舞台『GRIMM』を見た
『キカクのタネ』
私が推しに出会い、その企画の名前を知った時、確かこの企画は第6回放送目とかだった気がする。
新参ながらアカウントを作り、作って欲しいグッズやパンフ企画に応募したものだ
そんなキカクのタネが、先日花を咲かせた
ここで素直な感想を。
すっげーーーーーーーー良かった
芝居オタクなのでまあまあの数の舞台を見てるんですが
まさか新作舞台をこのタイミングで見られるなんて
というか、普通に面白くて(失礼)
感動しました
というわけで今回の目次
演出について
ほんとに最初の最初の記事に書いたと思うんですが、自分が初めて観劇した2.5らしい2.5舞台は古谷さん演出の『幕末Rock』でした。
初めて見た2.5演出家を親と思うのと同じように、古谷さん演出の中で2.5感性を育てた自分にとって
グリムドンピシャ
(まあ古谷さん演出でも『合わねー!!!!』って思うときはあります。にんげんだもの)
ただ、今回はドンピシャだった。
自分あんな感じの舞台好きなんですよ。ドラマチックで照明を効果的に使うやつ。逆光大好き。
なので、ほんとにドンピシャ。滅茶苦茶良かった。プロすげー
今回はかなりの叙述トリックが使われてて、観客も主人公の二人に滅茶苦茶騙されます。というか、頭動かさないと簡単に置いてかれる。
よほどうまく作って上手く演出しないと破綻まっしぐらなので、プロの技を見た感じ。さすがだ…
役者について
自分は3公演目と千秋楽を配信で拝見しました。放送とかを見た感じアドリブ満載を覚悟してたんですが、思ったよりアドリブは少なかったですね!(高崎翔太を何だと思ってるのか)
自分は高崎さんと橋本さんが並んでたら橋本さんを見るタイプのオタクなんですが、今回の高崎さん滅茶苦茶良かった。滅茶苦茶良かった。
3ステを見た時は正直『いつもの高崎さんのお芝居だ』って思ったんです。安定感がある代わりに、どこかで見たことあるなーって。ただ、千秋楽見たときに印象が180度変わりました。
観た人はわかると思うんですが、『リュックサックと帽子と角笛』のシーンのお姫様が滅茶苦茶良かったです。こういうタイプのお芝居珍しいよね…?
そしてやはり、安定感が素晴らしかった。千秋楽はところどころセリフが詰まってた気もしなくはないけど、居るだけで場が安定するのは本当に凄いと思う。座り方と発声の仕方一つで場が締まるのほんとにヤバい。
お兄さんだけど、強くてしっかりしてるわけじゃなくて、見た目からして不安定そうな弟よりもよっぽど不安定で苦しそうなお兄さん。
滅茶苦茶かっこよかった…。
そして橋本さん。橋本さんも滅茶苦茶素晴らしかった。やっぱりこの人は凄い。
ひよりちゃん(いまさらキスシーン)に続いての発散系。橋本さんの喉とメンタルが非常に心配になる。
こう、声優さんとかでもそうなんですが、『当たり役』って続くじゃないですか。〇〇さんの★★みたいな役また見たいなー。みたいな。
ただこういう役って恐らくメンタル滅茶苦茶持っていかれると思うので、見たいけど見たくないような…。いや、見たいな。正直頭から血を流して走る役はあと百回くらい見たい。
ビジュアルも、目が隠れてたり、おっきなリボンつけてたり、ジャケットの前が閉じてたりと、兄のヤーコプより幼くて不安定。悪夢もよく見るし、悪夢の中で情緒が滅茶苦茶に荒れるロマンティスト。
兄が死ぬ展開はすらすら書けるのに、自分が死ぬ展開は書けなくなっちゃうような、
そんなドがつくほど不安定な役を演じる橋本さん。正直滅茶苦茶見たかった。この企画に感謝。
凄く良かった。
構成について
★パンフレット持ってない人が書いてます。発送待ちなんですが、届き次第修正します。演出の古谷さんや役者のお二人が既にパンフ内で言及されていることについても考察しているかもしれませんし、明後日の方向に考察している可能性も大いにあります。パンフ届き次第また修正を入れるのでご容赦下さい★
なにを隠そうこの話、夢と現実を行き来するのですが構成がややこしい。しかも二人芝居なので更にややこしい。
私は、一回目見たときはついていけなくて、途中で本質を理解するのを放棄してアトラクション感覚で楽しみました。反省してます。
なので、自分用に構成をまとめます。
というか、物語を自分用にまとめます。
滅茶苦茶ネタバレです。
あと、本編見てないとサッパリだと思うんで、グリムまだ見てない人は読まないほうがいいと思います。マジで。
むしろ、1回本編見て、アーカイブでもう1回見ながら読んでほしいくらいの内容です。
8割後半の話です。
ネタバレ踏まないように間を開けてます
このさき読まれる方へ。
考えながら書いているため、かなりこねくりまわしてます。後日わかりやすく(当社比)書いたノートを上げたので、あっさり読みたい方はそっちへ…
本質的な話。この物語は何について語っている?
