非IT業界からクラウドエンジニアに転職して1年が経過しました。
※当記事は、2020年4月5日にブログで公開した記事をnoteへ移転したものです
こんにちは、にの(@ninomiya_hy)です。
以前に、「IT業界未経験/27歳/高卒/ニート歴6ヶ月からAWSエンジニアに転職しました。」というまぁまぁ長ったらしいタイトルの記事を書いてから、はや1年弱が経過しました。(当記事の前編に当たる、「エンジニアへの転職に向けて勉強を開始してから、実際に転職するまで」を書いた記事です)
今回は、上記の記事の続編として、「転職後のエンジニア1年目の振り返り」を綴ってみようと思います。
エンジニアに転職するまでのあらすじ(「お前誰やねん?」と思った方向け・前回の記事の要約)
手書きのスコアシートを運用する廃れたボウリング場しかまともな娯楽施設のない片田舎に生まれ育つ(最寄り駅まで車で1時間かかるよ!)
高校入学と同時に与えてもらった携帯電話を活用し、
今は亡きモバゲーでITリテラシーを身につける(ちなみに自宅にパソコンはない)公立高校(当時の高校偏差値45)の普通科・就職コース(なんちゃって商業科)で、簿記・電卓・ワープロを完全に理解する(全商1級取得)
高校卒業後、就職を期に関西へ進出(以後、ずっと関西在住)
Excelで「VLOOKUP!ググってコピペでVBAマクロ!キャッキャッ!」しつつ、人事総務系の仕事に8年半従事する(自称・フルスタック人事)
一身上の都合
(音楽性の違い的なアレ)により、2018年9月に依願退職するProgate(手当たり次第にやってLv.314になる)、Railsチュートリアル(第9章まで)、RaiseTech(Javaフルコース)、書籍(Java、インフラ関係)、Udemy(AWS、Git)等で6ヶ月間勉強する
2019年4月に
AWSエンジニアクラウドエンジニアとしてSES企業に就職する
一言でまとめると、Twitterのエンジニア界隈の一部で話のタネとして非常に人気の高い、「会社を辞めてスクールに通いアラサー未経験からエンジニアになりました!」な人です。
(※よほど自分の「何がなんでもなんとかする力」に自信があるか、自分を窮地に追いやらないと本気を出せないドMか、やむにやまれぬ事情で先に退職せざるを得ない人以外は、在職中に勉強しようね!不用意にリスクを高める必要はないよ!)
第1四半期(4月~6月)
SES企業への入社と同時にSIer企業の現場へ配属され、最初の1ヶ月は「現場に慣れるための期間」として、主に既存システムの設計資料の読み込みや自己学習をしていました。
「明らかに基礎知識が足りていないよなぁ…」という自覚があったので、以下の書籍でIT全般とAWSの基礎知識を学ぶことにしました。(それぐらい転職する前に学んどけ!って怒られそう…)
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート(←これは入社前に読み終わった)
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド
Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド
5月頃からはタスクが渡されるようになり、僕が配属されたのが「AWSを利用したインフラの設計・構築」を主要業務とする立ち上げ初期の部署だったため、要件ヒアリング用の様式の整備や標準的な設計方針の資料作成等を、他のメンバーと協業で進めました。
「まともに環境を触ったこともないのに設計方針なんか作れんくね…?を作らせてくれるなんて…ありがてぇ…!」と思いつつ、アカウントとユーザーの管理方式(AWS Organizationsを利用したセキュリティ管理、アカウント間のスイッチロールを利用した運用保守等)や標準的な監視項目(CloudWatchの利用を想定)の検討を進めました。
不足している知識を補うため、「入門監視 モダンなモニタリングのためのデザインパターン」という書籍も読んでみました。こちらは、「えっ、監視とかやったことないけど…」という僕でも理解できる難易度で、ページ数も比較的少なめでした。(でも、きちんと理解しながら読むとやっぱり時間はかかる…)
6月頃からはネットワーク周りの設計方針に手をつけたものの、案の定「DNS…フォワー…ド…名前…解決…?」となったので、3分間ネットワーキングを熟読しつつ進めました。
書籍やWebの情報をインプットし資料としてアウトプットすることを繰り返していたので、この時期に全般的な基礎知識を固めることができたと思います。
どうやらこの時点では実案件の構築作業は一切経験していない模様。はやく構築やりたぁい…。
第2四半期(7月~9月)
設計方針の資料作成はひと段落(自分の知識でどうにかできる範囲まで作成し、別の方へ引き継ぎ)し、7月からは構築の標準化(手始めにCloudFormationでの検証構築から)を進めました。まだ実案件で構築したことないんだけどね…?
