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ステージ02 このめんどくさい勇者に髪の毛を

 女盗賊「ちょっと待って!?どうして!?
 っていうか魔女神って何!?」
 聖哉「惚けるな、お前の髪の毛を鋼鉄の剣と
 今合成したら風の剣(ウィンディソード)ができた
 つまり人間の髪では合成素材として機能しないし
 俺は女神と悪魔の髪を使って剣の合成を行っていた経験がある
 スキル透視で偽装を念入りに10回位解除したがステータスは変わらず
 俺でも倒せる相手であることが判明した為倒すと決定した
 お前は俺の調査をするために下界して偵察に来ているのか?
 それとも魔女神の使いっぱしりか?
 用件次第によってはここで倒す。」
 女盗賊「えぇっ...そこまで手間かける?...わかったわ...降参。
 だけど私は魔女神じゃなくて女神なの。
 悪い女神じゃないの、先輩を説得しに来て路金がたりないから
 お金をちょっと貰おうとしただけなの!!」
 聖哉「そういう胡散臭い紹介はもう聞きあきた。」
 女盗賊「えぇぇ...信じてよぉ...。」
 聖哉「ともかく身の潔白を証明できない以上
 女神はどうせ倒しても死なない事だしチョンパして
 神界へ戻ってもらおうここで...倒...。」
 女盗賊「待っ...。」
 カズマ「ストープ!!ストップストップストーーップ!!」
 そこにひ弱そうな青年が女盗賊の前に出てくる
 カズマ「どうしてそう先に手を出すの!?
 悪いことをしてる訳じゃないじゃないか
 冷静にここは話し合おうよ。」
 聖哉「若干の犯罪教唆はあったが、敵ならスキルを
 教える訳もない...と思いたいが...
 これから俺を冤罪に追い込むために何処かへ逃げ出すかもしれない。」
 カズマ「ソンナワケナイダロ!!言いがかりで女の子を傷つけるな!!
 マジで許さないぞ!!っていうか正規のルートで逮捕されても
 しかたねえだろそんなやつ!やんのかおらぁ!!」
 聖哉「そんなひょろひょろの体で俺に勝てるとでも思ったか?」
 聖哉 ムッキムキ
 カズマ 細々...。
 カズマ(はい...無理です。)
 聖哉「仕方がない、敵かもしれない奴をかばう以上斬るしかあるまい」
 カズマ「どーしてそんな結論になるの!?もうちょっと冷静に考えよう!?
 ダカラソノケンシマッテ!!ケンヲカマエナイデ!!酷い被害妄想ヤメテ!!」
 聖哉「二人揃ってためしに首チョンパしてみる。」
 カズマ「マジでやめてぇ!!それガチで犯罪者の思考!!
 サイコパスかお前はぁ!?」
 アリア「待ちなさい聖哉」
 そこに見かねたのか神界アリアドアが出てくる
 カズマ(この美人誰!?おっぱいでけえ!!)
 女盗賊「アリア先輩!!」
 アリア「駄目よエリス、聖哉は慎重なんだから
 気をつけて接してあげないと。」
 聖哉「...もしかしたらこのアリア、偽物かもしれない」
 アリア「もう!!本物だってば!!これから神界で
 後輩とその仲間を紹介するからこっち来て!!」
 神界の門を開く
 聖哉「この神界の門偽物かもしれない。」
 アリア「もう聖哉ったら、冥界に行ったり
 イグスフォリア行ったりしていてすっかり慎重になっちゃって。
 エリスもお友だちと一緒にこっちに来てお茶しましょう。」
 すると物陰から隠れていためぐみんとダクネスとゆんゆんが出てくる
 めぐみん「まったく正気ですか?出会い頭に喧嘩腰とか
 不審者にも程があります。」
 ダクネス「全く、立ち塞がるのを楽しみにしてたのに。」
 ゆんゆん「え...この人...女神さんの知り合いなんですか?
