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巨人ファンだけど阪神・梅野の魅力を語りたい!

 開幕から1ヶ月くらい経過しましたが、プロ野球ファンの皆様におかれましては各々違った1ヶ月間を過ごされた事と思います。

 横浜DeNAベイスターズファンの皆様はさぞ苦しい1ヶ月間だった事とお察しいたします。ベイスターズの生え抜きレジェンド・番長こと三浦大輔さんが監督になり期待が膨らんでいた中でいろんな事情が重なり、外国人選手が全員来日しないまま開幕を迎えて開幕から盛大にコケてしまったわけですが…。

 同じリーグのファンとして同情するのも違いますし、巨人ファンとベイスターズファンってここ数年ごたごたしてますけども(笑)と言って今の惨状を見て煽るのもいささか憚られますし、ただただ強く生きてほしいと願うばかりであります。

 一方で好調なスタートを切ったのが阪神タイガースですね。4月24日現在2位の読売ジャイアンツに2ゲーム差を付け首位。投手陣も野手陣も好調で噛み合った野球をしているなという印象です。

 今の阪神は非常に面白いですよね。ゴールデンルーキー・佐藤輝明選手が早くも5HRを放って長打力を見せつけておりますし、ジェフリー・マルテ選手とジェリー・サンズ選手の両外国人選手がきっちり仕事をして打線を安定させている。

 元々投手力のチームで打撃力はそこまで…という印象でしたが、打線が厚くなった事で安定して勝てるチームに変貌していて、巨人ファンとしてはなかなか困ったチームになったなという思いであります(笑)

 中でも阪神に1人めちゃくちゃ好きな選手がいまして、今日はその選手を中心にお話しさせていただきたいと思っているのですけれども。

 サムネにもしているのでおわかりかと思いますが、僕、梅野隆太郎選手って現役No.1キャッチャーなんじゃないかと思ってるんですよ。

梅野隆太郎


 梅野選手を語る前に、個人的にキャッチャーとして大事だと思う能力の順番を発表いたします。

①ブロッキング
②スローイング
③バッティング
④リード
⑤フレーミング

 もちろんこれは僕個人の意見なので、「フレーミングは大事だろ」とか「リードが一番だろ」という意見を否定する気はありません。

 ただ思うにキャッチャーって不思議なポジションでして、キャッチャーがやってる事の大半が誰かとの共同作業なんですよね。

 例えばフレーミングって、要するにピッチャーが投げたボールを上手くストライクに見せる技術。もっと言えば「ストライクをストライクに見せる技術」などとも言いますが、これ個人的には不思議なんですよ。

 無論フレーミングという技術がある事は否定しませんが、どう上手く捕ったとて最終的に判断するのは審判。ストライクゾーンという概念はあるにはありますが、別に空中に線が引かれているわけでもないので結局は審判の主観に委ねられる。

 判定を決めるのが審判な以上、フレーミングって他力本願な技術になっちゃうんですよ。

 そこらへんの事を元千葉ロッテマリーンズの里崎智也さんが語っていらっしゃるのでご覧ください。


 同じくリードも僕の中ではあまり価値が高いものではなくて、これも「リード」という技術自体は否定しません。やっぱ意志を持った組み立てって大事なので。

 ただどんなにキャッチャーがリードしようと投げるのはピッチャーじゃないですか。投球の逆球率は一説では50%と言われております。50%という事は、組み立てしたリードの半分は無駄に終わる。

 この2点でもわかるように、キャッチャーってキャッチャーだけで完結する技術が意外と少ないんですよね。

 だから、一番重要なのはブロッキングなんですよ。

 セ・リーグファンの方なら共感してもらえると思うんですが、梅野選手のブロッキングやばくないですか(笑)Twitterやっている方は「梅野 ブロッキング」で検索してもらえれば一目でわかると思います。

 阪神には藤浪晋太郎投手というよくも悪くも物凄いピッチャーがおりまして、彼の持ち味といえば荒れ球。右打者の肩付近に死球を当てているイメージが強い方も多いと思いますが、それ以上に高めにすっぽ抜ける球、プレート手前に叩きつける球が多い印象があるんですね。

藤浪晋太郎


 現役選手の中で彼の荒れ球を完璧にブロッキングできる選手が果たして何人おるかって話なんですよ。

 梅野選手は小柄なキャッチャーですがそれ故に動きが俊敏。時にはジャンプして、時には横に高速移動してボールをブロックし、ワイルドピッチになるのを防いでいる。

 もしフォークボールを要求して逸らしてしまったら次から要求しづらくなりますし、ピッチャーの方も安心して投げる事ができなくなるじゃないですか。逆になんでも捕れるキャッチャーなら、ピッチャーも安心して腕を振る事ができる。

 でさっき「キャッチャーの技術は共同作業が多い」と書きましたが、ブロッキングに関しては完全にキャッチャーのみの技術なんですよね。暴投したくてしているピッチャーはいないわけですから。

 なのでキャッチャーの守備を考える時はまずブロッキングが一番だと思いますし、そのブロッキングが一番上手いのは梅野選手だとそう思うわけです。

 そのブロッキングの次に重要視しているのがスローイング。盗塁阻止技術ですね。

 盗塁阻止に関してはピッチャーのクイックモーションの上手い下手もありますし共同作業なんですが、ボールを捕球した後素早く投げて正確に二塁ベースへ届けるスローイング。これに関しては完全にキャッチャーの単独作業です。

 梅野選手はブロッキングだけではなく、スローイングに関しても非常に優秀だと考えております。ちょっと前に梅ちゃんバズーカなんていう、もろ関西メディアのセンスみたいな名称も付けられてましたが(笑)