自分が盛大に躓いたのがここです。
この話は、現実と夢の中を行き来しながら悪魔が納得するように物語を修正する話。
…なんですが、途中から
悪魔をぶっ倒す話
に変化します。
そう、『悪魔と交渉する』二人じゃなくて『悪魔をぶん殴る』二人を描いてる。
私はここで躓き、『結局編纂ってどうなったの?』っていう余計な心配を抱えて物語を終わらせてしまいました。最終的に『物語の修正』よりも、『物語の修正を頼んできた悪魔をぶっ倒す』方向に舵を切っています。
ここに気づけなかったのはマジで愚かでした。なんにもわかってねー!
どこが夢でどこが現実?誰が悪魔で本人はどこ?
この物語は先述した通り、現実と夢を行き来します。
そして、基本的に夢の世界には二人で入るのですが、一人で入ることもあります。
これも私理解できていませんでした。もはや美しい顔を見るだけの会。勿体なさすぎる。
ここが理解できなかったので、物語の本質を理解できなかったんだと思います。
のでので、物語の本質をより理解するために、
どこからが夢でどこからが現実
誰か悪魔で本人はどこにいるのか
考察します。
物語を整理
冒頭からお話の流れを整理します。
太字が物語、()内が物語の中に入っている人です。
兄弟の手紙
↓
いばら姫(二人)
↓
怖がることを覚える為に旅に出かけた男(二人)
↓
悪魔ヤーコプとヴィルヘルム
↓
鉄のストーブ(二人)
↓
ルイーザの話
↓
ワインを飲みながら兄弟喧嘩
↓
歌う骨(ヴィルヘルムのみ)
↓
悪魔ヴィルヘルムとヤーコプ
↓
リュックサックと帽子と角笛(ヴィルヘルムのみ?)