 なんか危ない人っぽいけど...。」
 聖哉は神界への門を見ると
 聖哉「待て。」
 一同「?」
 聖哉「ピー。」
 指笛を鳴らすと一羽の雄のフィロリアルが走ってきた。
 フィロリアル・マッシュ「おお、主人。ご用か?」
 めぐみん「おっ!?おっきなヒヨコ来た!?」
 ゆんゆん「かわいい!!さわっていいかな?」
 ダクネス「私達の世界では見ない鳥だな?」
 カズマ「お前らまず喋ってることに突っ込もうぜ?」
 聖哉「あの門の向こうが安全かどうか見てきて欲しい。」
 マッシュ「了解だぜ主人!!行ってくる!!」
 アリア「ストーーーップ!!」
 アリアがフィロリアルを止める
 聖哉「ほう、やはり罠とか仕掛けてあるのか?」
 アリア「聖哉、ひとつ聞こうかしら?この門の向こうは
 私の大女神の部屋に直通なの。意味はわかるかしら?」
 聖哉「危険か安全か解ればそれでいい。
 もしや魑魅魍魎な罠の数々が仕掛けられているのか?」
 アリア「私のお部屋が汚れちゃうでしょ!!
 こんな大きい鳥が安全かどうか見回ったら
 部屋が足跡と羽まみれになっちゃうの!!」
 一同「あー...。」
 アリア「仕方ないわね...部屋からちょっと離れた道に
 入り口を調整するから待ってて。」
 聖哉「不審な挙動だ。やはり今からこいつで様子を見るべきか...。」
 アリア「いいわよ聖哉、偵察のために鳥を入れてもいいわよ
 ...でも...でもねえ...鳥が汚した後片付けを全部やってもらう事に
 なるけどいいかしら?」
 聖哉「仕方ない、移せ。」
 カズマ・めぐみん(こいつすげえめんどくさっ!!)
 アリア「わかったわ、ちょっと待っててね...。」

 フィロリアルを門に入れて様子を見てから
 マッシュ「異常なし!!」
 聖哉「よし、俺は様子を見ながら一番最後に入る。」
 めぐみん「ねえ、こいつ入る前に門閉じちゃっていいのでは?」
 アリア「大丈夫よ、こんなんだけど一応信頼に足る人だから。」
 カズマ「本当に大丈夫なのか...?」
 ゆんゆん「女神様より...挙動不審な...人だね...?」
 エリス「アリア先輩が心配になってきた...。」
 ようやく門に入る。

 大女神の部屋
 アリア「いらっしゃい、エリス様御一行様。」
 ちょっと豪華なふかふかをイメージしたような
 部屋に聖哉、エリス、カズマ、アリアドア、めぐみん、ゆんゆん
 ダクネスの七人が椅子に座って話をする。
 エリス「いえいえ...大女神になられたアリア先輩に
 恐縮です...。」
 アリア「いいえ、イシスター様が殺されてしまってから
 代理で立っているだけ。沢山の神々が死んで
 人数足りなくなったから生き残った私が空席に埋まっただけ。」
 聖哉「何しに連れてきた?神界での修行ができなければ
 すぐに帰る。」
 アリア「まあちょっと待ちなさい。
 これから聖哉に依頼が終わるまでこの子達と同行して
 魔女神になった女神一人を説得してきてほしいの。」
 聖哉「ふん、そういう話に限って説得できずに
 戦う羽目になるというオチが見えてるのだが。」
 カズマ(まあそうだよな。)
 アリア「勿論そういう状況も想定されるから聖哉に
 同行をお願いしたいの。」
 聖哉「レベルはどう考えても俺より連中の方が上ではないか。
 ならば不要にも程がある。」
 エリス レベル84
 カズマ レベル99
 めぐみん レベル99
 ダクネス レベル99
 ゆんゆん レベル99
 アリア「不要ではないわ。聖哉の方がステータスは上よ
 万が一って事もあるし一応ランクBの世界の魔王を
 倒せる実績はあるけど魔女神は一人一人魔王並みに強いし
 警戒するに越したことはないわ」
 聖哉「レベルが上でそんな程度のものも倒せないとは
 どれだけポンコツなんだそのパーティーは。」
 カズマ(この勇者マジ傲慢!!...といいたいところだが
 筋肉に気圧されて否定できない事が地味に辛い。)
 めぐみん「ほお言ってくれますね、じゃあ私達のパーティー
 と一戦やりあいますか?」
 アリア「ここでやってもいいけどこの勇者は強いわよ?
 なんせ統一神界を含めて六つの世界を救った勇者なのだから。」
 エリス「それって私の世界に神々の避難勧告出ていたときの
 話でしたっけ、邪神メルサイスを倒したっていう。」
 アリア「そう、その勇者なの。」
 エリス「えええええええええ!?滅びかけて帰れない状況だった
 統一神界救った勇者が護衛ってやばくないですか!?
