留守番日記(4/7)

気づけば桜が満開で、SNSには花見に出掛けている人がめちゃくちゃたくさんいる。せっかくの良いお天気だけど、彼が旅行で留守なので、ひとり週末を過ごした。

花見の予定を立てられる人を尊敬する。
・春のせわしなさとは別に桜を楽しみにできる
・当日に咲いてない、雨が降る、などしても苦無く過ごせる友人がいて、誘える
・わざわざ人混みに行く

この中のどれも私は備えていない。あったかいお外で桜を見ながらビールとか飲んだら最高だろうけど、毎年気づいたら桜が咲いていてびっくりする。
そんなことを考えながらスーパーに行った。道ゆく人が見上げて、桜の木を眩しそうに眺めていた。桜、「きれい」という言葉になる前に「ふわふわ」が脳内を占める。桜ってふわふわで、雲みたいだよね。

普段は彼と一緒に買い出しに来るが、1人で来ると何を買えば良いか永久に結論が出ない。野菜がべらぼうに高く、唯一鶏むね肉がいつもよりだいぶ安いことは分かったが、帰宅して小分けにするのに何グラムずつがいいかなとか、今週果たして使うか?とか、ぐるぐる考えて結局買えなかった。

同じ理由でじゃがいもとほうれん草も買い逃す。川上未映子もエッセイで、スーパーに来るとまじで何買ったら良いかわからなくて超しんどい的なことを書いていて、よく心の支えにする。個人的に好きなのは、急にぶり大根作ろうとして、ありえない量のぶりを買おうとしてお魚屋さんに止められるところ。

そんな感じの午前中。


お洗濯は、頭の中で概念の肉や魚と実際の手順、現在、未来を結びつけなくて良いから楽だ。ただ良い匂いかどうか確かめて、干す作業。今日は2回洗濯機を回して、それだけで嬉しい。

家事を終えた後は、彼が居ないので、思い切り行儀の悪いことをする。お昼ごはんに無印のカレーを食べながら、合間にじゃがりこをつまんだ。ごはん⇆おやつなんて久々にやった悪事だわ。

映画を2本立て続けに観る。あとに観た映画では、イカしたじいさんが、気に入らない朝食を冒頭からぶん投げて、「我慢して長生きするくらいならはやく死んだ方がマシ」とか叫びながらキッチンに立ってベーコンを切り出して最高。終始雨さんみたいなじいさんだった。

「心配して失敗するより判断を誤る方がマシだ」。

大好きな俳優が演じるヒロインは、結局判断を誤らないし、賢く素直に生きて、愛する人に愛を伝え、大したことない男とは結局、不倫関係に陥らず決別する。決別する時、「君は素晴らしい人だ」とか男に言われて映画が終わるんだけど、めっちゃむかついた。彼女自身の美徳をお前にわざわざ割いたわけじゃなく、ただ生きていたらあふれただけなんだけど?

優しくしたいわけじゃないやつに「きみは優しいね」と言われるのがムカつくのと同じで、私の中では褒める=ナメる(赦されると思ってる)の方程式が作用する瞬間があって、ほんとウザいと思ってる。

私の大好きな俳優ミリアム・ホプキンスは、だいたい我儘で誘惑に弱くてすぐ泣くし怒るし、でも覚悟を決めた瞬間の目つきと口ぶりはこちらの口角が思わず上がってしまうくらいの迫力(の役を演じてることが多い)。しかしこの映画では我儘よりも素直さや聡明さが目立って、それもまた好きだったけど、個人的にはもっと大暴れして、最終的にはにやにや笑いながら映画が終わってほしい。

こうやって自分勝手に、彼女の演じるキャラクターを求めたりしてるもんだから、無意識に褒めたり、お願いすることで相手が望まないロールを強いてしまうことって、あるんだろうな。
だから私は、極力どうでもいいことで人を褒めるようにしている。

最近人を褒めたこと↓
モスに行ったら「モスバーガー」を頼まず、「とびきりバーガー」しか頼まない人をかっこいい!!!て褒めた。(実際、潔くてかっこいい)

今晩はよく分からない味の自炊をしたから、おいしいハンバーガーが食べたい。

セブンでフィナンシェを買います