↓
いばら姫(二人)
夢の入口
基本的に、悪夢に入り物語を深める構成です。
夢に入るムーブがないので、基本的には『童話のタイトルを言って本を開く』が悪夢への入口。
(起床ムーブもないので、いつが現実でいつが夢の中なのかわからない。)
あとは悪魔と会話するシーンは基本的に夢の中のはず。
悪魔について(8/17追記)
作中で悪魔は黒いマスクを身に着けます。でも、黒いマスクつけてないときもあって、
クライマックス
ヴィルヘルムと対峙するいくつかのシーン
ここではマスクをつけていない。
そして、物語で語られていたことを思い返すと
悪魔はヤーコプとヴィルヘルム、両方の中に存在している
ってことになるんじゃないかなぁ…。と
つまり、“誰にも存在を依存していない悪魔”は存在してない。
悪魔は必ず、誰かの姿を借りて現れる。ってこと
仮面ヤーコプが現れた時、ヴィルヘルムが笑いながら言った「兄さん!なにやってんの?」がメタ的発言じゃないと仮定したら(本当に兄が仮面かぶってるように見えたら)
ヴィルヘルム目線→悪魔がヤーコプの姿をしているように見える
そして、ヤーコプは仮面ヴィルヘルムを見ても全く反応してないことから
既に仮面ヴィルヘルムに会っている(ルイーザと別れた時に仮面ヴィルヘルムに会っていて、メタの下りを終えた)
もしくは
仮面ヴィルヘルムがヴィルヘルムに見えない
恐らく前者のはずなので、
ヤーコプ目線→悪魔がヴィルヘルムの姿をしているように見える
ヴィルヘルムが最初に悪魔に合った時は「暗い部屋」であったから、ヤーコプの顔してるって気づいてなかったし、
ヤーコプはヴィルヘルムの顔してる悪魔を見たからこそ、ヴィルヘルムの事を疑ってかかるのね。きっと
誰が悪魔か
で、大切なのが
『兄弟喧嘩、歌う骨、リュックサックと帽子と角笛の途中から兄らしく振る舞っているヤーコプは悪魔』
ってこと。私はここに気づけなくて更に更に躓いた。私は一体何を見ていたんだ…?綺麗な顔だよ!!!!!(ド失礼)
(本物のヤーコプは、寝てるヴィルヘルムの隣で『一人で悪夢を見ているのか!』って言ってる)
それまで悪魔が必ず黒いマスクをつけてたのは、ミスリードを誘ってたんだと思う
(ヴィルヘルムが眼の前にいるヤーコプことを悪魔って気づけなかったから、悪魔がヤーコプ本人に見えたってことはさっきも書いたけど、肝心なのは観客もヴィルヘルム(主人公)目線だからごちゃまぜになってる。ってこと)
起きてる時間(8/17追記)
この話、夢の話が8割で起きてる時間は滅茶苦茶少ないです。
恐らく夢じゃないのは
・ルイーザの話前後(ルイーザ話し中は回想)
・ヤーコプ「ヴィルヘルム、起きろ!」
・対悪魔戦(?)
くらいじゃないかしら…?
よって、誰かどのタイミングで寝てるのかを整理する必要があります。
眠るタイミングで一番ややこしいのが後半部(ワイン飲みながら兄弟喧嘩〜)。
後半は、兄と弟は入眠するタイミングをバラけさせてます。これは、悪魔を倒す計画の内で、
兄→起きる時間を遅くするため入眠時間を遅くしている
弟→体が弱いので、兄のような生活リズムにはできない(弟的には不服)
そして、歌う骨の直前で、兄が眠る弟に「一人で悪夢を見ているのか」っていうところから考えると、
兄弟喧嘩及び歌う骨は、弟が眠って、兄が追いかけて眠る間に、弟が一人で見た悪夢だってことがわかる。
そして、歌う骨後の悪魔ヴィルヘルムとヤーコプの会話なんですが、会話中にヤーコプは悪魔に
「お前も俺たちの世界に来て」
って言ってる。ので、このシーンはヤーコプの夢の中(俺のたちの世界ではない)
ただ、ここで疑問が一つ。
ヴィルヘルムはどこにいった?
ヴィルヘルムは1回起きてる?
このあたりの流れをさらいなおすと、
ヴィルヘルム、歌う骨の世界から兄を探して飛び出す
↓
ヤーコプ、ヴィルヘルムが落としたメモを読む
↓
ヤーコプ、悪魔と会話
これだけ見たら夢の中を彷徨っているのが妥当だと思うんですが、
「ヴィルヘルム、来い、俺の悪夢の中へ」
ってヤーコプが言うんですよね。
ってことは、ヴィルヘルムはヤーコプの悪夢の中に居ない=一回起きてる?
これまでの経験的に、基本的に「悪夢の中では隣りにいる」はずなんですよ。
ってことから、恐らくヴィルヘルムはここで一回起きてる。
もしくは、兄と違う軸の夢の中にいる。
兄と違う軸の夢の中…?