 そんなにアクア先輩がヤバイことになってるのは考えにくい
 のですが...。」
 アクア「必要ないって思うかも知れないけど魔女神となった
 女神を相手にするには聖哉ぐらいじゃないと到底
 太刀打ちできない、貴方の全力をもってしても聖哉には
 敵わないわ。」
 カズマ(どれだけ強いのかはわからないがエリス様が
 勝てないのは地味にヤバイってわかる。)
 聖哉「平均レベル上限の連中でその言い様だと
 余程だな、帰る。準備も無い状態で勝負など死ねと
 言ってるに等しい。もしレベル300や難度Sの魔王レベルの
 敵だった時はもう無理だ。」
 アリア「あの...序盤に出てきたスライム魔王は事故で...
 異世界旅行しているだけの善良な魔王なの。
 あんなのはしょっちゅう出てきたりしないわ。
 大丈夫、アクア程度なら聖哉で大丈夫よ。」
 聖哉「ふん、それは裏を返せば異世界から序盤中盤を
 無視したような規格外の化物が簡単に出てくると言う
 裏返しだ、危険きわまりない。レベルが上限に行くまでは
 絶対に戦うつもりはない。」
 アリア「聖哉お願い、後でヴァルキュレ様が新しい技を
 教えてくれるし、神々との修練でレベル上げはできないけど
 魔女神の情報もくれるわよ、お願い聖哉行ってくれない?
 ね?この子達にちょっとぐらいカッコいいところ見せても良いのよ?」
 聖哉「まずその必要性がない。」
 エリス(バッサリ切り捨てた!!大女神様のアリア先輩を!!
 私より美しくていい人を切り捨てるってどんだけ
 扱いづらい勇者なの!?)
 アリア「お願い聖哉!!この通り!!アクア位は聖哉でどうにかできるの!!
 私が保証するから同行してくれない?ね?ね?」
 カズマ(こんだけ美人のお姉さんにお願いされてるのに
 揺らぐ様子が全く無い...性欲ってもんがねえのかこいつ)
 聖哉「はぁ...わかった。じゃあその代わり髪の毛を貰えるだけ
 貰っていいか?」
 アリアの目から一瞬光が消えた
 アリア「え?え?」
 聖哉「合成素材ぐらいは貰っていいはずだ。」
 アリアが半泣きで悩んでいる
 アリア「い...嫌...でも...どうしよう(小声)」
 しばらく沈黙が続く
 エリス「わかった!!わかったわよ!!これ以上先輩困らせないで!!
 私のをあげるから先輩をこれ以上泣かせないで!!」
 聖哉「はぁ...仕方ない。スティール。」
 ぶぶぶぶぶぶちちちちちちちちt!!
 エリス「ああああああああああああああああ!!
 やめてぇーーーそんなにいっぱいぬいたら剥げちゃうーーー!!」

 メルロマルク市内
 エリス「まったく!!回復魔法で元に戻ったからまだいいけど
 貴方どういう神経してるの!!アリア先輩半泣きだったじゃない!!
 それとすっごい痛かったんだからね!!っていうか
 そんなに髪いる!?禿げ上がるぐらい抜きまくって!!」
 ↑回復魔法で元に戻した
 聖哉「やれやれ、無理難題を押し付けるのが
 デフォルトなんだろうか神界は。」
 エリス「そんなこと無いわよ!!だいたいきちんと日頃
 きちんと努力してレベル上げしていればそんなに臆病である
 必要ないじゃない!!それでも神界を救った勇者なの!?」
 聖哉「きちんと努力していても失うものは失う
 準備をしなければより傷口が大きく開く
 できるのは全力をもってしての予防だけだ。」 
 エリス「いくらなんでもレベル上限以上まで上げなきゃ
 冒険しないのは病気よ病気!!どうしたらそんなに臆病になっちゃうの!?」
 聖哉「お前は知らなくていいことだ、一週間で
 用意を済ませる。それまで待て。」
 カズマ「じゃあその間この世界を見学して回るか」
 めぐみん「そうですね。エリス様が貰ったお金もありますし
 観光していきましょう。」
 ゆんゆん「美味しい料理店あるかな~。」
 ダクネス「いい鎧があるかもしれないな。」

 大女神の部屋
 アリアを目の前にエリスが机を叩いて言う
 エリス「納得いきません!!あんな臆病勇者に頼らなくても
 アクア先輩を神界へ戻すぐらい私でもできます!!
 どうしてあんな勇者にあそこまで好き勝手させるんですか!!
 敵わない恋でもあの勇者に抱いてるんですか!?
