トーナメントのチップについて

著:木原直哉

日本人にはなじみがないチップ文化。
実はこのチップ文化も、自分が初めてラスベガスに来た頃と今とでは大きく違います。
先日いくら払ったら良いのか相談されたのですが、これは多くの人が疑問に思っていることですよね。なので、2024年現在のアメリカでのチップに関する雰囲気を伝えられたらと思います。


まず、WSOPではなく、あらゆるカジノでの安いローカルトーナメントについて。200ドルくらいのバイインのデイリートーナメントで、優勝したら3000ドルとか5000ドルとかそういう規模のやつ。
200ドルトーナメントではレーク12%、人件費3%天引きされてても、レーク24ドル、人件費6ドルにしかなりません。全員から6ドル取ったとして、それでディーラーさんの人件費として十分かと考えると、全然足りませんよね。こういうトーナメントでは1%では全然足りなくて、3%から5%を支払うのが標準的です。
チップの支払いをしたくない人でも、「最低でも1%」と思っておくのが良いでしょう。WSOP会場でのデイリートーナメントはもうちょっと安くていいかもですが、それでも1%は最低払うと認識しておくとよいです。


次にWSOPの冠イベント。
基本的に1000ドルから1500ドルトーナメントを想定してください。
レークが10%でスタッフフィーが3%。1500ドルトーナメントなら、レークで150ドル、スタッフフィーで45ドル。
まあまあ多いかもですが、でもこちらの標準的な時給を考えると、このスタッフフィーはスタッフ一人の1時間の時給にしかなりません。テーブルには9人いるから一人当たり9分の1としても、WSOPの運営にはチップランナーやケージの人、その他たくさんの人件費がかかってます。
なので、利益の1%くらいを払うのが標準的かと思います。その前後の端数を意識した数字にすると良いかも。ただ、ディープランした場合は金額が大きくなるので、もう少し割合が下がっても良いかもしれません。

最後に10000ドルやそれ以上のバイインのトーナメント。
基本的に4%のレークと2%のスタッフフィーが天引きされてます。
2%のスタッフフィーは200ドル。これは人件費として十分すぎる金額です。以前はそれでも、チップを払うべきという文化でしたが、最近はチップを払わない方がむしろ主流になってきています。なので、賞金の下2桁だけ払うとかでも十分な感じですね。自分はそれでも、割とチップを払う人間なのですが、それは単に個人的なこだわりに過ぎません。


ただ、チップって明文化されたルールがあるわけじゃないので、ここらへんの感覚はどんどん変わってます。これはあくまで2024年現在の感覚であって、将来的にはまた変わっていくでしょうから、2028年くらいにはまた違った感覚になっているかとは思います。


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