いやでも多分普通に起きてると思う。
話を戻して
どのタイミングで誰か悪魔なのか問題に戻ります。
少なくともリュックサックと帽子と角笛の冒頭の兄は本物の兄。
でも、途中で悪魔と入れ替わっている気がするんですよね。
リュックサックと帽子と角笛
この童話の中では、兄弟の悪魔的部分が露見してる。つまり、言ってしまえば非常にオーソドックスな童話らしい物語になってる。
「人間は善意と悪意の二面性がある」
だからこそ、伝承童話が良い。というシーンがあるんですが(理解力が低いので違うかもしんない)この物語の中からは兄弟達の『善意』が綺麗さっぱり拭い取られ、悪意のみになってるんですよ。
なので、どっちも悪魔的思考をして、悪魔的動作をする。
なのになんで途中で悪魔と入れ替わってるかって思うと、滅茶苦茶シンプルに
ヤーコプが寝ているヴィルヘルムに声をかける
+
ラストシーンで悪魔ヤーコプが話す
からです。
どこまでが兄で、どこからが悪魔?入れ替わりのタイミング
この物語において唯一信じられるのは「現実の世界」。
夢の中は捻じ曲げられたり、主観が入っています。悪魔の介入もあるし。
その代わり現実の世界はすべてが正しいはず。ただ、現実のシーンは滅茶苦茶短いですし、少ないです。
兄弟の悪魔対策会議とか多分現実で滅茶苦茶やってると思うんですが、ミスリードを誘うためなのか、その事については全く語られません。
本題に戻して、
リュックサック〜の途中で、眠っているヴィルヘルムにヤーコプがかける
「ヴィルヘルム、目を覚ませ」
っていう台詞。このセリフをかけるためには、ヤーコプは目を覚まさないといけない。
現実の世界は正しいはずなので、この時ヤーコプは必ず起きている。
多分入れ替わったタイミングはここなんじゃないかな。
また、この童話中に鐘の音がなるんですが、タイミングと回数は
ヴィルヘルム「家へと帰りました」(兄:俺はこの童話の中で生きるよ)1回
ヤーコプ「疲れ切ってしまいました」(弟:俺は童話の世界で頂点を目指したい)1回
ヤーコプ「お腹いっぱい食べました」(弟:そんな心があたたまるような童話を〜)2回
ヤーコプ「ポケットにしまいました」(弟:俺はもっともっと〜)3回
回想(弟:俺のことを馬鹿にしたことも〜)4回
ヴィルヘルム「到底兵士たちには叶いませんでした」(兄:目を覚ませ)5回
ラスト(弟:王となりました)6回
歌う骨後半〜悪魔ヴィルヘルムとヤーコプの会話の直前でも時計の秒針の音が流れてるんですが、
…この鐘の音、グリム家にある時計の音…?
兄のチャイムは1回と5回で、弟のチャイムは1、2、3、4、6回。
また、悪魔ヴィルヘルムとヤーコプの会話直前、ヤーコプは寝入ったばかり。
時計の音が聞こえるのは、眠りが浅くなった(悪魔ではなく、自分との会話)タイミングなんじゃないでしょうか…?
いやでも、なんかそれじゃ能が無い…?
チャイム1回が2回あった方に意味がある…?
…
…
…私が思いつかないような意味があるのかもしれません。(投げやり)(思いつかん)
でも、グリム家の時計説ってのはわりといい線いってる気がする。
というわけでちょっーと冷静になって考えると、この鐘の音が正しければ二人が起きたのは6時。
6時!?
昼じゃない!むしろ起床時間としては普通!むしろ早いくらい!
しかも、ヤーコプはヴィルヘルムより後に眠り後に起きるはず。この考察のままではヴィルヘルムの方が後に起きてる。
「二人の目覚めに合わせて(作業開始に合わせて)悪魔が邪魔しに現れる」
ってことにすれば…うん…?
一回契約を整理すべきかしら…?
…いや待てよ
もしかして、この夜に二人が飛び込んでる物語は「歌う骨」でも「リュックサックと帽子と角笛」でもなく、「二人が悪魔を倒す」物語??本読んでるもんね…?あら…?