 それとも何か弱味でも握られてるんですか!?」 
 アリア「エリス、私は魔女神を甘く見ているわけじゃない
 認識が甘いのはエリスの方よ。」
 エリス「私が?」
 アリア「魔女神は統一神界を背信した上級女神の集まり
 中にはヴァルキュレ様ですら手を焼く相手もいるわ
 あの勇者じゃなきゃ対処ができないのよ
 ヴァルキュレ様は統一神界の防衛のため
 持ち場を離れられない。それに私があの勇者に
 抱いているものは恋心でも弱味でもない...
 ...贖罪よ。」

 一週間後 メルロマルク
 エリス「本当に来るのかしらあの勇者。」
 ダクネス「アクアは昔馴染みの仲間だ。
 別に喧嘩腰でいかなくてもいいじゃないのか?」
 カズマ「悪いがあいつはしょうもない理由で出ていっても
 寂しくて自分から戻ってでも来ない限りは
 頑固でゴネて戻ってこないぞ?ここ長期間戻ってこない
 ということはあいつ絶対楽しんでるだろ?」
 めぐみん「気持ちがよくわかってしまうのが
 なんとも悲しい。魔王...なんとも楽しそうですね。」
 カズマ「爆裂魔法一発しか撃てない魔王は
 全然怖くないな~対策立てやすくて弱そうだし...。」
 めぐみん「じゃあ背後から...エクスブロー...」
 カズマ「やめい!!怖いわ!!気配隠してそれは怖いわ!!
 っていうかそれ魔王じゃなくて暗殺者だろ!!
 心臓とはらわたひっくり返るわ!!」
 めぐみん「へへーーん怖いでしょ?カズマ怖いでしょ?」
 カズマ「あのなてめえ!!」
 ゆんゆん「あ、来たよ勇者さん。」
 全員がその方向を向く
 3匹の成長したフィロリアルを連れてアイテムが
 たっぷりつまった馬車を引いてこっちに来る最強勇者。
 エリス「へぇ~。」
 エリスは能力透視を行う
 フィロリアルのレベルは全員45
 エリス「へぇ~始まったばっかりにしては
 いいステータスのフィロリアルね。で、本人は。」
 竜宮院聖哉 レベル20
 エリス「...はぁ!?ひっくい!?レベルアップサボってたの!?」
 聖哉「フィロリアルの育成に時間を割いてな。」
 エリス「こんなステータスで大丈夫なの...アリア先輩...。」
 聖哉「安心しろ、いきなり100レベル以上でも来なければ
 簡単には死なない。」
 エリス「そうでもない敵でワンパンで死ぬわよ!!
 なんなのそのレベル!?冒険なめてんの!?」
 聖哉「ふん、そういうお前は本当に大したことの無いやつだな?」
 エリス「はぁ!?なんなら今すぐここでゲームオーバーに
 してあげてもいいんだけど!?」
 カズマ「止めろよ!!戦闘する場所を間違えるな!!こんなのに
 神経を使うだけ浪費だから気にするな。」
 聖哉「ふん、まあいい。敵が未知の存在だから
 最善とは言いがたいが準備はほぼほぼ整えてきた。」
 エリス「まずお前はレベルを揃えてこいよ!!」
 カズマ(まあ、思ったより大したこと無さそうだな
 このイケメン。)
 めぐみん(ふっ...こいつで世界が救えるなら私は神になれます。)
 ゆんゆん(大丈夫かなこの人。)
 ダクネス「エリス様、言いにくい話なのだが
 こいつは本当に怠惰な奴なのか?身体の肉つきからして
 そうは思えないのだが。」
 エリス「もういいわダクネス、こいつは一応
 アリア先輩推薦の勇者、荷物持ちだと思って
 勝手に行きましょ!!待ってた私が馬鹿みたいじゃない!!」
 聖哉「やれやれ勝手な奴だ。」
 カズマ(まあ回復役としては優秀そうだな
 もっとも俺達の回復薬が無くなるような状況ならの話だが。)
 一行はこの世界の国をアクアが勝手に征服した
 帝国・アルカンレティアに向かった
 
 長距離道中
 カズマ「まったくあいつこの世界で勝手に国作りやがって
 絶対に楽しんでるだろ?」
 めぐみん「妙ですね、アクアにそんな知力ありましたっけ?」
 聖哉「トップが頭悪くても優秀な重鎮が揃っていれば可能だ
 もっともそれは重鎮が黒幕であり操られていると言って
 差し支えが無いわけだが、そいつに人望はあるのか?」
