私が幼稚園の先生をやめた理由。

それは働き方改革がされる前、残業なんか当たり前で先輩の先生が帰らなければ帰ってはいけない雰囲気のばりばり縦社会の時代。

年長の担任をやっている時の事。
年長では絵画の時間があった。講師の先生を招いて書き方を教えてもらい作品を作る。
それは月に一回。その日お休みをしたらその月の絵画の作品は残せない。

その事に疑問を抱いた保護者の方から直接相談があった。
『うちの子、この前の絵画やりたいと言ってるので別でやってもらえませんか?』とのこと。

それを言われた時びっくりした。

何にびっくりしたかと言うと、その子にそんなに意思があるんだと言う事にびっくりした。
いつも『ない?』と聞けば『ない』だし。
『ある?』と聞けば『ある』と言うし、『どう思う?』には首を傾げる子だった。
私は内心『お母さんがやって欲しいんだな』と受け取った。
その場にいたその子に『本当にやりたい?』と何度か聞いてみるが、首を傾げたり、心のないうんだったり確かな答えが返ってこなかった。
しかし、この私の『こどもに何度も確認する』という行動が保護者の方を怒らせる事になる。
その場は、上の先生に相談しますで終わらせ、確認したところ『講師の先生は呼べないからもう作品は残せない』という私の思った通りの回答が返ってきた。
保護者の方にもすぐ電話をしそのように伝えたが納得してもらえず『上の先生を呼んでくれ』とのことで、上の先生に言ったがみんな怖いのかあまり対応してくれなかった。
同期も同じ席にいたが、『こんなに対応してくれないことある?』と言うほどみんな私は知らないという態度が酷かった。えっ誰が変わる?と言った感じ。
そして結局園長と保護者が対面で話す事になり、保護者の言い分は『ひつこく何度も聞いているのが気に入らなかった』とのこと。
その日の夕方、園長から『あなたが悪い』と言われた。
そうか、私の話しは詳しくは聞いてくれず保護者の話しを鵜呑みにするのか。そもそも絵画の作品を残せないのは私が決めたことではなく園で決まってることなはず。論点をすり替えてとにかく気に入らないですと言われてる事に到底納得できなかった。

ここに居ても誰も私を守ってくれる人もいないし、ここで働く意味はないんだと落胆した。
その揉め事があった時期、精神的にも追い詰められていて、当時付き合っていた今の旦那に『寝言でひたすら謝ってたけど大丈夫?』って言われて。あーもう限界かなと思った。

年長の業務というのは、『年長の担任になった』と聞くと『うわぁー大変だね』という話しになるくらい大変な学年。
それを私は3年連続でやった。園に貢献してる自負があった。それなのにこの仕打ち。せめて、『あの先生はこういう思いでこどもに確認したと思いますよ。』と嘘でも言って欲しかった。
悲しくなり、何のために働いているのか分からなくなってその年に退職願いを出して次の年に辞めた。

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