「二人が悪魔を倒す物語」
基本的に、「目覚めてる世界」では本を持たない。
逆に言うと、回想含む「目覚めていない世界」では、必ずメモとか本とかを持ってる。
「二人が悪魔を倒す物語の中にダイブしてる」って思ったら、兄さんが何度も言っている「これは俺たちの復讐劇」や「俺たちの物語ならいくらでも編纂できる(意訳)」が活きてくる。
…ってことはもしかしてこれ、頭から最後まで…
夢?
朝?昼間?日中?
…
ちょっと冷静になって土まんじゅうを読みました。土まんじゅう内で悪魔が倒されるのは「昼間」というより、「朝」なんですよね。朝日で焼けちゃうみたいな。
で、二人が住んでるドイツの日の出は、早くて5:20位、遅くて8:20位らしい。
(服装的に冬っぽいんだけど、服装はかなり前段階から決まっていたからあまり考えなくてもよさそう。)
ってことはやはり
悪魔を消したのは『朝日』ってことで正解なのかな…?
…いや、違うな
『タイトルを言い、本を開いたら夢に入る』
このルールが作品中に常に適応されているなら、
少なくともヤーコプはこのシーンで何回も『俺たちの復讐劇』(俺たち自身の物語)って言ってる。しかも、朝のシーンは更に『本を開いている』
ってことは、悪魔を倒すシーンはまた夢を見てるってことになる。
夢の中で悪魔を倒してる
サバイバルゲーム
ここで、悪魔と兄弟の契約について考える。
1夢の中でヴィルヘルムが契約
弟に真実の物語を与える。その代わり、編集して残虐な表現を消した物語の中で悪魔の怒りに触れた作品元に戻す。n/200作品
兄弟の対策→悪魔の怒りに触れた作品を見つけ出し、作品ごと全部燃やす
2夢の中で悪魔ヤーコプとヴィルヘルムが契約更新
編集を戻さないと、大切な人は死ぬ(その者にとっての悪夢を見続ける)期限付きなので、次会うときまでに間に合わなかったら実行します。
ここでサバイバルゲームが初登場。
「生きるか死ぬかのサバイバルゲーム。」
(はけ口を間違えると、朝になったら大変)
3夢の中で悪魔ヴィルヘルムとヤーコプが契約更新
編集してほしいのは作品そのものではなく、童話集自体。悪魔が残してほしい作品以外の作品のブラッシュアップをするから、止めたかったら俺たちの世界に来い。
兄弟の対策→悪魔を現実におびき出し、光を浴びさせて殺す
悪魔がやりたいこと→夢の中で二人を殺す(現実でも死ぬ)のが先か、悪魔が兄弟に殺されるのが先かのサバイバルゲーム
2回目(悪魔兄)の時、「期限付きで再び現れる」って言ってる。ってことは、再び現れた時がその「期限」のはず。
3回目に悪魔が現れたとき話していたのはヤーコプだった。つまり、ヤーコプにとって大切なの存在であるヴィルヘルムが夢の中で死んだら、現実でも死ぬことになる。
…ヴィルヘルム、死んだね…?
ヴィルヘルムは死んでいた…?
歌う骨とリュックサック…の途中でヴィルヘルムは起きたんじゃなくて、起きれなくて悪夢の中で彷徨っていた…?
軸が違うというか、一回死んだから…?え…?
歌う骨の中でヴィルヘルムが「弟は死んでしまいました」って書けなかったのは
自分が死ぬ展開を書くのが怖かったんじゃなくて
2回目の「編集を戻さないと、大切な人は死ぬ」っていう契約を覚えていて、自分が本当に死んでしまうのをわかってたから…?
ーーーーって思ったけど、ヴィルヘルムが死んだのはヤーコプが悪魔に会う前でした!!!!!