 カズマ「欠片もないな。」
 聖哉「ふむ、低確率の憶測だがもしかしたら頭を撃って
 突然変異で知力が上がったかもしれない。」
 カズマ「ないない、アクアに限ってそんなことあるわけないだろ。」
 エリス「確かに...国を造ったり運営したりするのは
 馬鹿じゃ勤まらないし大変なこと..アクア先輩がやっているのか
 それとも...別の黒幕が操っているのか...。」
 
 その時空が暗くなった
 不穏な異次元の空気が蔓延し始める
 カズマ「なんだ!?天候が変わるのか!?異世界の
 異常気象か何かなのか!?」
 めぐみん「なんですかこの不穏な空気は!?」
 ゆんゆん「魔物!!魔物が沸いてきたよ!!」
 アンデット含めた多くの魔物が道中で襲いかかる
 聖哉「どうやら波のお出ましだエルル・リスタ、
 周辺の偵察を頼むマッシュは荷物とパーティーの護衛を。」
 エルル(フィロリアル)「はーい」
 リスタ(フィロリアル)「行ってくるわ!!」
 マッシュ(フィロリアル)「任しとけご主人!!」
 アンデットの群れを駆逐していくフィロリアル部隊
 めぐみん「『爆裂魔法(エクスブロージョン)』!!」
 カズマ「『爆裂魔法(エクスブロージョン)』!!」
 ゆんゆん「『上級雷撃(ライトニングストライク)』!!」
 大型魔法の爆音が響き渡りアンデットの群れが駆逐されていく
 エリス「『高位風嵐(セイクリットウィンドストーム)』!!」
 大きな大型かまいたちが多くの敵を物切りにしていく。
 大体敵が片付いたところで大型の巨大アンデットが迫ってくる
 めぐみん「カズマ!!魔力回復薬がもうありません!!」
 カズマ「まずい!!50個なら足りると言う認識が甘かったか!?」
 エリス「大丈夫!!こんなやつ『(セイクリットウィンドストーム)』!!」
 大型アンデットを風のかまいたちでバラバラに切り裂いていく
 カズマ「流石エリス様!!」
 エリス「!?」
 その後ろから大型の恐竜が襲いかかってくる
 エリス「後ろにもう一体!?」
 ダクネス「エリス様!!」
 ダクネスがエリスを守るように立ちはだかる
 その時炎を吹いて恐竜がバラバラに吹き飛ぶ
 聖哉「『鳳凰炎舞斬(フェニックスドライブ)』」
 聖哉の放った剣技だった。
 炎を纏った剣で一瞬にしてバラバラに切り裂く
 聖哉「やれやれレベル20と馬鹿にしてるくせに
 この様か、話にならんな。全く慎重さが足りない」 
 エリス「なんですって...ってあれ?」
 エリスは気がついた
 エリス(この恐竜レベル40はあるはずなのにレベル20
 で倒せるもんだったっけ?レベル20でレベル40相当の
 ステータスはあるのかそれとも...。)
 カズマ「ふっふっふ、ライトニングも使えるが
 魔力補充ができる環境ならやっぱり爆裂魔法だ!!」 
 力任せに魔法回復液で魔力を補填しながら爆裂魔法を
 撃ちまくる。
 
 カズマ「はぁ...はぁ...ようやく波が収まった
 この世界がこんなに厳しいとは思ってなかった...。」
 めぐみん「せっかく買った魔力回復薬ゼロですよ...
 どうしましょう...道中には道具屋も宿屋も無いし...。」
 ゆんゆん「私もMP無くなっちゃったよ...」
 ダクネス「心配するな!!私は回復する必要は無いぞ!!☆」
 カズマ「お前は使える魔法がデコイぐらいしかねえだろうが!!」
 エリス「この世界甘く見てた...大型魔法撃ちすぎて私も
 魔力が...。」
 その隣で一種類1000個はあるであろう回復薬たっぷりの荷台から
 魔力を補給している聖哉の姿があった
 ヒール軟膏・魔力水・魂癒水・命力水・傷薬なんでもある。
 一同「...。」
 エリス(どうしよう...こんな勇者に回復薬下さいなんて
 頭を下げて言えるわけ無い...でも...いってパーティーを
 全滅させた方がもっと駄目だし...。)
 ゆんゆん「えっと...勇者さんだっけ?」
 聖哉「聖哉」
 ゆんゆん「ああ、聖哉さん。ごめんなさい...