この頃、ちょうどGenerally AvailableになったAWS CDK(プログラミング言語でAWSのサービスをコード化できるイケてるサービス)をこねこねし始め、運用自動化用の既存のLambda関数(Python)を一部改良した上で、AWS CDKを利用して、CloudWatch(Events)、StepFunctions、Lambda、SNSを構築するためのコードを書いたりもしました。
また、6月頃からAWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト等を活用して細々と勉強を進めていた、AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトを8月に受験し、合格しました。(初めて取得したIT系の資格だったので、とても感慨深かったです)
AWS CDKが当時サポートしていたのがTypeScript(とPython)だったので、9月頃からは「JavaScript本格入門」とJavaScript寺子屋を読んで、JavaScriptも軽く勉強しました。そのままの勢いでReact + Redux を使用したモダンフロントエンド開発もやりました。(ReactってどこかAWS CDKぽくって良いよね!(多分Reactの方が先))
実案件の構築を初めて実施したのもこの頃のはずですが、あんまり覚えてないです…。(構築よりもPowerShellで簡易なツール作ってた記憶の方が色濃く残ってるんだよなぁ…)
YouTuberになったのもこの頃。(なってない)
非IT企業を退職してエンジニアへの転職を志すに至った経緯の詳細や、転職に向けて勉強している駆け出しエンジニアの方にお伝えしたいこと等を対談形式で話しているので、こちらも興味があればぜひご覧ください。ちなみに、「大手企業を『捨てた』」つもりはないよ!やむを得ず袂を分っただけだよ!いまでも会社自体は好きだよ!同期とも仲良い(と僕は思ってる…)よ!
第3四半期(10月~12月)
この頃(正確には第2四半期の中頃)から、身の回りのいろんな物事の雲行きが怪しくなりつつも、引き続き構築の標準化と実案件の構築に従事しました。
Terraformを本格的に触り始めたのもこの頃。「実践Terraform AWSにおけるシステム設計とベストプラクティス」はTerraformをハンズオンで学べる良書で、当時あまり知識がなかった(今もないけどね!)ECS等も含まれていて、とても参考になりました。
AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナルの勉強を始めたのもこの頃で、11月に受験するも見事に撃沈しました。(できればこのタイミングで取得しておきたい事情があり、功を焦りました…)
12月頃からはSIer企業様の現場を離れ自社勤務に。
そして、一身上の都合(音楽性の違い的なアレ)により、2019年12月に依願退職しました。
転職9ヶ月目でまさかの退職申し入れ、そして…
「で、でたーw大した成果も上げずに採用教育コストを搾取した挙句、入社1年にも満たないうちに転職して年収上げようとするフリーライドクソ野郎駆け出しエンジニア奴www」
と思った方向けに(?)(そんな人おる…?)経緯を書いておきます。(諸々の込み入った事情により、それほど詳細には書け書きません)
第3四半期(10月~12月)の冒頭で書いた、「身の回りのいろんな物事の雲行きが怪しくなりつつも」とはこのことで、9月頃から関係者の方々と様々な調整をさせていただいたものの、結果として上手く結実せず、11月頃に転職意思を固めて転職活動を開始し、12月初頭に正式に退職を申し入れました。
退職の申し入れ時点では内定は出ていなかったのですが、↑こんな具合に「もぅマヂ無理。。会社辞めょ。。。」となっていて、メンタルが逝くよりも先に胃に穴が開くのが早そうだったので、これ以上は身が持たないと判断して行動しました。(「はぁ…病むわぁ…」というよりも、「あぁあああっ!!これ以上色相が濁るとまずいことになるぅぅ!!」みたいな状態でした(どんな状態だそれ…?))
残業は原則なし(通算しても恐らく10数時間ぐらい)でしたし、職場内やお客様との関係性もそこそこ良好でした。仕事内容も先述の通りで、とても良い経験を積ませていただきました(一体どこに胃を痛める要素があったんでしょうね…?)。結果的には就職して良かったと思います。大変お世話になりました。
その後、退職の申し入れの翌週には、11月に応募していたCIer(クラウドインテグレーター)企業から内定通知をいただくことができ、そちらへの転職を決めたことを会社へお伝えし、退職が確定しました。(不採用やったらどうするつもりやったんや…。まぁ、なんだかんだでどうにかするんやろうけれども…)
ちなみに給与は同水準で転職しました。俺はフリーライドクソ野郎駆け出しエンジニアじゃねぇ…フリーライドクソ野郎駆け出しエンジニアじゃねぇっ!
