いた、標高700m以下に入っているクラック(割れ目)は今回の降雪によって目視し

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2022.1.8 Field report

前線を伴った低気圧通過のタイミングで、山頂付近強風。標高800m以上ではスラブ化した吹き溜まりが発達しています。Wind Leeward(風下側)を見極めましょう。

Field report 2022.1.7



アンヌプリ西斜面上部(1,150m付近上下)と標高1,100m~850m斜面向きW~NW。風下側(Lee)に雪が入り雪面はSlab化していて、スキーを入れるとFractureが一瞬で入ります。降雪量は少なくても風によって、雪は横から降り(運ばれ)ます。特に普段雪つきの少ないアンヌプリ西斜面上部、昨日の日射と低気温の影響を受けた雪面上への吹き溜まりで、Fractureの入りが顕著でした。吹き溜ま

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