ー完ー
はい、戻ります。
2回目の悪魔に会ったのは弟
悪魔との契約は
『次に会うまでに編集を戻さないと、大切に思っている人が悪夢の中で死んだ場合、現実でも夢から醒めなくなる』
3回目の悪魔に会ったのは兄
兄に↑の契約文を当てはめてみると『次に会うまでに編集が戻ってなかったので、大切に思っている人(ヴィルヘルム)が悪魔の中で死んだ場合、現実でも夢から醒めなくなる』
ってことは、呪われたのはヴィルヘルムのはず。
だからヤーコプはリュックサック…の中で死んでも、現実に戻れた。
(ただ、歌う骨の時のヴィルヘルムのメンタル的に「もし自分が悪魔に会った後に兄が悪魔に会っていた場合、ここで“弟は死んでしまいました”って書いたら自分は死ぬ」っていう思考回路が働いて書けなくなるのはありえる気がする。かわいいね)
本筋に戻そう。悪魔が何回も言っている「サバイバルゲーム」について
サバイバルゲームで悪魔が勝つ条件は
二人を悪魔的意味で永遠の眠りにつかせる(殺す)こと
リュックサックの童話が終わったあと、悪魔はすごく嬉しそうに「あとはお前が死ぬだけだ!」って言ってたけど、
リュックサックと帽子と角笛で死んだのは呪われていない兄だったので、そもそも悪魔は王手を指せていない。
(悪魔が言う『大切に思っている人』が、『契約更新の時に会った人』じゃなくて、『兄弟それぞれの』だったら、この説は崩壊する)
(でも、前にも書いたけど、ヤーコプ(リュックサック兄)は悪夢の中で死んだ後、現実ヴィルヘルムに「起きろ!」って言ってるので、ヤーコプは呪われていないはず)(呪われてたら起きれない)(悪魔が王手をさすには、ヤーコプが呪われていないといけない)
でもなんにせよ、悪魔は兄弟それぞれの心の隙間に入り込み、お互いのコンプレックスを刺激して『両者の魂を奪う』ことが目標だったはず。
なので、ラストシーンで悪魔本人が言ってたように『ヴィルヘルムが非業の死を遂げれば』悪魔の勝利(自分で書いておきながらちょっと意味がわからない)
そして問題のラストシーン
問題というかなんというかなんですが、
兄、どこにいたん…?
ヴィルヘルムが目覚めたとき、部屋にいたのは悪魔ヤーコプ。
その悪魔ヤーコプは会話の最中に悪魔ヴィルヘルムになったり、悪魔ヤーコプに戻ったり。
それまで悪魔だったお兄さんは普通の顔をして悪魔ヴィルヘルムと話をする。お兄さん、今までとこにいたん…?
やっぱり悪魔は、誰かの体を借りないと存在できないってことか
今が夢の中でも現実でも、悪魔が兄弟の中に存在しているのは正解のはず。
ってことは、ラストシーンのヤーコプとヴィルヘルムが入れ代わり立ち代わり悪魔と本人を演じているのは、演出とかそういうのではなく、
マジで悪魔が二人の体を入れ代わり立ち代わりしている
ヴィルヘルムが目覚めたとき、目の前にいたのは、
舞台的に兼役とかメタ的なものじゃなくてマジで中に悪魔が入っているヤーコプ?
朝は夢か、現実か
ここでちょっと前の話に戻ります。
二人が悪魔を倒したのは、現実世界の話なのか、夢の中の話なのか
ヤーコプとヴィルヘルムが悪魔を倒したとき、二人は本を持っていて、
且つ、夢の中に入る条件をしっかり果たしている。
ヤーコプが来いって言ったのは「現実」じゃなくて「二人が揃う作業場」って仮定したら、悪魔を倒した世界が夢の中ってことに王手が指せる。
(リュックサック…の中のヤーコプモノローグも、それに添ったような事を言ってた。「俺はこの世界で生きる。この童話の世界で」みたいは)
ちょっと話を変えて、目覚めの話をします。
怖がることを覚えるために…の後に、ヤーコプが「じゃあまた夢の中で」みたいな事を言ってハケる。
自分はこれが(既に起きていて)文字通り部屋から出ていったとかだと思ったんですが、
夢から醒めたって解釈することもできるはず。
つまり、悪夢から醒めるのは自由意志
夢の中で物語を選び
夢の中で追体験をし
自分の意志で夢から醒める
ってことは、童話が終わった=夢から醒めたではない。
童話が終わっても、しっかり目覚めないとまだ夢の中
つまり、
悪魔を倒したのは、夢の中
まるで『レディ・プレイヤー ワン』みたいに、悪魔に「ここは現実の作業場」って思わせ、夢の中で退治した…ってこと…?