第4四半期(1月~3月)
内定した企業への入社時期を2月とさせていただいたので、1月はゆっくり過ごしました。
ニート再び。
勉強もガッツリではないものの継続していて、「インフラエンジニアの教科書」「インフラエンジニアの教科書2」を読んでインフラ(特にオンプレミス)周りの知識を補完したり、気分転換にITから離れた本を読んだりしました。
(↑1兆ドルコーチ、特にマネジメント層や人事の方にはおすすめです。ええこと書いとる)
そして、2月に現職の企業へ入社しました。
最初の頃は実案件には携わらず、教育カリキュラム(社内標準類の理解や構築のトレーニング等)を進めていきました。きちんと教育カリキュラムを用意してくれるなんて…素敵…。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、入社早々に在宅勤務へ移行となりましたが、もともと会社としてリモートワークのインフラが整備されていたのと、上長を中心とする周囲のメンバーの助けもあり、特段問題なく仕事ができています。(と自分では思ってます…)
また、2ヶ月(人事+ニート期間)のブランクのリハビリを兼ねて、AWS認定クラウドプラクティショナーを受験し、合格しました。(思い入れのある(?)AWS Organizationsが出題されていて感慨深かった)
3月頃からは、主に実案件での構築や既存環境の運用保守作業(例えば、ELBやセキュリティグループの設定変更等)等に携わっています。ようやくまともに構築ができたぁ…嬉しい…。
1年間を振り返ってみての所感
ちょうど良い比較対象となる方(自分と似た経歴・状況のエンジニア)が僕の観測範囲内におらず、客観的(というか相対的)な評価がしづらいのですが、主観としては「それなりに頑張った方」なんじゃないかなと思っています。(「大量に積み上がった高難度のタスクを体当たりでこなし爆速で成長するぜぇ!」みたいな方には遠く及びませんが…)
諸先輩からみるとまだまだロースキルですが、自身の1年前と比べれば確かな成長を感じられる程度には先に進めました。
非IT企業時代と比べて総労働時間が減ったことや、働き方の自由度が上がったこと(裁量労働制や私服勤務等)、(主観として)キャリアパスが広がった・描きやすくなったこと、仕事の内容が自身の嗜好に合っていること等もあり、改めて「エンジニアに転職して良かったな」と思います。
2020年度の抱負
AWS・インフラ共にある程度の基礎知識は手に馴染んできた感覚があるので、より発展的な知識を身に付けて、対応できる範囲を拡充していきたいと思います。(もちろん基礎知識もまだまだ全然足りていないので、引き続き学んでいきます)
都度、必要と感じたものに取り組んでいきますが、至近(9月ないし12 月まで)の目標として
AWS認定6冠(CLF/SAA/SOA/DVA/SAP/DOP)
を挙げておきます。(早く試験受けに行ける状況になるといいな…。俺、AWSを完全に理解したらGCPをやるんだ…)
また、2020年3月からは英語学習(とりあえず英語耳で発音練習から)を始めたので、
TOEIC***点
(受けたことないから目標にするべきレベル感が分からん…とりあえず受ける)
も目標としておきます。
おわりに
最後に、実際に学んだ項目を一覧で再掲しておきます。(※「上で紹介できていないけど、こんなのも勉強したよ!」というものも覚えている範囲で追記しています(覚えてないだけでもっとあるもんね!))
第1四半期(4月~6月)
徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト教科書(書籍)
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート(書籍)
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者(書籍)
Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド(書籍)
Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド(書籍)
入門 監視(書籍)
3分間ネットワーキング(Webサイト)
ゼロからはじめる Dockerによるアプリケーション実行環境構築(Udemy)
第2四半期(7月~9月)
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト(書籍)
JavaScript本格入門(書籍)
JavaScript寺子屋(Webサイト)
React + Redux を使用したモダンフロントエンド開発(Udemy)
プロを目指す人のためのRuby入門(書籍)
第3四半期(10月~12月)
実践Terraform AWSにおけるシステム設計とベストプラクティス(書籍)
AWS認定アソシエイト3資格対策~ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーター~(書籍)
痛快! コンピュータ学(書籍)
現場で使える Ruby on Rails 5速習実践ガイド(書籍)
第4四半期(1月~3月)
インフラエンジニアの教科書(書籍)
インフラエンジニアの教科書2(書籍)
UNIXという考え方―その設計思想と哲学(書籍)
前回の記事に劣らず長くなってしまいましたが、ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
この記事の中でよく分からなかったことや、聞いてみたいことなどがあれば、僕のTwitter(@ninomiya_hy)にご連絡をいただければ、お答えできる範囲で良ければ返信しますので、お気軽にどうぞ。
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