 みんなMP無くなっちゃったから魔力回復薬分けて
 貰えないかな、お願い...できる?」
 聖哉「はぁ...これだから慎重さの足りない連中は...
 回復薬50個なぞピクニックに行く意識の人間の思考だ
 最低でも上級傷薬1000個上級魔力回復薬1000個
 解毒剤予備道具含めて400個積めてようやく準備万端と
 言えるんだ、それを買えるだけの金はエリスにやったのに
 お前達は今まで何をしていた?」
 カズマ(ぐうの音も出ない...。)
 渋々分けてあげる聖哉
 ゆんゆん「あ、ありがとう。」
 カズマ「いや...そんな金無いっす...っていうかそれ
 どこで商売するおつもりの荷物量なんですか?
 どうやって確保したのこんなの?」
 聖哉「無ければ作るか稼ぐかすればいい。
 発注業者の限界・品質を分析し発注し
 合成を使って良質な商品を製造し商売すれば
 必要な金銭は確実に確保できる
 それでも発注業者の不手際で毒やウイルスが
 混入してるかもしれないからフィロリアルで
 原料から採取して片っ端から合成で製造し
 フィロリアルに毒味させて最終品質チェックを
 完了させてこそ安心が確保できるものだ。」
 カズマ「せ...1000個以上の回復薬を合成て手作りして
 品質チェックまでするの?」
 聖哉「『 当 然 だ ろ う ? 』」
 エリス「ええぇぇ...(驚愕)」
 めぐみん「頭おかしいですうううううううううう!!!」
 ゆんゆん「えっと...回復薬の類い荷台にざっと
 2000個以上はあるよね?一週間手作りして用意したの?」
 聖哉「流石に一週間で2000個以上製造は修行の
 時間が無くなってしまうから消費期限の長いやつを
 前々から1日50個ずつ製造しておけば40日で製造は完了する
 勿論消費期限のマーキングもする
 店の商品の不手際は発注業者の責任だからしなくても
 あまり問題はないし証拠日付発注業者の担当を控えておけば
 万が一裁判になったときに勝てる材料になる。」
 カズマ「アイテム揃えるのに消費期限とか裁判とか
 発注業者の控えとか聞いたことねえよ...。」
 するとフィロリアル達が野球場の土を整える道具を引っ張って
 魔物の死骸を集めている。
 めぐみん「ああ、そのかわいい大きな鶏みたいなやつの
 餌にするんですかね?」
 死骸の山を集め終わったフィロリアル達
 エルル・マッシュ・リスタ「ご主人様、どうぞお願いします。」
 聖哉「ご苦労。」
 一同「は?」
 そこに飼い主が歩み寄る
 聖哉「『爆殺紅蓮獄(マキシマムインフェルノ)』!!」
 ボーーーーーーン!!
 死体の山に大型炎魔法をぶちまけ始めた
 聖哉「ヘルズファイア!!ヘルズファイア!!ヘルズファイア!!ヘルズファイア!!
 マキシマムインフェルノ!!マキシマムインフェルノ!!」
 何度も何度も爆裂魔法よりは劣るが
 ヤバイとわかる大型炎魔法を死体の山に連打する聖哉
 ゆんゆん「ひぇぇ...。どうしたの勇者さん...。」
 カズマ「おい...MPの無駄だろ...なにやってんだこの
 アホ勇者...?」
 めぐみん「もしかして...この勇者思ってたより
 ヤバイやつだったのでは?でもなんかわかりあえそうな
 気がしてきました。気持ちがわかる気がします。」
 ダクネス「どうせなら私に直接撃ってくれないかな?(小声)」
 エリス(アリア先輩の助言を聞いて納得できなかったが
 私は思い知った...この勇者は...あり得ないぐらい
 慎重過ぎる...。)

 次回予告
 アクア「わっはっはっはっは!!私は女王アクア!!このアルカンレティアを
 治める女王よ!!」
 カズマ「おいこらてめえ人様の世界でなにやってんだ!!帰るぞ!!」
 アクア「嫌よ!!私はこの世界でエリス以上の帝国を創って
 やりたいことのありとあらゆることをやるんだから!!」
 カズマ「やめろぉおおおおおお!!」
 次回 この駄女神にラスボス気分を
 聖哉「つまり倒してしまってもいいのだな?」 
 アクア「倒せるもんならやってみろこのポンコツ勇者!!」