枕元に立った兵隊さんの話。

昨日、終戦記念日の記事を書いていて

思い出したことがあった。

表題のままです。笑


何年も前に知覧に行った時の話。

知覧といえば特攻隊で悲しい歴史のある所で

九州にいた頃は数年に一度必ず訪れるようにしていた場所。


その時は、知覧初上陸の友人を連れて

春雨が降る桜が少し残る季節に訪れた。


資料館見て回って、豚カツ食べて、温泉に入って帰宅。

資料館で動いた心を忘れまいと書き留めて眠った。

異変は翌日の朝から起こる。


あれ。 DVDが付かない。リモコンの電池はあるはずなのに。

本体を触ってもダメ。まぁいいか、と放っておいた。

そして翌々日の朝。

テレビが付かない。え。リモコンかよ、と電池を替える。

付かない。いよいよ壊れたんかなーと気にも止めず仕事へ。

帰宅後ももちろんテレビは沈黙していた。

適当に本でも読んで寝ようと思っていたが

なかなか寝付けない。

”明日も仕事なのに寝れないのはつらいなー”と

ゴロゴロ寝返りを繰り返してスッと眠りに落ちそうになった時

枕元に気配を感じた。体は動かない。

不思議と怖いという感覚はなく、

”え、これが金縛りてやつ?やっと眠れそうだったのに?”

と少しイラついていた。

体は動かせないはずなのに枕元に立っているナニカの

存在はハッキリと視える。(感じる、が正解かも)

細身で長身の兵隊さんだった。シルエットは真っ黒で顔はわからない。

低い声で私に何か話しかけていた。

単語単語でボソボソと。聞き取れない。


今思えば、きちんと話を聞いてあげればよかった。

あろうことか当時の私はやっと眠れそうだったのに

起こされた(?)イライラがピークに達しており、

心の中で『あーもう、うっっっっっせーよ!!』と叫んだ。

その瞬間にふっと枕元の気配が消え

スーッと眠りに落ちていた。


翌朝、なんや昨日の夢は。いや、夢か?とか

思いながらいつも通りテレビを付ける。

壊れてたんだった、と諦めていたらいつものニュースが流れ始めた。

まさかと思い、 DVDを操作すると普通に動く。


兵隊さんの仕業だったとしたら3日くらい一緒に住んでいたことになる。

一人暮らしのはずだったのにまさかの同棲生活をしていた。

ただ、テレビと DVDの不調以外は全く普通だったから気付かなかった。


きっと私に伝えたいことがあって

わざわざ知覧からきてくれた(ついてきてくれた)のに

一蹴してしまったのは本当に申し訳なく思っている。(今も)

兵隊さんにヤバいやつ認定されたと思うから、

もうないとは思うけど…

もしまたこんなことがあれば

一緒に酒でも飲んでとことん話を聞いてあげたいと思うし、

叶えたいことがあったならできる範囲で協力してあげたい。


なかなか帰れないけれど、

九州に帰った時はまた知覧に行って心を揺さぶられてこよう。


くれぐれも寝込みを狙わないように、

登場の仕方だけは考えてもらえたら、

私でよければいくらでも話を聞きますよ。

あの時の兵隊さん、ごめんね。


…っちゅう話でした。

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