梅ちゃんバズーカ


 バズーカというより彼の場合は正確性の方が魅力なのではないかと思ってます。無論肩も強いですが。

 このスローイングとブロッキングが両方上手い時点で凄いキャッチャーだと感じるのですが、この2点だけなら巨人にも1人上手いキャッチャーがいるんですよ。

小林誠司


 個人的には彼のブロッキング、スローイングは梅野選手に引けを取らないと思ってます。高橋由伸政権時代に正捕手をやっていた時はマジで現役で一番上手いまで思ってましたし、今も正直変わっておりません。

 じゃあ巨人ファンなら小林を推せばいいじゃないかって突っ込まれる方もいらっしゃると思うのですが(笑)ただあの~、小林選手って1つだけ致命的な欠点があるじゃないですか。

 彼、バッティングセンスがまるでないんですよ(笑)

https://npb.jp/bis/players/91795139.html

 これを見てもわかるとおり、OPSが.6を超えたのが最初の1年だけ。それ以降は.5を打つのが関の山という感じで、いくら守備が良くても打撃が良くならなければ出番が減っていく。現に今大城卓三選手に正捕手を奪われ、控えどころか二軍にいるわけですから。

 先程書いたキャッチャーの優先順位を見た時に「なんで守備と関係ないバッティングを入れてるんだ?」と首を捻られた方もいるとは思うのですが、キャッチャーだからこそバッティングが大事なんですよ。

 今セ・リーグはキャッチャーのプチ豊作時代になってまして、ついさっき名前を出した大城選手、広島東洋カープの會澤翼選手、中日ドラゴンズの木下拓哉選手や東京ヤクルトスワローズの中村悠平選手、今は怪我で離脱してますが横浜DeNAベイスターズの伊藤光選手など、打てるキャッチャーが全体的に揃っている。

 そもそもセ・リーグはピッチャーが打席に入るリーグですから、キャッチャーも打てないと自動アウトが2人並ぶ事になり大変不利になる。実際今最下位のベイスターズは伊藤選手の離脱によりキャッチャーの打撃力で頭を悩ませておりますよね。

 打てるキャッチャーが貴重な時代はとっくに終わっていて、キャッチャーは打てないといけない時代になってるんですよね。

 梅野選手の話に戻りますが、彼はバッティング面でも優秀です。

https://npb.jp/bis/players/21325139.html

 入団して数年は苦しみましたが、2018~2020年の3年連続でOPS.7台を記録。7~8番でキャッチャーがそれだけ打ってくれるなら十分なわけです。

 巨人で言えば大城選手の打撃力に小林選手の守備力が加わったようなもので、まあ羨ましい(笑)今年FAにも関わらずなんでか1億ちょいの単年契約なので、もしFA宣言するようであれば獲得してほしいぐらいですよ。

 まあ阪神から巨人にFAしたらどうなるか想像に難くないのでまずあり得ないと思いますが(笑)

 あと先程過小評価しちゃいましたがフレーミングの面でも梅野選手は優秀だと思っていて、大抵のキャッチャーってフレーミングと言いつつただのミットずらししかしてないんですよ。

 でも梅野選手に関してはちゃんとフレーミングしてるというか、これも「梅野 フレーミング」で検索してもらえればわかりますが捕球してから止めるまでが実にスムーズで無駄がない。

 里崎さんの動画で「捕ってからミットをずらすのは下手くそ。上手い奴は捕る前に動かしている」というような発言をしていらっしゃいましたが、梅野さんはまさにそれを体現できていると言えるでしょう。

 最後に、これは今までとはまったく関係ないんですが、梅野選手の根性も大好きでして(笑)

 2019年シーズンの早々に梅野選手が足の小指を骨折したんですが、それでも出続けたじゃないですか。それどころかサイクルヒットなんかも打ったり。

 まあ本来なら怪我したら休んでほしいんですが(笑)選手からしたら怪我で休んでる間に他の選手にレギュラーを奪われる危険性がある。競争の世界なので出れる怪我なら出続けたいと思うのがプロ野球の中では普通なんだろうと。

 とは言えキャッチャーで指を折りながら出続けるのって難しいと思うのですが、梅野選手はそれをやり遂げたわけです。僕正直敵ながら感動しちゃって(笑)

 阪神ってなんというか、泥臭さが似合うチームだと思ってるんですよ。巨人が東京のドーム球場を本拠地にしてぬくぬくやっているのと正反対に大昔に建てられた野外の土グラウンドで野性的にプレーしている。

 まあ実際巨人がぬくぬくやってるとも思ってないんですが(笑)阪神って金本知憲さんが手首を折りながら打ったりとか、そういった昭和的な雰囲気も魅力の1つだと。

 という意味では梅野選手って実に阪神らしい選手で、そういうところには巨人ファンでありながら惹かれちゃうんですよね。

 今回は以上になります。今年はオリンピックを開催するなら代表戦もあるわけですが、個人的には梅野選手を正捕手に選んでほしいですわ。甲斐拓也選手も會澤選手も良い捕手だとは思いますが、総合的に考えるとやっぱ梅野選手が一番適役だと思うんですけどね。まあ優勝経験がないのがマイナスなんでしょうが。

 ともかく梅野選手はもう少し評価されても良い選手だと思いますし、巨人ファンとしては阪神に優勝してほしいなどとは言えませんし思ってもいないですが(笑)どこかで全国的に評価が上がる機会があれば良いなあと思っています。

 それではこのへんで失礼致します。明日からまた緊急事態宣言で巨人も阪神も無観客試合を余儀なくされますが、なんとか乗りきってお互いまた有観客でプレーされる事を望みます。

 野球の底力、何度だって見せてもらいましょう。


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