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進まない給食室エアコン設置

 猛暑日の日数が過去最多となった今夏の東京都。都民にとって厳しい夏となったが、影響は学校給食室にも出ているという。
 「まさに地獄のような職場でした」。こう述懐するのは江東区の中学校の給食室で勤務する女性だ。実は区内の小中学校によっては給食室にエアコン設備がない。学校給食は夏休みに入るとなくなるが、今年は6月から夏日や真夏日が連続。7月は計13日間の猛暑日を記録するなど厳しい暑さが続いた。女性は「暑さの影響で仕事を辞める人も出てしまった」と訴える。
 区学校施設課によると、2022年度末時点で区立小中学校、義務教育学校全69校のうち、エアコン設置済みは39校で未設置率は43%に及ぶ。未設置校については改築工事や大規模改修のタイミングに合わせてエアコン設置を進めるという。ただ、全校に設置されるのは「令和10年代になる」(区の担当者)といい、今年のような猛暑が続く年になれば人命にかかわる可能性もある。
 令和4年度の決算委員会で、区の担当者は「猛暑日の増加を踏まえ、熱中症の観点から給食の提供を止めずに冷暖房機を設置できるよう検討する」と前向きな答弁を行った。
 とはいえ、暑さ対策は急務となる。区はスポットエアコン設置するなどの対策も行うが、現場では「実際には皿を冷やすなどに使われ、人に使われていない場合もある」との声も漏れる。複数台設置などの対策が重要になるが、担当者は「スポットクーラーの設置方法を工夫するなどの研究を行っている。学校間の融通についても行っていきたい」としている。
 「来年からも同じような暑さが続けばとてもじゃないけど働けない」。こうした現場の声に区はどう応えていくのか。

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