でもそう考えると色々辻褄が合う…。
二人は本当に
「悪魔を倒す物語」
の中にダイブしていて、夢の中に現れた悪魔を夢の中で倒した…ってことになる
悪魔を倒す物語
兄弟たちは恐らく、作品で語られていない“昼間”に、
二人が悪魔を倒す物語
を書いてたんだと思う。
そして、ラストシーンで、悪魔が自分たちの作業場に現れた時(外が明るい時間)を狙ってその物語の中に飛び込んで、悪魔を殺した。
これが、物語の真相なんじゃ…ないかしら…???
まとめ
ヴィルヘルム目線で考えると、
ただでさえ「兄の失恋」が原因で悪魔が現れたと思ってるのに
当のヤーコプは悪魔になったり本物になったりコロコロコロコロ変わって
それまでのコンプレックスや「体が弱いからって理由で兄並みの研究ができない」などの怒りが積み重なり
素顔のヤーコプから「俺が悪魔だよ!」って言われた結果
ヤーコプが滅茶苦茶悪く見え
観客的にも
ヴィルヘルムと同じ目線に居るのでヤーコプを信じられなくなり
普通に叙述トリックを使いまくり
兄弟特有のツーカーで説明をかっ飛ばし(ミスリードも兼ねて)
二人芝居だからこそ悪魔がどこにいるかわからなくなり
ヤーコプは腹の中を見せない性格でミスリードを煽り
兄弟は悪魔を倒すために観客もろともガッッッツリ騙す
そして
兄弟どちらも悪意に振り回され悪魔ムーブをじゃんじゃん行う
この、虚構の上に虚構を積んで嘘をぶっかけたストーリー
これは…一発だとわからん!!!
終わりに
整理してよかった…。もし「よくわかんなかったけどビジュアルが完璧だったからヨシッ(現場猫)」してたらこの話を全く深堀りできないまま終わってたところだった…。
とはいえ、まだちょーっと腑に落ちてないところもあるんで、このノート踏まえてもう一回見直してまた考察投稿します(エリーゼの事とか一切触れてませんしね)(鐘の話も放棄したし)あと、普通に普通の感想も投稿する。
もし「このノートではこう書かれてたけど、ここはこうじゃない?」みたいなアイデアある方、教えて下さい…。
読みにくい文章をここまで読んでくださってありがとうございました…。このノートが作品をより深く解釈するための何かしらのお手伝いになったら幸いです…。
また、読んでいただいた方の中にはパンフを既に読まれている方もいらっしゃると思いますし、答え的なものをご存じの方もいらっしゃると思いますが、素人の個人用考察ノートなので色々ご容赦下さい…。
また、ここまで来てグリステ見てない方。まだ間に合います。見ろ。
追記
エリーゼの下りに入るとき、兄さんが言っていたセリフが滅茶苦茶好き
『この精密ではない学問に対しては、常に忠実に、純粋でなくてはならない。』
この精密ではない学問。っていう言い回しが最高
追記(8/17)
読み直して滅茶苦茶わかりにくかったので、新しくわかりやすいノートを作りつつこのノートを書き直しました。アウトプットがドドド下手なので、わかりやすいノートだけにしか書かれてないものもあるかもです。もしお時間あれば見てくださいー!!このノートの半分くらいの量です!!!
りんく
追記(8/23)
ヤーコプの彼女の名前がどうしても覚えられない!!全然違う名前書いてます!すみません!
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