新庄監督の采配の問題点①

皆様、お久しぶりです。

新庄監督が日本ハムの監督に就任してから3年目、就任して以降選手起用や采配で問題視されることの多い新庄監督ですが、一体どこが具体的に問題なのでしょうか。
個人的な感想であることを念頭に置いた上で読んで頂けたら幸いです。


①適材適所ではない選手起用、作戦
まず挙げられるのが、臨機応変とは言えない根拠のない選手起用が多すぎることでしょう。


日本ハムは昨年リーグ3位の75盗塁に対し、失敗がリーグワーストである49盗塁死を記録しています。
チームに機動力を武器にできるタイプ、走塁技術の高い選手があまりいない中で積極的な走塁を推奨し、損益分岐点を度外視した戦略が良しとされているのは如何なものなのかと思います。


また、新庄監督はよく奇策としてランエンドヒット、ダブルスチールを多用する傾向があるのですが

●作戦を多用しすぎることにより、相手チームから作戦を読まれてしまい試行回数に対しての失敗が多すぎる

大前提として、奇策というものは「相手が想定していない状況において仕掛ける」というのがあるのですが、作戦を多用し過ぎることにより、大前提が破綻してしまっています。「例の2連スクイズ」に代表されるように、相手チームに対策されてしまうようではむしろ逆効果でしかありません。

それに対してよく、「作戦を遂行できない選手が悪い」と擁護されている事が多々ありますが、個人的には確かに状況によっては100%選手が悪くないかと言ったらそうではないとは思いますが、既に仕掛ける気満々だと悟られている状況でサイン通り作戦を遂行できる確率のほうが低い以上、成功させるのは難しいのではと思います。

成功確率が高く、効果的であるならば多少なりとも失敗しても問題視されにくいのですが、あまりにも見え透いた場面で仕掛けての失敗がありすぎます。

●俊足ではない、走塁技術の伴っていない選手を一塁走者として置いた状況でランエンドヒットのサイン

打力の乏しい選手にランエンドヒットのサインを出すならまだしも、中軸を打つような打者にまで狙い球度外視で手を出させてまで進塁させようというシチュエーションが多々あるのは甚だ疑問です。

野球は「いかに多く得点して失点を防ぎ、最後にしっかり相手より得点が上回れるか」というスポーツです。

進塁という得点へ繋げる「手段」のために打力のある選手にバッティングに集中させずに、例え2ストライクで高めのボール球が来ても手を出さないといけない状況を作り出してしまうのは本当に多く得点するという「目的」への近道なのかは再考の余地があるのではと思います。手段と目的が入れ替わっているような気がしてなりません。


金村尚真のリリーフ転向
2022年のドラフトで2位で日本ハムから指名され、先発として1年目から
2勝0敗、25投球回、23奪三振5四死球防御率1.80
という素晴らしい成績を残し、先発として計算できる能力を証明した金村尚真投手。

今年は毎年のように150投球回を投げていた上沢が先発陣から抜け、加藤、伊藤、山﨑の3本柱に次ぐ4番手投手として期待されていた最中、開幕前にリリーフ転向を示唆されてしまいます。

ペナントレース1シーズンに置いて投手が消化しないといけないイニング数は1300イニングが目安と言われているんですが、その中で先発投手として高い資質を持つ金村をリリーフに回してしまうというのは損失でしかないと考えています。

伊藤、加藤、山﨑を除くいわば「裏ローテ」で100投球回を達成したのが昨年の上原投手しかおらず、皮算用に近い状況で上沢投手が移籍した中で、1300イニングを消化しないといけない中で、とても金村投手をリリーフに回す余地があるようには思えませんし、開幕して4月19日まで先発投手が5枚で足りるとはいえその5枚にすら入らずたった一度の炎上でローテから外されてしまうのは不憫でなりません。

昨年は肩の怪我をしたこともあり、一軍での投球回は僅か25投球回ではあるものの、平均球速はNPB平均の146.5kmを上回る148km前後で、投球回に近い奪三振数を記録しておりながら、5イニングに1つ四死球を出すかどうかの高い制球力も両立しているといった素晴らしい内容で、1年目からここまで出来る投手はなかなかいません。
数字では表しにくい良さとしては立ち上がり不安定でも球種、引き出しの多さで修正して立て直す能力も他の先発候補にはない魅力です。

「山本由伸投手や千賀投手だってリリーフから先発へキャリアアップしたじゃないか!」と言った形の擁護もよく見受けられますが、山本投手や千賀投手はドラフト下位・育成での入団で、一軍で先発するのにはまだ時期尚早で、変化球のバリエーションやスタミナ等磨いていかないといけなかった経緯があっての一軍でのキャリア中継ぎスタートだったことから、金村投手とはまた違う経緯です。

先発からリリーフへ転向した河野投手や池田投手もドラフト上位で加入しましたが、先発では帯に短し襷に長しといった感じでなかなか芽が出ず、リリーフで持ち味を発揮して居場所を確立したという経緯があり、これもまた金村投手とは別のパターンです。

1年目から高い資質を残した投手をリリーフで起用してすり減らすことに意味があるのでしょうか。

先発登板だとだいたい年間60〜200イニング投球回稼ぐことが出来ますが、リリーフ登板だと多くても年間だいたい60イニング前後で、登板しない日もブルペンで肩を作る負担の大きいポジションという背景があってか、選手生命も先発投手より短い傾向が大いにあります。

新庄監督が「稼がせてあげたい」と話していましたが、年間で貢献できる投球回が少なく、選手生命の短いポジションに置くことが金村本人の生涯年収で本当に「稼げる」のかは考え直して欲しい次第です。