青の時間

清々しいのか、嬉しいのか、気持ちいいのか、それらの全てなのか、よく分からないけど「良さ」が突き抜けたときはいつも静かで、その色はたぶん青だと思う。

ロメール『レネットとミラベル/四つの冒険』を観て以来、映画の内容はほとんど思い出せないのに青のイメージだけ頭のなかにずっとあって、もはや「朝」に止まらず、心地よさがある一定のラインを超えた時、脳内に青がばしゃっと広がって、空っぽになっていく感じがある。どこかで私は「青の時間」を「快感の時間」に書き換えてしまったらしい。

こんなふうにどんどん見たものが分からなくなっていくから、色んなものを見て分からなくなっていきたいと思う。


最近は男の子と住んでいて、23時に寝て7時に起きる生活が続いている。夜更かしはほとんどしなくなり、なんと、毎晩自然と眠くなり、毎朝自然に目が覚めるんである。彼曰く、私はとても眠りが深いので、いつも本当に気持ちよさそうに眠っているらしい(おひるねのときも)

だからなのか、早朝の「青の時間」を感じることが減ったと思う。前の家より木が少ないから、鳥の声も聞こえない。


毎日あったかくて気持ちよくて美味しくて、とろとろだ。こうも心地よいと、怖くなってふいっと消えたくなってくる。気持ちがいいことは、すなわち空っぽと同義なのだ。

だから、彼が留守の日に思い切り焼きそばを食べたり、むかしの彼氏の悪口を脳内で急に羅列してみたり、意味もなく肩に濃い痕を残してやったりしてバランスをとっている。


昨日は鈍行で実家に帰って、往復の電車が暇だったからずっと音楽を聴いていた。春によく聴くいきものがかりから、前から気になっていたManeskinへ曲が移る。比べるもんじゃないけど「ブルーバード」とかより私にとってはずっとずっと青い!!!


It's 5 AM.,we feel so good it's almost frightening

ここが信じられないくらいよくて何度も何度も聴いた。二時間あっという間の帰り道だった。

進んでいないことにしょんぼりしてしまうことも多くあるけど、こういう私だけの「青の時間」をもっと増やして、鳥が鳴かずとも朝が来ずとも土砂降りであろうがなんだろうが私の中をいっぱいにできるものを、今のうちにたくさん集めておきたいな、なんて思う日々。

セブンでフィナンシェを買います