21/07/31 KZさんに会った日の日記

梅田サイファーの心臓部であり、
映像監督かつビートメイカー、そして
「日本一周をするラッパー」こと
KZさんにお会いしました。

知ったのは「マジでハイ」から。
20年コロナ禍で、オンライン開催されたミニ華金をきっかけに、すっかりファンになり、3 PREMIERでようやく初めてUCのライブに行けました。

特にこの半年間は、日本一周旅行中ということで、インスタ・vlog・アマチュアラジオのトークで旅情を追体験し、自分の「旅に出たい!」という気持ちを慰めています。
旅の最中、各地のファンに会うという時間を設けているKZさん。都民にも時間を作ってくださるということで、代々木公園へ突撃することに。3 PREMIERのTシャツを装備して、お土産に三鷹のコーヒーを買ってみました。

奇跡的に同行者がおりました。ミニ華金のYouTubeコメント欄で「LINEのオプチャを作ったよ」と聞いて、いくつかのオプチャに参加しました。コロナ禍で孤立しつつも正気で過ごせているのは、そこの皆さんが暖かいおかげ。そういう中でメンバーの方も参加されると聞いて、途中で合流して初めまして。オンラインでもご縁があるものですね。

19:30くらいに原宿側で合流・自己紹介し、20時頃に集合場所の野外ステージ側まで移動。夏の夜の公園をのんびりお散歩…と書くと風情があるけれど、現実は盛り上がっているパリピ・ダンスサイファー・バスケプレイヤー・虫が次々に暗闇から現れ、ちょっとビックリしては避けながら歩いて…一人では不安になるような暗さ。二人でよかったです。

野外ステージ前の広場に到着。オリンピック会場も近く、一般の通行は限定されていて、臨時で増設されたのであろう蛍光灯の下を各国のプレス・自衛隊などが行き交い、なんだか忙しない雰囲気でした。
ベンチに大きなバックパックを乗せたKZさんを発見。デニムに梅田キャップ、日焼けした腕に白いTシャツがよく映えていて、笑い声が公園に広がっていきます。先客の女性ファンの方のLPにサインするのはピンクヘアーのお兄さん。ハッチさんだ!「ぺぺが待ってるから…原宿駅ってどっち側?」と間もなく退散されてしまったのですが、お会いできて嬉しかったです。ワンちゃんネコちゃんのために帰る気持ち、とても良くわかります。

5〜6人ほど集まってきた頃、新譜の『SADACA』を皆で購入。「Even if I die tomorrow」で食らって、「俺が死んだ日」で耐えきれず泣きました、と拙い感想をお伝えできました。あまりにも切迫したリリックに対して、持病を抱えてるんじゃないかと奥様に疑われたとか笑。私の感想には隣のファンの方も共感してくれて、そんな小さなやりとりすらもとても嬉しく思えました。誰かと対面する機会に飢えていたのかもしれません。どついたれ本舗の「なにわ☆パラダイ酒」にもサインをお願いしました。作詞時のエピソードも伺って、お写真も撮って、撮られて、ホクホク。こちらの出す話題1つ1つに真摯に答えてくださるKZさん。コミュニケーションが希薄になっている自分の世界で、誰かの話をきちんと聞ける大人になれてるかな、自分の話ばかりしてないかな、とちょっと反省。

次の方にバトンをお渡しし、それぞれの想いの丈をぶつけている様をそうっと眺めていると、こちらまで熱と勇気が伝わってくる素敵な時間でした。進路、就活、仕事、家族…それぞれの人生の中にKZさんの音楽があるようです。

たとえば、好きなことを仕事にする不安を吐露した大学4年生さん。KZさんは、ご自身の仕事とラップの両立の経緯から、ご自身の考えを話していました。
「たしかに、仕事になるとそれまでと同様にファン目線で純粋に楽しむのは難しくなるから、苦しいと思うこともあるかも。自分も日本語ラップを聴くと、どうしても仕事として分析しちゃう。でも、それは今までよりも深く味わえるようになったということ。それもポジティブに捉えて、楽しめるといいよな」
あの頃の私、聞いてますか。ちょっと文学研究をかじった時、人生を支えてもらった小説との付き合いを否定された気分になって、楽しめず、これまでの人生全部ひっくり返ったような気持ちだったけど。本棚はいつだって味方のはず。
誰の話も、なんだか自分のことのように身近に感じられます。

20人くらいが入れ替わり立ち代わり。それぞれがKZさんとの1:1の時間を大事にしていました。皆さんのお話や差し入れの様子を伺っていると、段々と風が出てきて涼しくなってきました。気が付けばあっという間に2時間。人数も少なくなってきたところで、お開きに。

翌日のKennyDoesさんteppeiさんの2マンライブのために、夜の間に大阪に車で帰るというKZさんを見送ります。
その背中に向かって誰かが言ったんです、
「お気を付けて〜!大阪まで安全運転で!」って。

「安全運転?」
「え、大阪まで?」「それって…」
「OSAKA ANZEN UNTEN笑」
「大阪!大阪!」「安全運転〜!」

主役不在のところで急に盛り上がるファン8名。
それまでの穏やかさが一変し、愉快な雰囲気に。
ファン同士の会話も始まり、情報交換をしつつ、原宿駅組は皆で歩くことに。途中で、例のバンを発見。ちょうど出発しようとしていたKZご夫妻に改めて手を振りました。

駅にて解散。
「次はライブで会いましょう!」
「またすぐ会えそうですね」
「いつかまた笑」
「いつかまた!笑」

サイファーの輪が、KZさんを中心にして、
ご縁の輪っかになって、広がっていく。
そんな真夏の夜でした。